自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第十二話:封印された扉──潜む陰謀と揺れる仲間たち】

シーン5:動揺するチームと暗躍する影

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 遺跡の扉での騒動が一段落し、キャンプ地に戻った岡村たちは、負傷した仲間たちの手当てを始めた。博士はテントの中で金属片と解呪の手がかりを見直し、助手たちが怪我をした研究員を看病している。焚き火の周りに腰を下ろした一同は、無事に帰還できた安堵と、解決していない問題への不安を抱えていた。
 将臣が「結局、封印の解呪はできなかったけど、盗掘者を追い払えただけでもよかったよな」と呟くと、ロイドが「だが、あいつらはまだ諦めてねぇだろうな」と険しい表情を崩さない。
 銀次が「一度逃げた奴らがまた戻ってくるとは思えねぇが、別のルートから潜り込む可能性はある」と警戒し、基一が「内部の協力者がいる限り、外の敵をいくら追い払っても問題の根本は解決しない」と冷静に分析する。
「内部犯か……。さっき白状した研究員が全てだとは思えないよね」とエリナが疑念を口にすると、裕翔が「確かに。人質の件が事実だとしても、他に盗掘者と繋がっている人物がいても不思議じゃない」とうなずく。
 岡村が「となると、キャンプ内での警戒も強化しないと。誰が信用できるのかをしっかり見極める必要がある」と提案し、ロイドが「俺たち冒険者で交代で見張りを続けよう」と決断した。
 その時、テントの奥から博士が出てきて、「皆、少し話がある」と呼びかけた。全員が顔を上げ、博士の話に耳を傾ける。
「先ほどの仮解除で分かったことがある。この封印は想像以上に複雑だ。単純な解呪だけではなく、内部の魔力が自動で反発する仕組みが組み込まれている」と説明した。
 将臣が「つまり、無理やり開けようとすると暴発するってことですか?」と確認すると、博士は「その通りだ。しかし、興味深いのは、封印が施された目的が単なる魔力の隔離ではなく、何かを内部に封じ込めるためのものだということだ」と語る。
「じゃあ、やっぱり危険な何かが閉じ込められているってことですね」と基一が推測し、博士は「おそらく、古代文明がこの場所に何らかの“災い”を封じたのだろう」と重々しく言う。
「災いか……」と岡村が考え込み、ロイドが「だとしたら、開けるべきじゃねぇんじゃないか?」と直球の疑問をぶつける。
 博士が「私もその考えが頭をよぎる。しかし、既に封印が弱まりつつあり、放置すれば自然に解かれてしまう可能性があるのだ」と苦しそうに吐露する。
「ってことは、俺たちが管理できるうちに安全に解除しなきゃ、逆に危ないってことか」と銀次がまとめ、博士が「そうだ。だが、内部の情報が盗掘者に渡っている以上、奴らが再び試みる可能性もある」と警告した。
「まったく厄介な話だぜ」とロイドがぼやき、エリナが「でも、博士を信じてやるしかないわね」としっかりした声で応じる。
 その夜、警戒体制を強化したキャンプ地では、いつも以上に緊張が張り詰めていた。将臣が焚き火を見つめながら、「これだけ人数がいると、誰が怪しいのかさっぱりわからないな」と漏らすと、裕翔が「逆に怪しさを感じさせないのが巧妙なのかもしれない」と冷静に分析する。
 エリナが「疑うばかりじゃ疲れてしまうけど、今は仕方ないわ」とため息をつくと、ロイドが「安心しろ。俺たちは絶対に裏切らねぇから」と笑ってみせる。将臣も「うん、仲間を信じよう」と力強く頷いた。
 その時、遠くでカサリと物音がした。銀次が「なんだ?」と即座に反応し、ロイドが「俺が見てくる」と言って草むらに入る。慎重に足音を消して進むと、誰かが物陰で何かを掘っているようだった。
「誰だ!」と声をかけると、驚いたように飛び上がったのは、先ほど告白した研究員だった。「お前、何してる?」とロイドが問い詰めると、男は慌てて「いや、その……封印の呪文を解読しようと思って……」と苦し紛れに言う。
「嘘をつけ。お前がそんな勝手なことできる立場じゃないだろ」とロイドが睨むと、男は顔を青ざめて震え出した。「す、すみません! ただ、盗掘者からの脅迫がまだ続いていて……やらないと家族が……」と泣き崩れる。
 その様子を見ていた将臣が「やっぱり完全に信用できないな」と呟き、銀次が「だが、どうする? 嘘をついているようには見えないが」と悩む。
 ロイドが「とにかく、博士に報告だ。これ以上一人で動かれると困る」と言い、男を伴ってキャンプに戻った。
 博士は「私も見張りを増やしておく。誰が裏切り者か、まだ確定できていないが、慎重に対応しよう」と言い、岡村たちも交代で見張りを続けることになった。
 だが、その夜遅く、キャンプの隅でひそひそと話す二つの影があった。「全て順調だ。次の解除作業で一気に開けられる」「あいつらが気を取られているうちにやるぞ」──暗闇に消える影を誰も気づくことはなかった。
 不安と疑惑が絡み合う中で、誰が味方で誰が敵かが分からない状況が続く。封印が暴かれるその時まで、岡村たちは気を抜けない夜を過ごしていた。シーン5[終]
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