自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第十一話:学者との合流──隠された遺跡の扉】

シーン5:今後の方針と不穏な影

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 翌朝、まだ霧が立ち込めるキャンプ地で、ラドクリフ博士が冒険者たちを集め、ブリーフィングを始めた。博士は机に広げた地図を指しながら、昨夜の発見について再確認する。
「昨日の解読で分かったことがいくつかある。まず、この金属片は間違いなく封印解除の鍵だ。しかし、扱いを誤ると、封印が暴発し、内部の魔力が溢れ出す可能性が高い」と博士は慎重に説明する。
 将臣が「つまり、安全に解除できる方法がまだ見つかってないってことですか?」と尋ねると、博士は「その通りだ。だが、解呪に必要な魔力の共鳴値がだいぶ絞り込めた。これを基に、もう一度試してみたい」と意欲を見せる。
 基一が「前回は共鳴が強すぎて暴発しましたが、今回はどう対策しますか?」と質問すると、博士は「金属片を直接接触させるのではなく、まずは魔力を少しずつ流し込み、共鳴反応を観察する。それで安全を確認してから本格的に解除に移る」と説明した。
「なるほど、慎重に行くってことだな」と銀次が納得し、朗雄も「一気にやるよりはマシか」とうなずいた。
 エリナが「でも、その方法が確実じゃないとしたら?」と不安を口にすると、博士は「リスクをゼロにはできない。だが、この遺跡が何を封じているのか、明らかにしなければならない」と目を細めた。
 岡村が「わかりました。僕たちは博士を護衛しつつ、周囲の安全確保に努めます」と力強く応じると、ロイドも「ま、やるだけやってみるしかねぇな」と笑ってみせた。
 博士が「今日の午後に試みを行う。それまでに周囲の警戒を強化しておいてほしい」と依頼し、岡村たちは各自配置についた。
 銀次が周囲の罠を再確認し、裕翔と基一は魔力感知のために簡易結界を設置する。将臣が魔力を感じ取りやすくするために、扉の前で精神を集中させ、ロイドがその横で剣を研ぎながら警戒している。
 エリナが「ねぇ、将臣。昨日の夜、何か音がしなかった?」と聞くと、将臣は「うん、獣の遠吠えっぽいけど、妙に人間っぽい声も混ざってた気がする」と答える。
「まさか、盗掘者が近づいているのか?」と矢野が警戒を強めると、銀次が「それにしては慎重すぎる。普通、もっと物音を立てるだろう」と首をかしげた。
 岡村が「ここは遺跡の存在が公に知られていないはず。だとしたら、内部の誰かが情報を漏らしている可能性もある」と推測すると、エリナが「そういえば、夜中に不審な動きをしていた研究員を見かけたの」と打ち明けた。
「何? それってどういうことだ?」とロイドが問いただすと、エリナは「昨夜、キャンプの外れで一人の研究員が森の奥へと消えていったの。あまりにもこそこそしていたから、気になって追いかけたけど見失った」と言う。
 将臣が「それ、怪しすぎるだろ」と焦り、基一が「内部に協力者がいる可能性もある。博士に報告したほうがいいのでは?」と提案するが、銀次が「まだ証拠がねぇ。下手に告げ口しても混乱を招くだけだ」と冷静に判断した。
「じゃあ、夜の警戒を強化して、そいつの動きを監視しよう」と岡村が決め、ロイドが「確かに、それが一番確実だな」と同意した。
 昼前になり、キャンプ地では試みに備えて最後の準備が進んでいる。博士が再度念入りに金属片を調べ、レインが補助魔法の発動を確認している。将臣が「準備は整ってます」と報告すると、博士は「よし、みんなも気を引き締めてくれ」と声をかけた。
 エリナが「内部に裏切り者がいる可能性があるから、博士にはまだ言わない方がいいのかな」とつぶやくと、ロイドが「まずは自分たちで証拠を押さえる。それから博士に報告しよう」と意見をまとめた。
 その時、キャンプの外れから物音がした。銀次が「おい、誰かいるか?」と声をかけると、一人の研究員が慌てて出てきた。「あ、あの……薬草を探しに行ってただけです」と挙動不審な様子で言う。
「こんな昼間にか?」と矢野が突っ込むと、研究員は「あ、はい……昨日の夜にちょっと熱を出した人がいて、その薬を……」としどろもどろだ。
 将臣が「嘘くさいな」と小声で言うと、銀次が「後で調べておいた方が良さそうだな」とつぶやいた。
 博士が「準備ができた。これから封印解除の実験を始める」と声を上げ、全員が再び緊張感を取り戻す。岡村が「よし、警備は万全だ。万が一の時には博士を守るぞ」と力を込めて言った。
 不穏な影が潜む中、封印解除の瞬間が近づいている。果たして、扉の向こうには何が待ち受けているのか。冒険者たちは固く決意し、運命の瞬間を迎えようとしていた。シーン5[終]
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