自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第十二話:封印された扉──潜む陰謀と揺れる仲間たち】

シーン1:朝のブリーフィングと警戒態勢

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 朝日が昇り、冷えた空気が少しずつ温もりを取り戻す頃、キャンプ地が慌ただしく動き始めた。ラドクリフ博士は助手たちを集め、大きなテーブルの上に地図と研究資料を広げている。岡村たち冒険者も呼ばれ、テントの前でブリーフィングが始まった。
 博士は眼鏡をかけ直しながら、重い口調で話し出す。「昨晩、さらに解読が進み、この封印の扉が古代魔法を封じ込めているだけでなく、内部に何かを閉じ込めている可能性があると分かった」
 将臣が「何かって……やっぱり、あの洞窟の化け物と同じようなものですか?」と不安そうに聞くと、博士は「それが分からない。だが、“魂を歪める術式”という記述がある以上、何かしらの生命体が影響を受けている可能性が高い」と言う。
 基一が「つまり、扉を開けることで、それが解放されるリスクがあるということですか?」と確認すると、博士は頷いた。「そうだ。無理に開ければ、術式が崩壊し、内部に閉じ込められた力が暴発する危険がある」
「危ねぇな……」と銀次が呟き、ロイドが「けど、ここまで来たからには放置するわけにもいかねぇ」と吐き捨てる。
 岡村が「封印解除をやめるという選択肢はないんですか?」と尋ねると、博士は困惑した顔を見せた。「確かに、何もせずに去るのが安全だ。だが、すでに扉の魔力が活性化しつつある。放置すれば、封印が自然に解ける可能性もあるのだ」
「それって、外からの影響で壊れるってことですか?」と裕翔が確認すると、博士は「おそらく、盗掘者が無理やり解呪を試みた痕跡がある。もし無計画に解放されれば、取り返しがつかなくなる」と説明した。
 エリナが「だったら、私たちが慎重に解除を試みるほうが安全ね」と納得し、将臣も「そうだね。無謀な連中がやるよりマシだ」と同意する。
 博士が「今日は再挑戦する。準備が整い次第、扉の前で試みるが、周囲の警戒も忘れずに。敵の接近や異常があれば、すぐ知らせてほしい」と指示を出すと、全員が頷いた。
 その時、レインが急ぎ足で駆け寄り、「博士、昨晩の見張りが一人、行方不明です」と報告する。博士が驚き、「まさか、盗掘者に襲われたのか?」と心配する。
 岡村が「昨夜、不審な動きをしている研究員がいたという話もあります。内部に裏切り者がいるかもしれません」と言うと、博士は「確かに、最近少し物が紛失することが増えていた。だが、内部の者を疑うのは気が引ける」と苦しそうな表情を浮かべた。
 銀次が「けど、俺たち冒険者は常に最悪を想定する。それが生き残るコツなんでね」と現実的に言い、博士は「わかっている。だが、証拠がない以上、全員を敵視するわけにはいかない」と頭を抱えた。
「ひとまず、行方不明の研究員を探しましょう。もしも盗掘者に捕まったなら、一刻を争います」と岡村が提案し、ロイドが「俺たちも分散して捜索するぞ」と意気込む。
 博士が「君たちにばかり頼ってしまってすまない」と謝ると、将臣が「博士が解読に集中できるよう、僕たちができることをやります」と励ました。
 岡村たちは三人ずつに分かれて周囲を探索し始めた。銀次と矢野、孝征が北側の森を、将臣とロイド、エリナが南側の崖を調べることにした。基一と裕翔、朗雄はキャンプ地の周囲を徹底的に警戒し、異常がないか確認している。
 南側の崖を歩きながら、将臣が「昨晩の声、本当に獣だったのかな?」と不安を口にすると、ロイドが「いや、人間だろうな。しかも隠れるのがやたらうまい」と警戒を強めた。
 エリナが「何か痕跡が残っているかも」と足元を確認すると、わずかに靴跡が残っていた。将臣が「これ、普通の学者が履く靴じゃないよね」と指摘し、ロイドが「確定だな。外部の奴が潜り込んでやがる」と拳を握りしめた。
 その時、茂みの中から微かな人影が動いた。「待て!」とエリナが叫ぶと、その影は驚いて逃げ出す。ロイドが「追え!」と一声かけ、三人が全力で駆け出した。
 茂みをかき分けて追跡する中、将臣が魔力感知を発動して位置を把握しようとするが、どうにも反応が不安定だ。「何か魔力を妨害するものが使われてる?」と困惑する将臣に、ロイドが「いいから、勘で追え!」と怒鳴る。
 やがて、逃げ込んだ先で不自然に積まれた岩が見えた。「隠し扉か?」とロイドが探ると、岩を動かすと小さな穴が現れた。
「中に誰かいる!」と将臣が声をかけ、エリナが剣を構えた。「慎重に行こう」とロイドが言うが、突然、内部から助けを求める声が響く。「た、助けてくれ!」
 三人は顔を見合わせ、慎重に穴を覗き込むと、そこには縄で縛られた研究員が転がっていた。「おい、大丈夫か?」と声をかけると、男は「盗掘者に捕まって、ここに閉じ込められたんだ!」と訴えた。
 ロイドが「とにかく安全を確認してからだ」と慎重に周囲を探りながら、将臣が魔法で縄を焼き切ると、男は安堵の表情を浮かべた。
「これで少しは謎が解けたな」とロイドが呟き、エリナが「でも、まだ黒幕が誰かは分からない」と警戒を緩めない。こうして、ようやく一人を救出し、キャンプ地へ戻る決断をした。シーン1[終]
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