自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第二十三話:新たな依頼──揺れる決断と思わぬ再会】

シーン2:思わぬ再会──騎士団の使者と領主の意志

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 夕方、エルフリアの宿に日が沈み、薄暗くなり始めた頃。談話スペースでは、岡村たちが領主直轄の話について意見を交わしていた。将臣が「専属ってことは、毎日決まった仕事があって、自由に旅ができなくなるってことだよな」と不満げに言うと、ロイドが「まぁ、安定収入は悪くないけど、性に合わねぇな」と同意する。
 エリナが「でも、街や領民を守るために働くのは悪くないし、封印の監視にも直接関われるわけだから、一概に断るのももったいない気がする」と少し悩んでいる様子で言う。朗雄が「専属になるってことは、領地を離れられないだろ? 他の街や新しい遺跡にも行けなくなるかもしれない」と指摘し、孝征が「確かに、それだと冒険者としての自由がなくなりますね」と困った表情を見せた。
「俺さ、火魔法をもっと極めたいんだ。あちこち回って、もっと強いやつと戦って、成長したい。それができないとなると、やっぱキツい」と将臣が正直な気持ちを口にすると、エリナが「そうね、将臣らしいわ」と少し笑う。
「でも、逆に言えば、安定して暮らせるってのは魅力的だぜ?」と銀次が現実的な面を見せ、基一が「確かに、冒険ばかりしていると装備や物資の管理も大変ですし、拠点があれば研究も進めやすいです」と考えを述べた。
「どっちが正解かはわからねぇけど、俺たちにとって一番大事なのは何なんだろうな」と岡村が腕を組みながら考え込む。その時、宿の扉がガチャリと開き、騎士団の使者が再び現れた。
「失礼します、再度の連絡になりますが、領主よりの意向をお伝えしたく」と丁寧に頭を下げる。岡村が「さっきの話の続きか?」と尋ねると、使者は「はい、ですが、もう一つお伝えしなければならないことがございます」と言葉を濁した。
「実は、封印の安定化作業が完了したことで、新たな調査隊が組織されることになりました。その中に、あなた方の力を借りたいという意見が出ておりまして……」と使者が慎重に言うと、ロイドが「調査隊? それって俺たちが前にやったような封印の保守活動か?」と尋ねた。
「そうではなく、精霊核の存在を探るための遠征調査です」と使者が答えると、将臣が「精霊核か……あの闇魔術師が狙ってたやつだよな」と険しい顔をした。エリナが「つまり、まだ封印が完全に安全とは言えないってこと?」と不安を口にすると、使者が「はい。完全に解決するためには精霊核の調査が不可欠とのことです」と説明した。
 岡村が「俺たちを専属にする理由って、それが本命か?」と問い詰めると、使者が申し訳なさそうに「はい、領主も苦渋の決断だったようですが、あの遺跡での活躍を見て、ぜひ力を貸してほしいと」と答えた。
 将臣が「結局、また戦いに巻き込まれるってわけか」と舌打ちし、ロイドが「でも、もし精霊核が悪用されたら、前みたいな災厄がまた起こるってことだよな」とつぶやいた。
 エリナが「私たちが動かなければ、他の冒険者や騎士団が危険にさらされるかもしれない」と覚悟を決めた表情で言い、朗雄が「やるしかねぇってことか」と腹を括る。
 岡村が「ただ、専属になったら自由はなくなる。それでもやる価値があるかどうかを考えないと」と慎重に意見を述べた。将臣が「俺はやる。だって、ここまで来たらもう後には引けねぇだろ」と強い意志を見せ、ロイドが「まぁ、ここで逃げるのも後味が悪いしな」と笑った。
「でも、一度だけ条件を確認させてほしい」と岡村が使者に向き直り、「専属になるってことは、ずっと領地に縛られるのか?」と尋ねた。使者が「基本的にはこのエリアが中心となりますが、調査が進めば他の地域へ派遣される可能性もあります」と答える。
 将臣が「それなら、完全に動けなくなるわけじゃないってことか」と少し安堵し、エリナが「でも、やはり縛られるのは変わりないわね」と複雑な表情を浮かべる。
「まあ、今すぐ答えを出さなくてもいい。けど、俺たちが決めないといけないことは一つだ。自由を取るか、責任を取るか。それだけだ」と岡村が締めくくり、仲間たちが静かに頷いた。
 使者が「引き続き考慮いただき、決まればお知らせください」と一礼して去っていく。宿には少し重たい空気が漂ったが、将臣が「俺たち、どうする?」と再び問いかける。
 エルフリアの夜が静かに更けていく中、仲間たちはそれぞれの思いを胸に、慎重に答えを探し続けていた。シーン2[終]
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