モフモフと骸骨と!貴族令息になりました。

toranon

文字の大きさ
13 / 25

お兄様の笑顔を守れ 5

しおりを挟む
「ふぃー、おためし、できりゅ?」
「はい、試用期間を設ける事は出来ますよ。」

 それを聞いたユリウスは、ほう、と驚きと感心を見せた。

「にーしゃま、おためし、どう?」
「いいとおもう。」

 お兄様もそれで納得したので、結果をユリウスに告げる。

「おためしでおねがいします。」
「しましゅ。」

 2人で仲良く、ユリウスに向かって頭を下げた。

「こちらこそ、よろしくお願いします。」

 ユリウスも頭を下げ、微笑みを見せた。

「前任の方の事は聞いております。アレン様が優秀だということも。アレン様、1つ聞きたいのですが。どうして自分で助けようとしたんですか?」
 
 そんな事聞かれても、もちろん決まってるじゃないか!

「にーしゃま、しゅき!」

 大好きなお兄様の為だからに決まってるじゃないか!
 僕はお兄様にギュッと抱き付いた。

「アレン、ぼくもすきだよ。」

 2人で抱き合いホクホクしていると、ユリウスが少し険しい表情になった。

「なるほど、大好きなクリス様だから助けたかったのですね。ですが、1人で助けに向かうのは良いやり方とは言えません。子どもの間は特にです。今回は上手くいって良かったものの、今後もそうなるとは限りません。何かあったら、信用出来る大人に助けを求めてくださいね。」

 確かにそうだ。フィーが居ても子どもは2人だから、下手したら危害を加えられていたかもしれない。考えが足りなかったな……。
 ユリウスに諭され、アレンはシュンとしてしまった。

「つぎからそうしよう。ね、アレン。」
「にーしゃま……。うん!」

 僕、次からはちゃんと大人に助けてもらう!お兄様のお陰で元気出てきた。

「クリス様、アレン様。私もあの時、応援を呼べば良かったです。すみませんでした。」

 そんな、フィーはいつも良くやってくれてるよ。

「ふぃー、だーじょぶよ。」
「アレン様……。」

 ニコッとすると、フィーは涙目になった。
 それを見たユリウスが立ち上がり、フィーの右手を取ると、そっと手の甲に口づけた。

「え、あの……。」
「大丈夫です。貴方も次から気を付ければ良いのですから。」

 ユリウスがそう言って微笑むと、フィーの頬がポッと赤くなる。恥ずかしくなって手を引こうとするも、ユリウスは手を離そうとしない。

「は、離しーー」
「フィー、ちょっと来てくれ。」

 セバスが扉を開け、フィーを呼ぶ。ユリウスが手を離した隙に、フィーはほっとした様子で部屋から出て行った。

「……残念ですね。」

 ボソッと呟いたユリウスの言葉は僕にしか聞こえてないようだった。

「では、辛いと思いますが、各教科の授業内容を教えてくれますか?先ずは歴史から。」

 ユリウスが質問しながらクリスに確認する。内容は本当に酷いものだった。
 本を何冊も読ませるだけ、暗記させるだけ、問題を出すだけ……。
 ユリウスは長い溜め息とともに額を手でおさえた。

「これは酷すぎます。人に教えた事が無いのでは?学校を卒業した事すら怪しいですね……。」

 なんて事だ、とんでもない経歴詐称だったのか……。

「こう言ってはなんですが、間違った事を教わらずに済んで、反って良かったのではないでしょうか。2人で同じ内容で進められますからね。」
「そっか。アレンといっしょだね!」

 お兄様が嬉しそうだから、前のは良い事にしよう。
 確認を終えた頃、フィーが真っ赤な顔で少しふらつきながら戻って来た。
 これは、セバスが何かしたんだろうなぁ……。
 フィーは頬を手で包み、必死に冷やそうとしてるようだ。何されたのかについては、触れないであげよう。

「では、公爵様と正式に契約をしてきます。先ずはこれから試用期間ですね、よろしくお願いします。」
「よろしくおねがいします。」
「しましゅ!」

 皆でペコリとお辞儀を交わした。
 お兄様と一緒にお勉強、すっごく楽しみだ!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完】はしたないですけど言わせてください……ざまぁみろ!

咲貴
恋愛
招かれてもいないお茶会に現れた妹。 あぁ、貴女が着ているドレスは……。

今更……助けてくれと……言われても……

#Daki-Makura
ファンタジー
出奔した息子から手紙が届いた…… 今更……助けてくれと……言われても……

覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―

Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。

三回目の人生も「君を愛することはない」と言われたので、今度は私も拒否します

冬野月子
恋愛
「君を愛することは、決してない」 結婚式を挙げたその夜、夫は私にそう告げた。 私には過去二回、別の人生を生きた記憶がある。 そうして毎回同じように言われてきた。 逃げた一回目、我慢した二回目。いずれも上手くいかなかった。 だから今回は。

処理中です...