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4日目

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「まさか、この世界じゃああいう評価だったとは驚きだったな」

あの後は急いで自室に戻って着替え、その辺の本棚や王宮の図書館を回り闇の魔力について調べ回った。どうやらこの世界での闇の魔力はかなり重宝されている様だ。特に良いとされているのが貴族や王族だった。調べてみると闇魔法の特徴として、影を操れたり相手の意識をそらせるなどといったどちらかというと補助的な力が多かった。その為、身の安全が重視される貴族や王族には代々、専用の闇魔法の使い手がついていることが多い。

「それを本人が持っているから、一番安全なんだよな。王族や貴族の務めとして最も重要なのは長く統治することだ。それを容易にするからある意味で光の魔力よりも重視されるのには驚いた」

光の魔力は治療や浄化には役立つが、そういうことは別に王族本人がやることではない。臣下としては重要だが統治者としてはそこまでではないのだ。

「とりあえずは迫害なんてことにならなくてよかった。それが分かるまでは緊張しっぱなしだったからな。エディンが喜んでいたからちょっと安心していたけど、自分でも知れてよかった」

そんなことを思い出していると、エディンが来たので今日も一緒に食事を取って学園に向かった。

「では、殿下。今日は理学ですぞ」

「理学か…大丈夫かな?」

流石に昨日は闇の魔力のお陰で予習どころではなかったので心配だ。

「それではまず、この問題から。水を火にかけるとどうなりますかな?」

「水を火に?100℃になると沸騰するな」

「100℃?何ですかなそれは?確かに一定以上の温度になると沸騰は致しますが…」

「は!?」

慌てて俺は教科書をめくる。そこには火にかけると沸騰するとあった。小さくとも長時間かければ沸騰することから、一定以上の温度で一定の時間を要する。それが一番重要なことだと最後にまとめられていた。

「そうか、そこからなのか…」

考えてみれば顕微鏡とかも聞いたこともないし、目視で確認できることが真実な時代だよな。魔法があるせいで無駄に便利だしな。他の問題も気化などでそれも本当にさわりの部分だけだったので、予想よりも楽だった。

「後は人体についてですが、我らの使う魔力はこの体の中心にあり…」

そこからは人体についてだったがこっちの方が面倒だった。こちの世界ではどうだか知らないが、神経がどうとかの話ではなく、心臓とか主だった臓器以外はオカルトというか迷信めいたものだ。時々、相槌を打ちながらもそうかと何とか納得させた。

「アーダン様、今日は手こずっておられましたわね」

「手こずるというかなんというか…思ったのと違ったんだ」

「ええ。ですが、話を聞いてアーダン様の言われたことに興味が出ましたわ。機会があったらうちの研究員に話をしてくださいませんか?」

「機会があったらな」

エディンにそう答えると、今日の分もなんとか合格をもらった。その後、帰ろうとすると昨日受けなかった国語のテストもさせられた。ちゃっかりしてるな、この教師。


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