自由の宿エルファリア 栄光を求めて

乾為天女

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【第二十九話:山岳地帯の大攻防──結束と過去を乗り越える力】

シーン3:謎の濃霧と岩窟の存在

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 ロックバードの群れを撃破し、ようやく山岳地帯の拠点に戻った将臣たち。
  冷たい風が吹き抜け、夕方には気温がぐっと下がってくる。エリナが「火を起こして暖を取りましょう」と提案し、将臣が「火魔法で一気に暖めてやる」と焚き火を起こす。
  「ふぅ、ようやく落ち着けるな」とデュークが腰を下ろし、ロイドが「疲れたな…もう当分あの鳥は見たくない」と苦笑する。
 岡村が「それにしても、あのロックバードのボス、ただの魔物にしては異様だったな」と呟き、孝征が「確かに。普通の魔物じゃないって感じがした」と同意する。
  基一が火のそばでメモを取りながら、「あの巨大ロックバードが狂化した理由が気になります。通常の生態系とは異なる何かが影響しているかもしれません」と推測した。
  「やっぱり霧が原因か?」と将臣が尋ねると、基一が「可能性は高いです。あの魔法陣が霧を発生させ、周囲の魔物を狂暴化させていたのかもしれません」と答える。
「でも、あの魔法陣を壊しても、完全に霧が消えたわけじゃないよね?」と裕翔が首をかしげる。
  「そうだ。霧が薄れただけで、完全に消えてはいない」とロイドがうなずくと、デュークが「つまり、まだ何かが残っているってことか」と険しい表情を見せた。
  「そもそも、あの魔法陣を誰が作ったかって話だよな」と銀次が顎を撫でながら考え込む。
 その時、商会の担当者が急ぎ足でやってきた。
  「皆さん、大変です!拠点から少し離れた場所で、新たに濃霧が発生しているとの報告がありました!」
  「何だって?またかよ」と将臣が立ち上がり、デュークが「濃霧が発生する条件がまだ分からない以上、対策が難しい」と腕を組む。
「場所はどこだ?」と岡村が確認すると、担当者が「拠点から北東に数百メートルほど進んだ岩窟の中です。そこから霧が噴き出しているようで…」と報告する。
  「岩窟か…それが発生源ってことか?」とエリナが推測すると、基一が「その可能性は高いです。霧の魔力がその地点を中心に広がっているならば、そこを叩けば解決できるかもしれません」と分析する。
「じゃあ、行ってみるしかねぇな」と将臣が気合を入れると、デュークが「全員で行くのは危険だ。ここは最低限の人数で探索しよう」と提案した。
  「俺とロイド、エリナ、将臣で偵察する。フリー組はここで待機して、安全確保を頼む」と指示する。
  銀次が「任せろ。こっちはしっかり守ってやる」と笑い、岡村が「万が一の時はすぐに連絡してくれ」と真剣な顔で言った。
 夜闇が迫る中、将臣たちはランタンを持って岩窟へと向かった。
  「しかし、こんなに急に霧が出るって、何か生物が関係してるのか?」と将臣が疑問を口にすると、エリナが「ただの自然現象ではないわね。魔力が絡んでいるのは間違いない」と答えた。
  ロイドが「さっきのロックバードが霧に狂化させられていたなら、この中にまだ元凶が潜んでいるはずだ」と警戒しながら進む。
 岩窟の入り口に近づくと、明らかに異様な冷気が漂っている。
  「なんか、ここだけ空気が重いな」と将臣が身震いし、デュークが「気を抜くな。何かが潜んでいる」と低く呟く。
  洞窟内からは、かすかにうめき声のような音が聞こえ、エリナが「まるで生き物の吐息みたい…」と顔をしかめた。
「行くぞ。足元に気をつけろ」とデュークが前進を指示し、ロイドが「俺が先導する」と弓を構える。
  奥へと進むにつれて、霧がますます濃くなり、視界がほとんどなくなってきた。
  「まるで何かに誘い込まれているようだ」とロイドがつぶやき、エリナが「その可能性も考慮しないと…罠かもしれない」と身を引き締める。
 すると、突然足元が崩れ、将臣が「うわっ!」と叫んで落下しそうになる。
  「危ない!」とデュークが腕を掴み、引き上げるが、洞窟内には複数の落とし穴が仕掛けられているようだった。
  「誰かが作った罠だな…魔物だけじゃないってことか」とロイドが緊張感を強める。
「こんな場所に拠点を作るなんて、どんな連中だ?」と将臣が疑問を漏らすと、デュークが「教団の残党かもしれない。奴らが霧を操っている可能性が高い」と考察する。
  「教団がまた動いているとしたら、ただ事じゃないわ」とエリナが言い、ロイドが「ここで奴らを一掃できれば、山岳地帯の安全が確保できる」と冷静に分析した。
 洞窟の奥へ進むと、魔力を感じる不気味な石碑が立っている。
  「これが霧の発生源か?」と将臣が確認すると、デュークが「注意しろ。触れたら何が起きるかわからん」と制止する。
  「魔力の流れを見てみる」と基一が呪文を唱え、石碑から放たれる魔力の波動を探った。
  「やはり…この石碑が霧を生み出している中心です。破壊すれば霧が止まるかもしれませんが、魔物が守っている可能性もあります」と基一が言うと、ロイドが「手早くやろう」と矢を構えた。
 その瞬間、石碑の背後から黒い影が飛び出し、四足歩行の獣型魔物が鋭い爪で襲いかかってきた。
  「避けろ!」とデュークが叫び、将臣が火柱で応戦するが、獣型魔物は霧を利用して瞬時に移動する。
  「素早い…厄介だな」とロイドが苦戦しながらも、冷静に動きを見極めている。
「一気に叩くぞ!俺が誘導する!」と将臣が火球を撒き散らし、エリナが風で位置を固定する。
  「今だ、ロイド!」とデュークが指示を出し、ロイドが霧を貫くように矢を放つ。
  矢が獣型魔物の額を貫き、ようやく動きを止めた。
  「ふぅ、これで一安心か」と将臣が息をつき、デュークが「油断するな、まだ奥がある」と告げた。
  シーン3[終]
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