自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第十一話:学者との合流──隠された遺跡の扉】

シーン2:ラドクリフ博士との対面

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 キャンプの奥にある大きめのテントに通された岡村たちは、白髪混じりの壮年の男性、ラドクリフ博士と対面した。テントの中には古びた書物や巻物が山積みされ、研究用の机には複雑な魔法陣の図や解読途中の古代文字がびっしりと書かれている。博士は分厚い本を片手に、目の前の巻物を凝視していたが、助手のレインが声をかけると、ようやく顔を上げた。
「博士、護衛兼調査補助をしてくれる冒険者たちが到着しました」とレインが報告すると、博士はメガネを外して目をこすりながら「おお、やっと来たか」と優しい笑みを浮かべる。
「初めまして。私がラドクリフだ。古代遺跡の調査を依頼した者だ。いやはや、遠いところをよく来てくれた」と柔らかな口調で礼を言った。
 孝征が少し興奮しながら「博士、俺、エルフリアで講義を聞いたことがあります! 古代魔法の理論とか、めちゃくちゃ面白くて!」と語りかけると、博士は「ああ、そうか。そういえばあの宿で一度、学術講演をしたことがあったな」と懐かしそうにうなずく。
 将臣が「僕たちは護衛として依頼を受けましたが、調査補助も必要と聞いています」と切り出すと、博士は「その通りだ。遺跡の封印扉を調査しているが、どうにも進展がなくてね。君たちの力が必要なんだ」と言う。
 基一が「封印扉というのは、具体的にどのような構造なのでしょうか?」と尋ねると、博士は「古代魔法で厳重に封じられている扉だ。扉自体に古代文字が刻まれていて、その中には『魂を歪める術式』という言葉が含まれている」と答えた。
「魂を歪める術式……」と将臣が呟き、銀次が「こりゃまた物騒なもんだな」とため息をつく。博士は真剣な表情で続けた。
「実際、扉を無理に開けようとすると、強烈な魔力の波動が発生し、周囲に衝撃を与える。前に助手の一人が不注意で触れた際、吹き飛ばされて怪我をした。幸い命に別状はなかったが、非常に危険だ」と説明する。
「そんな代物、どうやって解除するつもりなんだ?」と朗雄が疑問を口にすると、博士は「解読が進むにつれて、鍵となる文様の一部が判明してきた。ただ、それを解呪するためには同じ素材で作られた金属片が必要だと推測している」と言った。
 孝征が「もしかして……これですか?」と洞窟で拾った金属片を取り出すと、博士は目を見開いて「これは! 紛れもなく、古代魔力を封じ込めた金属片だ。どこで手に入れたのか?」と色めき立った。
 岡村が「以前、洞窟で魔物と戦ったときに拾ったんです。その洞窟でも、封印のような魔法陣がありました」と説明すると、博士は「そうか……やはり関連があるのかもしれない」とうなずいた。
 基一が「つまり、この金属片が封印解除の鍵になる可能性があると?」と尋ねると、博士は「そうだ。おそらく、この片が持つ魔力が扉の一部と共鳴し、解呪の手がかりになるはずだ」と確信を込めた口調で答えた。
「でも、その鍵が危険を伴うものだとしたら……」と将臣が不安げに言うと、博士は「その可能性もある。しかし、解読を進めなければ遺跡の真実にはたどり着けない」と真剣な表情を見せた。
 エリナが「博士、万が一、封印が解かれて何かが解き放たれた場合、対応策はあるのでしょうか?」と冷静に尋ねると、博士は「それが一番の問題だ。私たちは遺物の解読を進めながらも、同時に防御策を検討している。護衛の君たちにも、その際は力を貸してほしい」と頼んだ。
 ロイドが「つまり、危険があるのは承知の上ってわけだな」と確認すると、博士は静かにうなずいた。「冒険には危険がつきものだ。だが、その先に待っている真実を追い求めるのが、私の使命でもある」と熱っぽく語る。
 将臣はその言葉に心を打たれ、「僕たちも、無事にその真実を見届けたいです」と決意を新たにする。銀次が「ま、俺たちに任せておきな。封印だろうが魔物だろうが、全部ぶっ飛ばしてやるよ」と自信満々に言い、博士が少しだけ苦笑した。
 岡村が「安全確保のために、周囲の警備を強化しましょう。見張りの配置も考えた方がいいですね」と提案すると、レインが「それなら、既に警備担当の者がいますが、増員してもらえると助かります」と応じた。
 博士が「この金属片を基に、封印解除の手がかりをさらに探ってみよう。君たちはひとまず周辺の警戒を頼む」と指示し、全員がうなずいてテントを後にした。
 外に出ると、将臣は「俺たち、本当に大丈夫かな」と不安を漏らすが、岡村が「今までも乗り越えてきたんだ。今回もきっと大丈夫さ」と励ます。ロイドも「ま、俺たちはいつも通りやればいいだけだ」と力強く肩を叩いた。
 銀次が「さぁ、まずは見張りだな。誰がどの時間帯を担当するか決めようぜ」とまとめ、エリナが「無理しないように交代でやりましょう」と提案する。
 こうして、ラドクリフ博士との初対面を経て、岡村たちは封印解除の準備と警備体制を整えながら、次なる展開に備えることになった。新たな真実が待つ扉の前で、彼らの心は少しずつ引き締まっていく。シーン2[終]
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