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◆隣の廃屋◆
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※2025年7月7日。プレオープン。≪アフタヌーン・ティー≫にて披露。
※(店主が幼い頃の体験談です)
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)
【とんとん、なんのおと?】
昔、実家の隣に左官屋さんが住んでいたのですが、新しい家を建てて引っ越しした後、生活用の家の隣に建てていた倉庫部分に商売道具を残したまま、かなり長い間放置していました。
人が住んでいない家は痛むのが早く、外装にツタが這い回り、あっという間にお化け屋敷のような姿になっていました。
家と廃屋の間は約1メートルあるかないかで、屋根瓦や廃材も置かれています。
実家は別の場所に建てられていたものを曾祖父が大工さんたちにお願いして一度分解し、今の場所へ移してきたものです。
三世代の三家族が時代を越えて入れ替わりながら、この家の中で暮らしてきました。
事情はまた別の話として置いておきますが、実家が建っている土地は左官屋さんが放置している家を境に元は神社が所有する土地でした。
※※※※※
ですので、少し離れた場所に神社があり、玄関をそちらに向けるのは方角的に良くないとされ、家の表裏(おもてうら)がひっくり返っていました。
玄関は裏口になり、裏口や勝手口は玄関になるよう建てられているのです。
これがまた、朝日は入りにくく、西日がきついので快適とは言えません。
鬼門にあたる場所には、廃屋とその奥に家が二つ、そして実家があり、
細い十字路になっています。
その中心に、何かしらの意味があるのか大きめの石が埋め込まれていました。
※(神社の所有していた土地との境かもしれません)
石の周りはシダが群生していて夏でも涼しいため、幼稚園通いだった店主は、ややこしい家相の事情など何も知らず、よくその隙間で遊んでいたのです。
いつものように狭苦しい二軒の間に入り込み、シダを収集したりして遊んでいました。
こちら向きにある倉庫部分の勝手口には、南京錠が何個も掛かっていて 開けた痕跡などありません。
この時、何を思ったのか、勝手口にノックをしてみたのです。
とん、とん。
すると、少し間をあけて、とん、とん。
と、同じ回数のノックが返ってきたのです。
しかも、ドアが微かに動いていたのを覚えています。
ぎょっとなり、足早にその場を去って家に駆け戻り、さっきあったことを母親に話しましたが、
『左官屋さんが家を確認しに来ていたのではないの?』
そう言われるだけでした。しかし、周辺に人の気配はなく、廃屋の前に車も停まっておらず、ここ数年、人が出入りしていたのを見たことがなかったのです。
結局、ノックは誰が返してきたのか分かりませんでした。
※※※※※
数年後、隣の廃屋は誰かがタバコを投げ入れたため、置きっぱなしだった可燃性の塗料か何かに引火し、火事となって半分が燃え落ちました。
幸い、通報で消防車が駆け付け、消防士の懸命な消火のおかげで、実家へ燃え移ることはありませんでした。
※(ここからは【隣の廃屋】の考察です)
倉庫の勝手口から返ってきたノック。
左官屋さんではなかったのなら、何者だったのか。
不法侵入も考えられますが、廃屋に家具や貴重品は置かれていなかったので、何を盗もうとしていたのか。
幼い自分がそれと顔を合わせるような事態とならなかったのが幸いです。
※(店主が幼い頃の体験談です)
※(プライバシー保護のため地域・固有名詞などは伏せています)
【とんとん、なんのおと?】
昔、実家の隣に左官屋さんが住んでいたのですが、新しい家を建てて引っ越しした後、生活用の家の隣に建てていた倉庫部分に商売道具を残したまま、かなり長い間放置していました。
人が住んでいない家は痛むのが早く、外装にツタが這い回り、あっという間にお化け屋敷のような姿になっていました。
家と廃屋の間は約1メートルあるかないかで、屋根瓦や廃材も置かれています。
実家は別の場所に建てられていたものを曾祖父が大工さんたちにお願いして一度分解し、今の場所へ移してきたものです。
三世代の三家族が時代を越えて入れ替わりながら、この家の中で暮らしてきました。
事情はまた別の話として置いておきますが、実家が建っている土地は左官屋さんが放置している家を境に元は神社が所有する土地でした。
※※※※※
ですので、少し離れた場所に神社があり、玄関をそちらに向けるのは方角的に良くないとされ、家の表裏(おもてうら)がひっくり返っていました。
玄関は裏口になり、裏口や勝手口は玄関になるよう建てられているのです。
これがまた、朝日は入りにくく、西日がきついので快適とは言えません。
鬼門にあたる場所には、廃屋とその奥に家が二つ、そして実家があり、
細い十字路になっています。
その中心に、何かしらの意味があるのか大きめの石が埋め込まれていました。
※(神社の所有していた土地との境かもしれません)
石の周りはシダが群生していて夏でも涼しいため、幼稚園通いだった店主は、ややこしい家相の事情など何も知らず、よくその隙間で遊んでいたのです。
いつものように狭苦しい二軒の間に入り込み、シダを収集したりして遊んでいました。
こちら向きにある倉庫部分の勝手口には、南京錠が何個も掛かっていて 開けた痕跡などありません。
この時、何を思ったのか、勝手口にノックをしてみたのです。
とん、とん。
すると、少し間をあけて、とん、とん。
と、同じ回数のノックが返ってきたのです。
しかも、ドアが微かに動いていたのを覚えています。
ぎょっとなり、足早にその場を去って家に駆け戻り、さっきあったことを母親に話しましたが、
『左官屋さんが家を確認しに来ていたのではないの?』
そう言われるだけでした。しかし、周辺に人の気配はなく、廃屋の前に車も停まっておらず、ここ数年、人が出入りしていたのを見たことがなかったのです。
結局、ノックは誰が返してきたのか分かりませんでした。
※※※※※
数年後、隣の廃屋は誰かがタバコを投げ入れたため、置きっぱなしだった可燃性の塗料か何かに引火し、火事となって半分が燃え落ちました。
幸い、通報で消防車が駆け付け、消防士の懸命な消火のおかげで、実家へ燃え移ることはありませんでした。
※(ここからは【隣の廃屋】の考察です)
倉庫の勝手口から返ってきたノック。
左官屋さんではなかったのなら、何者だったのか。
不法侵入も考えられますが、廃屋に家具や貴重品は置かれていなかったので、何を盗もうとしていたのか。
幼い自分がそれと顔を合わせるような事態とならなかったのが幸いです。
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