自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第八話:帰還──“エルフリア”で揺れる日常】

シーン2:道中のドタバタと成長の実感

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 辺境開拓地からエルフリアまでは、およそ数日の道のり。往路では魔狼の脅威や落とし穴などに悩まされたが、今回はそこまで大きな障害もない。それでも小型モンスターや盗賊も出現する可能性があるため、警戒を怠らない。
 朗雄の腕はまだ痛むが、「俺が先頭に立たなくて誰が立つ」と意地を見せ、剣を片手に歩き続ける。一方、基一や裕翔が「無茶はするな」となだめるが、朗雄は「大丈夫だ」と強がりを見せる。
 エリナは将臣の様子を気遣いながら「魔法の制御が上手くなったのね。前はあんな暴走ばかりだったのに」と声をかけると、将臣は「いや、俺はまだまださ」と苦笑いしながらも、かつての自分とは違う手応えを感じ始めている。
 道すがら、孝征が「ここぞとばかりに奇妙な新スキルを試してみるんだ」と言い出し、罠設置の新しい手法を実験したり、銀次が「みんなでやると成功率高いな!」と盛り上げたりと、相変わらずドタバタが絶えない。
「見てろよ、新技だ!」と孝征が地面に素早く罠を仕掛け、直後に通りかかった野ウサギが見事に捕まると、周囲から「おお!」と歓声が上がった。しかし、そのウサギが突然激しく暴れ、罠を引きちぎって逃げ出してしまう。
「おい、あのウサギやたら強くねぇか?」と矢野が呆然とする中、孝征が「くそっ、せっかくの試作品が……」と肩を落とす。
「まあ、罠自体は機能してたから、あとは耐久性の問題だな」と基一がフォローし、銀次が「まあ、あのウサギ相手じゃ仕方ねぇさ」と笑い飛ばす。将臣も「野生の動物って案外強いんだな」と感心する。
 岡村はそんな賑やかな雰囲気を嬉しそうに受け止めつつ、「そういえば俺たち、一見パッとしないって言われてたわりに、なんだか冒険者っぽいよな、最近」と笑う。矢野や将臣も「うん、俺もそう思う」と同調し、チームワークの向上をそれとなく感じる一幕がある。
 夜になり、野営地を作ることになった。将臣が火を起こし、銀次が罠を仕掛け、基一が周囲の見張りを配置する。ロイドはまだ腕の痛みを抱えているが、「俺も手伝う」と薪を集め始める。
 エリナが「無理しないで」と声をかけると、ロイドは「これくらい平気さ。お前にばかり甘えてられないからな」と少し照れくさそうに笑う。そのやり取りを見て、将臣はどこか安心感を覚えると同時に、少しだけ複雑な気持ちを抱いた。
 焚き火が揺らめく中、岡村が「俺たち、本当に少しは成長できたんだよな」としみじみと言うと、銀次が「当たり前だろ。あんな化け物に立ち向かって勝てたんだから」と自信を見せる。
「そうだな……。前だったら絶対無理だった。でも、みんなで一緒にやってきたから勝てたんだ」と将臣が続けると、裕翔が「それがチームってやつだ」と静かに頷く。
 ロイドが「お前たち、本当に変わったな。昔のお前だったら、そんな風に仲間を頼るなんて考えなかっただろ」とぽつりと言う。
 将臣は少し考えてから、「うん、そうかもしれない。でも、ロイドさんがあの時、俺に言ってくれたから……一人で無茶しても何も変わらないって。あの言葉、ずっと頭の中に残ってた」と正直に話す。
「そっか……なら、良かった」とロイドが微笑むと、エリナも「過去は変えられないけど、これからは変われるってことね」と優しく言った。
 その夜、見張りを交代しながらそれぞれが焚き火を囲んで眠る。将臣は夜空を見上げ、星の瞬きがどこか優しく感じられた。「俺、ちゃんと仲間を守れるようになりたい。もっと、強くなりたい」と心の中で呟く。
 遠くでフクロウの鳴き声が聞こえ、草むらが風に揺れる音が心地よい。銀次が寝ぼけながら「飯、もっと……」と呟き、岡村が「夢の中でも食い意地張ってるのかよ」と苦笑する。
 仲間たちの寝顔を見つめながら、将臣は自然と笑みを浮かべた。仲間がいるという安心感が、今はとても心強かった。将臣はその穏やかな気持ちを胸に抱きながら、焚き火の温もりを感じてゆっくりと眠りについた。
 朝が来れば、またエルフリアへと向かう旅が続く。それでも、彼らの心には確かな絆と成長が根付いている。道は長いが、その一歩一歩が確かなものになってきた。シーン2[終]
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