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本編
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ドンッ
「サーラ!」
男と思われる影とぶつかったサーラが、衝撃で倒れそうになる。すんでのところでフォルト様が抱える。
「貴様、何を!」
「うるさいどけ!」
後ろからは騎士が走ってきている。大方、物取りか何かだろう。すぐにガーランド様が男の前に躍り出る。私もフォルト様とサーラの前に身を乗り出して、構える。
「騎士に追われているようだな。観念して捕まるがいい」
「なんだと!優男が」
男が腰の剣を取りだしガーランド様目掛け振り下ろす。ああ、そんな大ぶりの剣じゃ…。
「遅い…」
剣を抜くことなくガーランド様が振り下ろす腕を蹴り上げ、剣を落とさせる。
「観念しろ。騎士ももう後ろに来ている」
「こ、こうなったら」
男がこちらを向く。殴りかかろうとでもいうのか。そう思っていると懐から短剣を取りだして私に向かってくる。
「こいつを人質にさせてもらうぜ!」
ガーランド様の位置からでは届かないと思っている距離から男が詰めてくる。私は飛び出そうとするガーランド様に手を上げ大丈夫だと示す。そして、鞘ごと腰から抜き男の右胸を突く。ガーランド様に蹴られ力がうまく入らない右手のさらに右肩近くを突かれ、利き腕が使い物にならなくなった男が後ろに倒れる。そこにガーランド様がいつの間にか抜いた剣が付きつけられる。
「これ以上、手を出すなら容赦せん!」
ちょっと私でもびくっとなるぐらいの殺気に男も観念した。
「捕縛を」
ガーランド様がそういうと、私の後ろまで来ていた騎士たちがすぐに男をとらえる。どうやらこのあたりでも有名な物取りで、被害にあった人もかなりいるらしい。ただ逃げ足が速く、剣やナイフも持って乱暴な為に中々捕まえられなかったらしい。
「ご協力を感謝します。お連れの方も大丈夫でしょうか?」
騎士の方が私とガーランド様に礼を言う。サーラも幸運にもケガが無いようで大丈夫ですと答える。
「いや、当然のことだ。持ち場は違えど同じ騎士だからな」
「これは…王宮警護隊の方でしたか。ありがとうございました。では、そちらの方も?」
「あ、わたしはただの子爵令嬢です」
「ティアナ、余計なことを言うんじゃないわ」
「…あなたがあの」
そこで騎士たちは喋るのをやめた。私って自分で思っているより有名人だったりするのかも。
「な、なにはともあれご協力ありがとうございました。こちら、報告書にきちんと書かせていただきますので」
「いや、別に…」
断ろうとするガーランド様だったが、騎士たちは聞く気もなくそそくさと男を連れて去っていった。
「ガーランド様、何をお断りしようとされていましたの?」
「いや、非番や特別に功績があった場合、特別褒賞が出る場合があるのだが、これまでは面倒だからと全て辞退していたのだ。今回に限ってその暇もなく断れなかったのだが」
「それはそうでしょうね。ティアナが子爵令嬢で一緒に居られたのですから、護衛か恋人かと思われたのでしょう。その功績をつぶしたら、後が怖いと去っていったのでしょうね」
「そんなことしないけど」
「受け取り側の問題ですからね。街で難癖付ける貴族もいるという事でしょう」
あー嫌だと、サーラは言いながらフォルト様にけががないか再度確認されている。
「本当にけがはないか?」
「大丈夫です。それより、ティアナこそ大丈夫?ナイフの前に出たりして」
「大丈夫、大丈夫。初めてじゃないし、乱暴だけど腕はよくなかったから」
「…サーラ殿、ちょっと用事ができたので失礼してもいいかな?」
「私も出来そうだったのですが、お譲りしますね」
「助かります」
ガーランド様たちは目で会話しながら、うんうんと頷いている。「さあ帰ろう」と有無を言わさずガーランド様に引っ張られる私。何かしたっけ?
「頑張ってくださいませ」
サーラが綺麗に挨拶をして見送ってくれる。ただしその目は憂いを含んでいた。
待ち合わせ場所に着いたとき私はびっくりした。ティアナ様とは2度ほどあっただけだが、毅然としていて令嬢としても礼を持った方だと思っていた。サーラや噂の言う通りのおてんばなどという言葉は当てはまらないと思っていたのだが。
「帯剣だな」
「ですわね」
店に入っても受付の女性がびくっとしていた。ガーランド殿の方は騎士の雰囲気があるものの、ティアナ様にはそれがない。にもかかわらず、帯剣してお茶をしに来るなど大変目立っていた。本人は自覚がないだろうが。
「熱いわね」
「そうだね」
店内でもこれまでにない様子だった。今までは話をしていてもしっかりしているなと思っていたが、普通の恋愛中の子供という感じだ。令嬢っぽさもなければ、打算もない。純粋にガーランド殿に興味を持ち、ケーキを食べたり、一言で赤面したりと今までとまるで違う。
「道すがら、サーラに聞いていたけどこれは何というか…」
「味、分かりますか?」
「どうだろうか」
おかしい。私とサーラは出会ってかなり立つが、彼らはまだそんなに経っていないはずだ。ここまで急に変わってしまえるものなのかと、逆に感心する。とりあえずこの空間に慣れる時間が必要なので、区切りのいいところで今日は解散となった。
「じゃあ、サーラ帰ろうか?」
そう思って彼女に手を伸ばした瞬間に、前から男が飛び出してくる。
「きゃっ」
サーラにぶつかると思った瞬間、すぐに手を伸ばし彼女を支える。何とか倒れさせずに済んだ。しかし、なんと迷惑な男かと思って文句を言おうとしたが、男はどけ!と叫ぶ。かなり気が立っている様だ。
「観念して捕まるがいい」
何やらガーランド殿が話している様だ。そう思ったら男は剣を抜き襲いかかった。危ないと思ったがさすがは王宮警備隊だ。剣を抜くことなく蹴りだけで相手の剣を弾いた。男は敵わないと思ってこちらに向き直る。すぐに抑えようとガーランド殿が動こうとするが、ティアナ様が手を上げると動きを止めた。
「まさか…」
男がナイフを懐から取り出し向かってくると、ティアナ様は鞘ごと突きを繰り出して、男を倒してしまった。夫婦そろって強いことだと思って、サーラに意識を戻す。
「大丈夫か?」
「はい、フォルト様が支えて下さったので…」
ちょっと頬を染めているところがいじらしい。しかし、心配なので本当にけががないか確かめる。男は窃盗の常習犯らしいが、サーラにけががあれば、きちんと罪を付け加えさせなければ。だが、幸いにもサーラにけがはなかった。
「しかし、ガーランド殿はともかくティアナ様も噂通り強いのですね」
「でしょう。私、余計に心配になってしまいますの」
サーラが心配するのも分かる。ガーランド様が退路を断つために奥にいたとはいえ、自らを危険にさらすこの令嬢は大変心配だろう。親友ならなおさらだ。話を聞いていると今回のようなことは初めてではないらしい。サーラだけではなく、ガーランド殿の目も厳しくなっていた。この後こってり絞られる彼女に少しだけ同情しながら、これ以上危険な目に合わないよう、サーラを送り届けたのであった。
「サーラ!」
男と思われる影とぶつかったサーラが、衝撃で倒れそうになる。すんでのところでフォルト様が抱える。
「貴様、何を!」
「うるさいどけ!」
後ろからは騎士が走ってきている。大方、物取りか何かだろう。すぐにガーランド様が男の前に躍り出る。私もフォルト様とサーラの前に身を乗り出して、構える。
「騎士に追われているようだな。観念して捕まるがいい」
「なんだと!優男が」
男が腰の剣を取りだしガーランド様目掛け振り下ろす。ああ、そんな大ぶりの剣じゃ…。
「遅い…」
剣を抜くことなくガーランド様が振り下ろす腕を蹴り上げ、剣を落とさせる。
「観念しろ。騎士ももう後ろに来ている」
「こ、こうなったら」
男がこちらを向く。殴りかかろうとでもいうのか。そう思っていると懐から短剣を取りだして私に向かってくる。
「こいつを人質にさせてもらうぜ!」
ガーランド様の位置からでは届かないと思っている距離から男が詰めてくる。私は飛び出そうとするガーランド様に手を上げ大丈夫だと示す。そして、鞘ごと腰から抜き男の右胸を突く。ガーランド様に蹴られ力がうまく入らない右手のさらに右肩近くを突かれ、利き腕が使い物にならなくなった男が後ろに倒れる。そこにガーランド様がいつの間にか抜いた剣が付きつけられる。
「これ以上、手を出すなら容赦せん!」
ちょっと私でもびくっとなるぐらいの殺気に男も観念した。
「捕縛を」
ガーランド様がそういうと、私の後ろまで来ていた騎士たちがすぐに男をとらえる。どうやらこのあたりでも有名な物取りで、被害にあった人もかなりいるらしい。ただ逃げ足が速く、剣やナイフも持って乱暴な為に中々捕まえられなかったらしい。
「ご協力を感謝します。お連れの方も大丈夫でしょうか?」
騎士の方が私とガーランド様に礼を言う。サーラも幸運にもケガが無いようで大丈夫ですと答える。
「いや、当然のことだ。持ち場は違えど同じ騎士だからな」
「これは…王宮警護隊の方でしたか。ありがとうございました。では、そちらの方も?」
「あ、わたしはただの子爵令嬢です」
「ティアナ、余計なことを言うんじゃないわ」
「…あなたがあの」
そこで騎士たちは喋るのをやめた。私って自分で思っているより有名人だったりするのかも。
「な、なにはともあれご協力ありがとうございました。こちら、報告書にきちんと書かせていただきますので」
「いや、別に…」
断ろうとするガーランド様だったが、騎士たちは聞く気もなくそそくさと男を連れて去っていった。
「ガーランド様、何をお断りしようとされていましたの?」
「いや、非番や特別に功績があった場合、特別褒賞が出る場合があるのだが、これまでは面倒だからと全て辞退していたのだ。今回に限ってその暇もなく断れなかったのだが」
「それはそうでしょうね。ティアナが子爵令嬢で一緒に居られたのですから、護衛か恋人かと思われたのでしょう。その功績をつぶしたら、後が怖いと去っていったのでしょうね」
「そんなことしないけど」
「受け取り側の問題ですからね。街で難癖付ける貴族もいるという事でしょう」
あー嫌だと、サーラは言いながらフォルト様にけががないか再度確認されている。
「本当にけがはないか?」
「大丈夫です。それより、ティアナこそ大丈夫?ナイフの前に出たりして」
「大丈夫、大丈夫。初めてじゃないし、乱暴だけど腕はよくなかったから」
「…サーラ殿、ちょっと用事ができたので失礼してもいいかな?」
「私も出来そうだったのですが、お譲りしますね」
「助かります」
ガーランド様たちは目で会話しながら、うんうんと頷いている。「さあ帰ろう」と有無を言わさずガーランド様に引っ張られる私。何かしたっけ?
「頑張ってくださいませ」
サーラが綺麗に挨拶をして見送ってくれる。ただしその目は憂いを含んでいた。
待ち合わせ場所に着いたとき私はびっくりした。ティアナ様とは2度ほどあっただけだが、毅然としていて令嬢としても礼を持った方だと思っていた。サーラや噂の言う通りのおてんばなどという言葉は当てはまらないと思っていたのだが。
「帯剣だな」
「ですわね」
店に入っても受付の女性がびくっとしていた。ガーランド殿の方は騎士の雰囲気があるものの、ティアナ様にはそれがない。にもかかわらず、帯剣してお茶をしに来るなど大変目立っていた。本人は自覚がないだろうが。
「熱いわね」
「そうだね」
店内でもこれまでにない様子だった。今までは話をしていてもしっかりしているなと思っていたが、普通の恋愛中の子供という感じだ。令嬢っぽさもなければ、打算もない。純粋にガーランド殿に興味を持ち、ケーキを食べたり、一言で赤面したりと今までとまるで違う。
「道すがら、サーラに聞いていたけどこれは何というか…」
「味、分かりますか?」
「どうだろうか」
おかしい。私とサーラは出会ってかなり立つが、彼らはまだそんなに経っていないはずだ。ここまで急に変わってしまえるものなのかと、逆に感心する。とりあえずこの空間に慣れる時間が必要なので、区切りのいいところで今日は解散となった。
「じゃあ、サーラ帰ろうか?」
そう思って彼女に手を伸ばした瞬間に、前から男が飛び出してくる。
「きゃっ」
サーラにぶつかると思った瞬間、すぐに手を伸ばし彼女を支える。何とか倒れさせずに済んだ。しかし、なんと迷惑な男かと思って文句を言おうとしたが、男はどけ!と叫ぶ。かなり気が立っている様だ。
「観念して捕まるがいい」
何やらガーランド殿が話している様だ。そう思ったら男は剣を抜き襲いかかった。危ないと思ったがさすがは王宮警備隊だ。剣を抜くことなく蹴りだけで相手の剣を弾いた。男は敵わないと思ってこちらに向き直る。すぐに抑えようとガーランド殿が動こうとするが、ティアナ様が手を上げると動きを止めた。
「まさか…」
男がナイフを懐から取り出し向かってくると、ティアナ様は鞘ごと突きを繰り出して、男を倒してしまった。夫婦そろって強いことだと思って、サーラに意識を戻す。
「大丈夫か?」
「はい、フォルト様が支えて下さったので…」
ちょっと頬を染めているところがいじらしい。しかし、心配なので本当にけががないか確かめる。男は窃盗の常習犯らしいが、サーラにけががあれば、きちんと罪を付け加えさせなければ。だが、幸いにもサーラにけがはなかった。
「しかし、ガーランド殿はともかくティアナ様も噂通り強いのですね」
「でしょう。私、余計に心配になってしまいますの」
サーラが心配するのも分かる。ガーランド様が退路を断つために奥にいたとはいえ、自らを危険にさらすこの令嬢は大変心配だろう。親友ならなおさらだ。話を聞いていると今回のようなことは初めてではないらしい。サーラだけではなく、ガーランド殿の目も厳しくなっていた。この後こってり絞られる彼女に少しだけ同情しながら、これ以上危険な目に合わないよう、サーラを送り届けたのであった。
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