実話怪談・短編集◆とほかみ◆

茶房の幽霊店主

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◆見知らぬ二人◆

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2025年7月7日・プレオープンの際、ご来店されたお客様の体験談です。
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)



【学校の怪談】


学生時代の体験談です。

文化祭準備に追われ、その日は遅くまでひとり残って作業を続けていました。日が暮れて夜が近づいています。切り上げて校門まできたところで、忘れ物をしていたと気が付きました。

急いで先ほどまでいた教室へ戻りましたが、見知らぬ二人の生徒の後ろ姿が視界に入ります。
明らかにクラスメイトではない二人組は、何をしている訳でもなく微動だにしないので、警戒心から踏み込むのをやめました。

忘れ物も今すぐ必要ではなかったので、明日の朝でもいいと思いそのまま帰宅。

文化祭開催が近づき、仲の良い副委員長と放課後ポスター貼りをすることになりました。目につきやすい階段の踊り場へ貼ろうと向かえば、先日教室でみた二人が立っているのです。

踊り場の片隅。後ろ姿のまま、写真か、静止画のようにまったく動いていません。二人の服装が学校で着用されている制服ではない。

他のひとにはみえていないのだな、と。

隣で不思議がる副委員長に 

『早く終わらせよう!』

そう急かしながら貼り付け作業をはじめます。状況を伝えて騒げば、ただ怖がらせるだけ。背中を向けているのなら何もしてこないだろう。

ですが、副委員長が奥の壁から戻ってきたとき、彼女の背後で、静止していた二人が動き始めたのです。
慌てて腕をつかんで不審な二人組から引き離し、逃げるようにして踊り場から離れました。

『さっきからどうしたの?』
『何でもないよ。早く帰ろう』


※※※※※


嫌な気分のまま帰宅し、疲れもありそのまま就寝しました。
その夜、疲労と不気味な生徒との再度の遭遇で、寝ている間、悪夢をみる事に。

夢の中で何処とも知れない神社で歩いています。
神社にはなぜか副委員長とあの二人の姿。

彼女の肩へ、見知らぬ生徒の手がかかっている。
知らせようとするのですが、そこは夢。
うまく声も出せず、体がいうことをききません。

目を覚ませば全身へ大量の汗をかいていました。

翌日から教室に副委員長の姿はなく。

今まで何があっても休まず登校をつづける皆勤賞だったので、心配から電話をかけますが、なかなか繋がらず、ようやく家族から彼女が40度の高熱で寝込んでいると知らされます。

そこから一週間ほど病欠が続き、やっと登校してきた時、副委員長は寝ている間、奇妙な夢をみていたと話してくれました。
知らない神社をずっと歩き続けていて、見覚えのない制服姿の二人が、神社から出て行かないよう引き留めていたのだと。

夢から覚めた後、快方へ向かったそうで、そこにいたのは学校でみた同じ二人組なのか、副委員長の夢とどう関わっているのかもわかりませんが、

互いの夢が繋がっているような、不思議な出来事でした。

※※※※※

※(ここからは【見知らぬ生徒】の考察です)

夕暮れ時、教室にいた異質な二人組。
話し手のお客さまは、この世ならざる者と認識されていたご様子。

では、学校へ居座る悪意ある霊が副委員長さんに憑こうとしてたのでしょうか。

聞き手のお客さまのひとりが 、

『その二人は副委員長さんを守ろうとしていたのでは?』と、考察をはじめました。


※※※※※


夢の場所が神社であったこと。神社の境内は神域です。
その場へ留まるように引き留めていたのであれば、高熱で危機的状況にある血縁者を守ため、亡くなっている親族が二人の学生として現れたのではないか。

制服が違うのは 故人の学校、もしくは昔のデザインだったかもしれない 。

『神社へ入ることで別の何かから遠ざけて、血縁を助けたとも考えられませんか?高熱からの回復は、危機が去ったので、守護霊的な存在が夢から元へ戻したのかも』

店主もこの考察は腑に落ちました。
亡くなったひと全員が、悪意を持った悪霊になる訳ではないでしょう 。

縁のある者を守る者やフレンドリーな幽霊もいるようですし。
話し手のお客さまがみた悪夢も、副委員長さんが高熱でみていた夢も、決してネガティブなものではなかったかもしれません 。

定型的な思考を破る。柔軟な考察を感慨深く聞かせていただきました。
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