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第二十三話「“挑み直す”という文化」
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一月九日、三学期始業式。
冬休みが明けた校内には、いつもの賑やかさと、どこか張りつめた空気が混在していた。
受験生の多くが模試結果や推薦通知に一喜一憂する中、海辺研究会の部室も静まり返っていた。
「……それじゃ、そろそろ、今年の活動再開しますか」
陽太が口を開いても、誰かがすぐに返事をするわけではなかった。
その沈黙を破ったのは、悠介だった。
「俺さ……推薦、落ちた」
その一言に、空気が止まったようだった。
笑いながら、でも目はどこか真剣だった。
「まぁ、知ってる人もいると思うけど。ちゃんと、言っとこうと思って」
紗織が目を伏せ、絢香がそっと手を握る。
「だからさ。失敗したこと、どうにかメモにしてみたんだよね」
悠介は、分厚いルーズリーフの束を取り出した。
表紙には太いマジックでこう書かれていた。
《挑み直しメモ:失敗の理由30個と、改善のタネたち》
「……誰かの役に立つかは、知らん。でも、俺自身はちょっとスッキリした。粗いけど、見てくれる?」
卓上に置かれたそのメモを、陽太が最初に手に取った。
中には、受験対策における自己分析、ミスの傾向、反省と小さな改善案が丁寧に書かれていた。
「ここ、“過去問の読み方”って項目、めっちゃ具体的じゃん……」
結月が思わず口にすると、紗織が「これ、今のうちに共有したほうがいいね」とプリンターに向かう。
「俺、実は……“挑戦”って、もっとかっこいいもんかと思ってた。でも、こうやって恥さらして、それでも続けてくのが挑戦かもなーって」
悠介は照れたように頭をかいた。
陽太は静かに立ち上がり、手を叩いた。
その音に、みんなが顔を上げる。
「挑戦したことも、やり直そうとしたことも、全部祝いたいよ。……ありがとう、悠介」
パチパチ、と拍手が増えていく。
失敗を「称える」拍手。
それは、海辺研究会にとって新しい一歩だった。
「よし、今年もやろう」
結月が、議事メモに日付を記す。
「小さなことでもいい、“今”を祝っていこう」
陽太が言った。
その言葉に、全員がうなずいた。
始業式の空は、乾いた青。
でも、その中に確かに――再挑戦の炎が灯っていた。
冬休みが明けた校内には、いつもの賑やかさと、どこか張りつめた空気が混在していた。
受験生の多くが模試結果や推薦通知に一喜一憂する中、海辺研究会の部室も静まり返っていた。
「……それじゃ、そろそろ、今年の活動再開しますか」
陽太が口を開いても、誰かがすぐに返事をするわけではなかった。
その沈黙を破ったのは、悠介だった。
「俺さ……推薦、落ちた」
その一言に、空気が止まったようだった。
笑いながら、でも目はどこか真剣だった。
「まぁ、知ってる人もいると思うけど。ちゃんと、言っとこうと思って」
紗織が目を伏せ、絢香がそっと手を握る。
「だからさ。失敗したこと、どうにかメモにしてみたんだよね」
悠介は、分厚いルーズリーフの束を取り出した。
表紙には太いマジックでこう書かれていた。
《挑み直しメモ:失敗の理由30個と、改善のタネたち》
「……誰かの役に立つかは、知らん。でも、俺自身はちょっとスッキリした。粗いけど、見てくれる?」
卓上に置かれたそのメモを、陽太が最初に手に取った。
中には、受験対策における自己分析、ミスの傾向、反省と小さな改善案が丁寧に書かれていた。
「ここ、“過去問の読み方”って項目、めっちゃ具体的じゃん……」
結月が思わず口にすると、紗織が「これ、今のうちに共有したほうがいいね」とプリンターに向かう。
「俺、実は……“挑戦”って、もっとかっこいいもんかと思ってた。でも、こうやって恥さらして、それでも続けてくのが挑戦かもなーって」
悠介は照れたように頭をかいた。
陽太は静かに立ち上がり、手を叩いた。
その音に、みんなが顔を上げる。
「挑戦したことも、やり直そうとしたことも、全部祝いたいよ。……ありがとう、悠介」
パチパチ、と拍手が増えていく。
失敗を「称える」拍手。
それは、海辺研究会にとって新しい一歩だった。
「よし、今年もやろう」
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「小さなことでもいい、“今”を祝っていこう」
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でも、その中に確かに――再挑戦の炎が灯っていた。
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