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本編
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「それならちょうどよいものがありますわよ。1か月後ぐらいに王宮騎士トーナメント戦が開かれますの。貴族や留学生も観戦できますし、出場資格は王宮騎士・王宮警備隊からそれぞれ8名ずつですわ。そこでご活躍なされれば一気に有名人ですわよ」
レミリア様が語ってくれたのは、毎年行われる王宮騎士ナンバーワンを決める大会だった。ただ、観戦も簡単に行えるものではなく、一般人には抽選。下位の貴族も当主とその夫人には資格が与えられるが、それ以外は基本的に参加できない。私も見てみたいとは思っていたのだが、参加資格がない為、頭から抜け落ちていた。
「でも、私は子爵令嬢ですから観戦資格が…」
「あら、婚約なさっておられるのでしょう?参加者の婚約者でしたら観戦できるどころか特等席で観られますわよ?」
「そうなんですか!選ばれるかなぁ…」
普段から全力を出されていないとのことだったし、同じ警備隊の方にはどう思われているのだろう。いっそのこと言ってみる?いや、ガーランド様はそんなこと望んでないだろうし…。
「確かに選ばれるかはわかりませんけれど、どうせ来年には出るようになると思いますわ」
「どうしてですか?」
「お父様も言っておりましたけれど、男性は女性を前にするとどうしても格好をつけたくなるものらしいですわよ?」
そう言ってウィンクするレミリア様はちょっとかわいらしくて、私の中での彼女のイメージが少し変わった。
「お二人とも、盛り上がっているところ悪いのですが、そろそろお時間ですわよ。レミリア様は残りのお菓子はどうされるのですか?」
見ると私たちが話している間に、ルミナリア様たちはきれいに食べてくれたようだ。レミリア様の分だけが少し残っている。
「そうですわね。紅茶も少し冷めておりますし、折角ですので持って帰って食べますわ。貴重な頂き物ですもの」
「ふふっ、喜んでいただけて何よりです。それなら、また時間があるときにでも作りますね」
「催促したみたいで申し訳ないですけれど、お願いしますわ。家で食べるものとは違ったおいしさですもの」
「はい!」
私はレミリア様の残ったお菓子を再びラッピングし直すと、再び渡す。そして簡単なお茶会は終わりを告げ、午後の授業へと望むのだった。
ガーランドは朝のことを思い出していた。ティアナと一緒に話をしながら学園に向かっていた時のことだ。急に腕に違和感を感じると彼女の腕があった。何事かと言おうとするが、話に夢中らしく気にしていないようだった。しかし、道行くものからは好機の目を向けられる。騎士たるもの控えることはあっても、こういう風に歩くことは少ない。
「~ですよね」
彼女が何か話しているが、内容があまり入ってこない。自分がこんなにも緊張しているというのに、彼女は何ともないのだろうか?そういって彼女を見つめる。
「どうしました?顔に何かついてます?」
「いや、話を切ってしまって済まない」
「いいですよ。それでですね~」
彼女の話は続く。腕を組むことは彼女にとって大したことではないのだろう。彼女は元気もいいしひょっとしたらいつも他の女生徒と似たようなことをしているのかもしれない。そう思って校門まで来た。校門に着いたところで、一部の生徒はぎょっとしたような表情で私たちを見る。送り迎えぐらいだったら、馬車でという形なら見受けられるが、どこにも俺たちのように腕を組んできているものはいない。精々が馬車から降りるときに、従者が手を出す程度だ。
「ガーランド様ではまた帰りに」
「あ、ああ」
いまだ戸惑い気味の俺とは違って、彼女は元気に校舎へと向かう。残った視線が俺の方に突き刺さりいたたまれないので、すぐに王宮へと向かった。
レミリア様が語ってくれたのは、毎年行われる王宮騎士ナンバーワンを決める大会だった。ただ、観戦も簡単に行えるものではなく、一般人には抽選。下位の貴族も当主とその夫人には資格が与えられるが、それ以外は基本的に参加できない。私も見てみたいとは思っていたのだが、参加資格がない為、頭から抜け落ちていた。
「でも、私は子爵令嬢ですから観戦資格が…」
「あら、婚約なさっておられるのでしょう?参加者の婚約者でしたら観戦できるどころか特等席で観られますわよ?」
「そうなんですか!選ばれるかなぁ…」
普段から全力を出されていないとのことだったし、同じ警備隊の方にはどう思われているのだろう。いっそのこと言ってみる?いや、ガーランド様はそんなこと望んでないだろうし…。
「確かに選ばれるかはわかりませんけれど、どうせ来年には出るようになると思いますわ」
「どうしてですか?」
「お父様も言っておりましたけれど、男性は女性を前にするとどうしても格好をつけたくなるものらしいですわよ?」
そう言ってウィンクするレミリア様はちょっとかわいらしくて、私の中での彼女のイメージが少し変わった。
「お二人とも、盛り上がっているところ悪いのですが、そろそろお時間ですわよ。レミリア様は残りのお菓子はどうされるのですか?」
見ると私たちが話している間に、ルミナリア様たちはきれいに食べてくれたようだ。レミリア様の分だけが少し残っている。
「そうですわね。紅茶も少し冷めておりますし、折角ですので持って帰って食べますわ。貴重な頂き物ですもの」
「ふふっ、喜んでいただけて何よりです。それなら、また時間があるときにでも作りますね」
「催促したみたいで申し訳ないですけれど、お願いしますわ。家で食べるものとは違ったおいしさですもの」
「はい!」
私はレミリア様の残ったお菓子を再びラッピングし直すと、再び渡す。そして簡単なお茶会は終わりを告げ、午後の授業へと望むのだった。
ガーランドは朝のことを思い出していた。ティアナと一緒に話をしながら学園に向かっていた時のことだ。急に腕に違和感を感じると彼女の腕があった。何事かと言おうとするが、話に夢中らしく気にしていないようだった。しかし、道行くものからは好機の目を向けられる。騎士たるもの控えることはあっても、こういう風に歩くことは少ない。
「~ですよね」
彼女が何か話しているが、内容があまり入ってこない。自分がこんなにも緊張しているというのに、彼女は何ともないのだろうか?そういって彼女を見つめる。
「どうしました?顔に何かついてます?」
「いや、話を切ってしまって済まない」
「いいですよ。それでですね~」
彼女の話は続く。腕を組むことは彼女にとって大したことではないのだろう。彼女は元気もいいしひょっとしたらいつも他の女生徒と似たようなことをしているのかもしれない。そう思って校門まで来た。校門に着いたところで、一部の生徒はぎょっとしたような表情で私たちを見る。送り迎えぐらいだったら、馬車でという形なら見受けられるが、どこにも俺たちのように腕を組んできているものはいない。精々が馬車から降りるときに、従者が手を出す程度だ。
「ガーランド様ではまた帰りに」
「あ、ああ」
いまだ戸惑い気味の俺とは違って、彼女は元気に校舎へと向かう。残った視線が俺の方に突き刺さりいたたまれないので、すぐに王宮へと向かった。
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