自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

文字の大きさ
114 / 146
【第二十三話:新たな依頼──揺れる決断と思わぬ再会】

シーン3:仲間たちの葛藤

しおりを挟む
 エルフリアの夜が深まる中、宿の談話スペースでは岡村たちが円卓を囲んで話し合っていた。ランプの灯りが薄暗く揺れ、外では風が冷たく吹き抜けている。将臣が「専属契約って、やっぱ重たいよな」とぽつりと呟き、ロイドが「確かにな。俺たちの自由が一気になくなる感じがする」と首をかしげた。
 エリナが「でも、精霊核の調査って聞いたら、無視するわけにはいかないわ。あれが危険だってことは、私たちが一番分かっているから」と真剣な表情を見せる。朗雄が「あの闇魔術師が狙ってたんだから、そう簡単に解決するもんじゃねぇだろうしな」とうなずいた。
 岡村が「俺たちが動かなくても、他の冒険者や騎士団が行くんだろうけど、正直不安だ。俺たちだからこそ、できることがあるんじゃないかと思ってしまう」と悩みを打ち明けた。
「でもさ、専属になっちまったら、もうエルフリア以外に行けねぇんだぜ?」と将臣が反論し、エリナが「そうね、旅を続ける自由がなくなるのは確かに辛い」と同意する。
 孝征が「でも、これって俺たちの成長を試すチャンスかもしれないですね。騎士団や領主直轄の立場なら、もっと責任ある仕事ができるわけですし」と前向きに考えた。基一が「そうですね。私も研究者として、精霊核の謎には興味があります」と続ける。
 銀次が「結局、どっちに転んでも、リスクはあるってことだな」と言いながら、肩をすくめた。「リスクを取るか、安定を取るか。それが冒険者ってもんだ」と朗雄が言うと、将臣が「俺はやっぱり自由を捨てたくない。でも、精霊核がまた暴走したら、もっとヤバいことになるかもしれないしな」と悩む。
「やっぱり、俺たちが専属になるかどうかは、精霊核がどれだけ危険なのか、もっと知る必要がある」と岡村が提案し、エリナが「それなら、もう少し情報を集めるべきね」と賛成する。
 ロイドが「とはいえ、そんな簡単に情報が出回るとは思えないぜ。領主が抱えているってことは、すでにトップシークレットになってるかもしれない」と懸念を示した。
「でもさ、俺たちがあの遺跡で命懸けで戦ってきたって事実がある。もう無関係じゃいられないだろ?」と将臣が強気に言うと、エリナが「それが私たちの責任でもあるのかもしれないわね」と少しだけ笑った。
「それなら、俺たちが領主の元へ直接話を聞きに行くってのはどうだ?」と岡村が提案し、ロイドが「それが一番手っ取り早いな」と納得する。朗雄が「ただし、余計な契約書にサインさせられないように気を付けろよ」と苦笑いを浮かべ、将臣が「そこはバッチリ警戒しておくさ」と自信満々に答えた。
 銀次が「で、誰が代表して行くんだ?」と聞くと、エリナが「私と岡村が行くのがいいかもしれないわ。私たちなら、冷静に話を進められるから」と提案する。将臣が「じゃあ、俺は待機してるぜ。火魔法で場をぶち壊すわけにはいかねぇし」と苦笑し、ロイドが「お前が交渉すると、話が炎上しかねぇからな」と冗談を飛ばした。
「決まりだな。明日、俺とエリナで領主の屋敷に行ってみよう」と岡村が決意を固める。孝征が「しっかり情報を集めてきてくださいね」と背中を押し、基一が「もし他にも調査が必要なら、図書館で過去の記録を探しておきます」と付け加えた。
「こういう時、俺たちのチームワークが試されるよな」と朗雄が微笑み、銀次が「ま、チームでやれば何とかなるだろ」と気楽に言う。
「よし、まずは情報収集だ。これからどうするか、ちゃんと考えよう」と岡村がまとめ、エリナが「じゃあ、明日も早いし、今日はもう休みましょう」と促した。
 将臣が「早く寝て、明日に備えるか」と背伸びをして、ロイドが「頼むから今度は二日酔いになるなよ」と釘を刺す。将臣が「分かってるって」と笑い、エルフリアの夜は静かに深まっていった。
 こうして、仲間たちは再び冒険の選択を迫られつつも、確実な一歩を踏み出すために情報を求める決意を固めた。夜の冷気が窓から差し込み、風がカーテンを揺らす中、彼らはそれぞれの思いを胸に眠りについた。シーン3[終]
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

靴屋の娘と三人のお兄様

こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!? ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...