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◆狐落とし◆
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※2025年7月30日。夜の部。≪赤位狐うどん≫にて披露。
※(店主と仕事の元同僚との体験談です)
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)
【虚無を拝む女】
心霊写真と聞いて何を思い浮かべますか?
亡くなった人たちが生きた者たちへ恨めしいと伝えている?
怖ろしい怨念が写真の中へ映り込む?
その九割は思い込みか目の錯覚、加工された画像がほとんどです。
しかし、ごく稀に生きた人間以外が写っていることもあります。
こういったものは時間の経過とともに姿も薄れて、やがて持ち主本人も忘れていくのが常なのですが……。
神社仏閣に納めないと気が済まない、説明ができない。
そんな事態も中にはあるでしょう。気になるのなら神社かお寺で 御焚き上げしてもらえば、胸のつかえも降りると思います。
昔、仕事の同僚が“お狐様から力をいただいている”という女性に会い “自分の言うことを信じれば幸せになれる”と声をかけられ、信用していいものか相談したい。そんなことを言われました。
※(同僚はこの件より前、自宅に大量の骨壺が並んでいて、しかも、知らないものも混ざっているので、それをどうしたらいいのか 聞かれたことがあります)
もちろん、そんな胡散臭い言葉をまともに聞いてはいけない。
そう忠告したのですが、その女性から店主の携帯に画像が送信されてきたのです。
アドレスは勝手にその同僚が教えていまして、当時は血の気も多かったので、同意もなしで何事かと頭に来ました。
“自分にお狐様がついてくださっている証拠” として、店主に画像を確認しろと言うのです。こういった場合、通常は無視しているのですが、仕事場を同じくしている者の手前、無下に断ることもできず、 渋々その画像を確認しました。
画面の真ん中に、黄色い三角の光りらしきものが映っていました。
恐らく、外の日光が色付きカーテンの隙間からを照らしているのでしょう。 どんなに目を凝らしても“ただの三角”です。
メールの内容で、本人はこの黄色い三角をお狐様だと言うのです。
狐は黄色いだけではなく、黒や白や赤もいますし、黄色い三角が狐だと、なぜこの女性は思い込んでいるのか。なぜありがたがるのか。
実際の野狐(やこ・神様の御使いを離れ野生化した狐)は こんなものではありません。
※※※※※
しかし、同僚から、その女性の服装が急に派手になったこと、目が釣り上がっていると聞いたので、その独特の変化から【狐憑き】の可能性も考慮し、さらにその画像を入念に見つめました。
結果、女性が自宅のキッチン、赤い扉の備え付け収納に、旦那さんの使っていた私物や書類を詰め込んでいるのが見えました。
ダイニングテーブルの前に座る不機嫌そうな中学生ぐらいの女の子。
娘さんは『お狐様、お狐様』と繰り返す母親に嫌気がさして、うんざりしているのです。
『キッチンの壁、赤い扉の収納、もうずっと開けていないのでは?そこを開けて中を見ましょう。あと、娘さんとの関係が悪くなっていませんか?』
メールを送信しましたが返信はなく、後日、同僚からの報告があり、
『あの人、離婚調停中なんだって。子供が反抗期だって言ってたけど、娘さんと一度きちんと話し合うってさ。何が、お狐様よ!もうあの人とは話さないわ!』
※※※※※
ひとさまの家の中を見るというのは、決して気持ちの良いものではありません。
隠しておきたいことも、知られたくないことも、きっとある。
それを暴きたいわけではないのです。
同僚も店主に相談している時点で、感が働き気が付いているはず。
それをわざわざ叩く必要があるのでしょうか。
詳しくは書けませんが、カ〇ト宗教に入信していることが離婚の原因になったとか。同僚への声かけも勧誘するための導入部分だったのでしょう。
その後、 別件でも複数、画像や写真の鑑定の相談を持ちかけられましたが、一切、誰からも受けることはしなくなりました。
いままでは、悩みがあるなら少しでも力になりたいと思っていましたが、その気持ちもすっかり冷めきってしまったのです。
重ねて言いますが、 店主は霊能者ではございません。
そういった商売もしていませんし、名乗ったことは一度もないです。
もちろん、呪術師でも退魔師でも陰陽師でもない、ただの一般市民でございます。
※※※※※
※(ここからは【狐落とし】の考察です)
同僚に言い寄ったこの女性。
恐らく、この先シングルマザーとなる不安の中で暮らしていたのでしょう。
現実で処理しなくてはならないことが重なり、自己肯定感を失い、心労もあったのだと思います。
神仏に頼る気持ちでどこかの神社に行ったのかもしれません。
稲荷神社は、有名な京都伏見稲荷以外にも多くあります。
農業・作物を育てる者にとっては身近なものなので、地域に分社や祠も置かれていますから、お参りする人も普通におられます。
“自分にお狐様がついてくださっている” そう思うことを、心のよりどころにしていたのか。
しかし、嘆願が届いて助力を得るには時間がかかります。
自分が想像するような結果に至らないのもよくあること。
そもそも神社は“お願い”をしに行く場所ではなく、この先自分がどう行動するのか“誓いを立て、聞いていただく”場所ですので。
お参りする人間側が勝手に想像する、即効性の薬のようなものはないのです。
同情はいたしますが、自分が苦しいからと言ってスピリチュアルやオカルトに依存し、加えて他人様を巻き込むのは別の話でございます。
※※※※※
余談ですが。
【狐落とし】を得意とするお寺の住職はおられます。
幽霊を見たことがないのですが、追い払うことはできるのです。
体の丈夫なフィジカルギフトも生まれ持った才能です。
鍛え上げた肉体と筋肉で解決する。いわばアスリート。
“見えても怯える以外何もできない”それが普通なのです。
そのことをくれぐれもお忘れなきよう。
※(店主と仕事の元同僚との体験談です)
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)
【虚無を拝む女】
心霊写真と聞いて何を思い浮かべますか?
亡くなった人たちが生きた者たちへ恨めしいと伝えている?
怖ろしい怨念が写真の中へ映り込む?
その九割は思い込みか目の錯覚、加工された画像がほとんどです。
しかし、ごく稀に生きた人間以外が写っていることもあります。
こういったものは時間の経過とともに姿も薄れて、やがて持ち主本人も忘れていくのが常なのですが……。
神社仏閣に納めないと気が済まない、説明ができない。
そんな事態も中にはあるでしょう。気になるのなら神社かお寺で 御焚き上げしてもらえば、胸のつかえも降りると思います。
昔、仕事の同僚が“お狐様から力をいただいている”という女性に会い “自分の言うことを信じれば幸せになれる”と声をかけられ、信用していいものか相談したい。そんなことを言われました。
※(同僚はこの件より前、自宅に大量の骨壺が並んでいて、しかも、知らないものも混ざっているので、それをどうしたらいいのか 聞かれたことがあります)
もちろん、そんな胡散臭い言葉をまともに聞いてはいけない。
そう忠告したのですが、その女性から店主の携帯に画像が送信されてきたのです。
アドレスは勝手にその同僚が教えていまして、当時は血の気も多かったので、同意もなしで何事かと頭に来ました。
“自分にお狐様がついてくださっている証拠” として、店主に画像を確認しろと言うのです。こういった場合、通常は無視しているのですが、仕事場を同じくしている者の手前、無下に断ることもできず、 渋々その画像を確認しました。
画面の真ん中に、黄色い三角の光りらしきものが映っていました。
恐らく、外の日光が色付きカーテンの隙間からを照らしているのでしょう。 どんなに目を凝らしても“ただの三角”です。
メールの内容で、本人はこの黄色い三角をお狐様だと言うのです。
狐は黄色いだけではなく、黒や白や赤もいますし、黄色い三角が狐だと、なぜこの女性は思い込んでいるのか。なぜありがたがるのか。
実際の野狐(やこ・神様の御使いを離れ野生化した狐)は こんなものではありません。
※※※※※
しかし、同僚から、その女性の服装が急に派手になったこと、目が釣り上がっていると聞いたので、その独特の変化から【狐憑き】の可能性も考慮し、さらにその画像を入念に見つめました。
結果、女性が自宅のキッチン、赤い扉の備え付け収納に、旦那さんの使っていた私物や書類を詰め込んでいるのが見えました。
ダイニングテーブルの前に座る不機嫌そうな中学生ぐらいの女の子。
娘さんは『お狐様、お狐様』と繰り返す母親に嫌気がさして、うんざりしているのです。
『キッチンの壁、赤い扉の収納、もうずっと開けていないのでは?そこを開けて中を見ましょう。あと、娘さんとの関係が悪くなっていませんか?』
メールを送信しましたが返信はなく、後日、同僚からの報告があり、
『あの人、離婚調停中なんだって。子供が反抗期だって言ってたけど、娘さんと一度きちんと話し合うってさ。何が、お狐様よ!もうあの人とは話さないわ!』
※※※※※
ひとさまの家の中を見るというのは、決して気持ちの良いものではありません。
隠しておきたいことも、知られたくないことも、きっとある。
それを暴きたいわけではないのです。
同僚も店主に相談している時点で、感が働き気が付いているはず。
それをわざわざ叩く必要があるのでしょうか。
詳しくは書けませんが、カ〇ト宗教に入信していることが離婚の原因になったとか。同僚への声かけも勧誘するための導入部分だったのでしょう。
その後、 別件でも複数、画像や写真の鑑定の相談を持ちかけられましたが、一切、誰からも受けることはしなくなりました。
いままでは、悩みがあるなら少しでも力になりたいと思っていましたが、その気持ちもすっかり冷めきってしまったのです。
重ねて言いますが、 店主は霊能者ではございません。
そういった商売もしていませんし、名乗ったことは一度もないです。
もちろん、呪術師でも退魔師でも陰陽師でもない、ただの一般市民でございます。
※※※※※
※(ここからは【狐落とし】の考察です)
同僚に言い寄ったこの女性。
恐らく、この先シングルマザーとなる不安の中で暮らしていたのでしょう。
現実で処理しなくてはならないことが重なり、自己肯定感を失い、心労もあったのだと思います。
神仏に頼る気持ちでどこかの神社に行ったのかもしれません。
稲荷神社は、有名な京都伏見稲荷以外にも多くあります。
農業・作物を育てる者にとっては身近なものなので、地域に分社や祠も置かれていますから、お参りする人も普通におられます。
“自分にお狐様がついてくださっている” そう思うことを、心のよりどころにしていたのか。
しかし、嘆願が届いて助力を得るには時間がかかります。
自分が想像するような結果に至らないのもよくあること。
そもそも神社は“お願い”をしに行く場所ではなく、この先自分がどう行動するのか“誓いを立て、聞いていただく”場所ですので。
お参りする人間側が勝手に想像する、即効性の薬のようなものはないのです。
同情はいたしますが、自分が苦しいからと言ってスピリチュアルやオカルトに依存し、加えて他人様を巻き込むのは別の話でございます。
※※※※※
余談ですが。
【狐落とし】を得意とするお寺の住職はおられます。
幽霊を見たことがないのですが、追い払うことはできるのです。
体の丈夫なフィジカルギフトも生まれ持った才能です。
鍛え上げた肉体と筋肉で解決する。いわばアスリート。
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