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お兄様の笑顔を守れ 4
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「ごほん、そうだったな。アレン、お前の希望を聞きたい。見学してみてどうだ?この先生の授業を受けたいか?」
「いやでしゅ!」
僕は大きな声で!ハッキリと!拒絶の意思を示した。突然の大声でお兄様だけ驚いてビクッとしてる。後で謝らないと。
「な、なぜですか!?私は有能ですよ!その私が優秀な貴方を教えて差し上げると言ってるんです!断るなんておかしいでしょう!?」
顔を真っ赤にした教師は立ちあがってアレンを指差し、捲し立てた。
そういうさ、生徒の事を全く考えてないところが嫌なんだけど。それに……。
「まぁまぁ先生。理由を聞いてみましょう。アレン、どうしてそんなに嫌なんだ?」
グレンは膝に抱くアレンのお腹をポンポンしながら、優しく問いかけた。
そのお陰で少し落ち着いて話す事が出来そうだ。
「じゅぎょー、へた。にーしゃま、めっする、わりゅい!」
言いたい事を言ったものの、これでは伝わらないだろう。こんな時にフィーが居れば……。
「アレン様、私が説明させて頂きます。」
フィー!来てくれたー!お願いします!
キラキラした目で、いつの間にか来ていたフィーを見上げた。「うぐっ!」と少しフィーが悶えたけど、見なかったことにしよう。
気を取り直したフィーが説明を始めた。
「見学の際に私も居りました。あれは授業では無く、ただやれと怒鳴るだけ。そして教えもせず、早く答えろとクリス様を責めるだけでした。この方は教師として無能です。アレン様、いかがですか?」
さすがフィー、僕の事良く分かってらっしゃる。
笑顔でウンウン頷くと、フィーは満足そうに微笑んだ。
「な、な!?たかがメイドに何が分かるのよ!」
教師がフィーに掴みかかろうとした瞬間、セバスがその手首を捕らえた。そして鋭く冷たい目付きで睨み、教師はガタガタと震えだした。
「私も確認していました。このメイドが言った内容に間違いはありません。」
セバスが視線を送ると、グレンの雰囲気まで一気に冷たくなった。
ひぇ~、2人とも怖い!僕まで体がブルッと震えてしまう。
「まさか有能だと聞いていた方が、私の愛する子にそんな酷い仕打ちをしていたなんて……、許せませんね。貴方はクビです。もう教職には就けないと思ってください。」
冷たい雰囲気のまま、怖い笑みを浮かべ、事実上の死刑宣告をした。
教師は呆然として、膝から崩れ落ちる。何とか顔を上げ、震える口を開いた。
「ま、待って、待ってください……。謝ります!ちゃんとやりますから!だからーー」
「追い出せ。」
グレンが指示を出すと、教師とセバスの姿が消え、すぐにセバスがまた現れた。
「あれは険しい山に捨ててきました。」
「ふっ、よくやった、セバス。」
冷たかった空気が和らぎ、安心してハァーと長く息を吐く。これで全て終わった。もう大丈夫だ。
お兄様を見たらポカンとした顔のまま、固まっていた。お兄様の膝をポンポンと叩く。
「にーしゃま、もう、だーじょぶよ。」
クリスはハッとしてアレンの顔を見る。
グレンがアレンごとクリスをギュッと抱き締めた。
「クリス、気付かなくてごめんな。もう大丈夫だ。今度はちゃんと詳細な調査をして選ぶと約束する。アレン、クリスを助けてくれてありがとう。」
「うん!」
僕は満面の笑みで、元気よく返事をした。
「う、うわぁぁぁん!」
クリスは珍しく大きな声を出して、泣き出してしまった。
お兄様は今まで我慢していたから、きっとそれが全部溢れだしたんだね。
落ち着くまでお父様と背中を撫で続けた。
一週間後、お兄様の顔色が良くなり、笑顔が少し戻ってきた頃。お父様に呼ばれてお兄様と執務室にやってきた。
「新しい家庭教師の候補を連れて来たから、2人で面接をして欲しい。経歴や評判はしっかり調査して問題無かった。あとは人柄がどうかを確認してくれないか?」
お兄様と顔を見合せて、同時に返事をした。
「「わかった!」」
「そうか、頼んだぞ。」
お父様は2人の頭を撫でると、セバスに候補者が待つ部屋への案内を頼んだ。
セバスの後からクリス、アレン、フィーが付いていく。執務室から近い部屋だった。
「お待たせいたしました。クリス様、アレン様が面接を担当します。何かあれば呼んでください。フィー、フォロー頼んだよ。」
セバスはフィーに声を掛け、部屋の外へ行ってしまう。
とりあえず僕達は椅子に座り、フィーが立ったままの男性に声を掛けた。
「どうぞ、お掛けください。」
「はい、失礼します。」
向かいに座った男性は長い茶色の髪を後ろで束ね、年は20代ぐらい、モテそうな顔つき。優しい目元に丸眼鏡をつけている。醸し出す雰囲気は柔らかい。
「ぼくはクリスで、おとうとはアレンです。」
男性は微笑み、クリスの話しを頷きながら聞いた。
お兄様が僕を紹介してくれた!嬉しいなぁ。
「クリス様、アレン様ですね。私はユリウスと申します。よろしくお願いいたします。」
僕達に接する態度も良いし、話し方も聞きやすい。今のところ好印象。
でも、何を聞けば良いのかな……?お兄様も悩んでるみたい。
そんな僕達を見かねて、フィーが助け船を出した。
「授業の希望があれば伝えてみてはどうでしょうか?」
授業の希望……?う~ん、そうだなぁ。
「えっと、ぼくでもわかるようにおしえてほしいです。」
「ぼく、にーしゃまと、いっしょに、じゅぎょーしたい。」
2人の要望を聞き、ユリウスは頷いた。
「お2人一緒で構いませんよ。理解度に合わせて、出来る限り分かりやすく教えていきたいと思います。」
うん、それなら良いかな。何かあれば僕がお兄様を守れるし。あとは、実際に授業受けてみて、かな。
「いやでしゅ!」
僕は大きな声で!ハッキリと!拒絶の意思を示した。突然の大声でお兄様だけ驚いてビクッとしてる。後で謝らないと。
「な、なぜですか!?私は有能ですよ!その私が優秀な貴方を教えて差し上げると言ってるんです!断るなんておかしいでしょう!?」
顔を真っ赤にした教師は立ちあがってアレンを指差し、捲し立てた。
そういうさ、生徒の事を全く考えてないところが嫌なんだけど。それに……。
「まぁまぁ先生。理由を聞いてみましょう。アレン、どうしてそんなに嫌なんだ?」
グレンは膝に抱くアレンのお腹をポンポンしながら、優しく問いかけた。
そのお陰で少し落ち着いて話す事が出来そうだ。
「じゅぎょー、へた。にーしゃま、めっする、わりゅい!」
言いたい事を言ったものの、これでは伝わらないだろう。こんな時にフィーが居れば……。
「アレン様、私が説明させて頂きます。」
フィー!来てくれたー!お願いします!
キラキラした目で、いつの間にか来ていたフィーを見上げた。「うぐっ!」と少しフィーが悶えたけど、見なかったことにしよう。
気を取り直したフィーが説明を始めた。
「見学の際に私も居りました。あれは授業では無く、ただやれと怒鳴るだけ。そして教えもせず、早く答えろとクリス様を責めるだけでした。この方は教師として無能です。アレン様、いかがですか?」
さすがフィー、僕の事良く分かってらっしゃる。
笑顔でウンウン頷くと、フィーは満足そうに微笑んだ。
「な、な!?たかがメイドに何が分かるのよ!」
教師がフィーに掴みかかろうとした瞬間、セバスがその手首を捕らえた。そして鋭く冷たい目付きで睨み、教師はガタガタと震えだした。
「私も確認していました。このメイドが言った内容に間違いはありません。」
セバスが視線を送ると、グレンの雰囲気まで一気に冷たくなった。
ひぇ~、2人とも怖い!僕まで体がブルッと震えてしまう。
「まさか有能だと聞いていた方が、私の愛する子にそんな酷い仕打ちをしていたなんて……、許せませんね。貴方はクビです。もう教職には就けないと思ってください。」
冷たい雰囲気のまま、怖い笑みを浮かべ、事実上の死刑宣告をした。
教師は呆然として、膝から崩れ落ちる。何とか顔を上げ、震える口を開いた。
「ま、待って、待ってください……。謝ります!ちゃんとやりますから!だからーー」
「追い出せ。」
グレンが指示を出すと、教師とセバスの姿が消え、すぐにセバスがまた現れた。
「あれは険しい山に捨ててきました。」
「ふっ、よくやった、セバス。」
冷たかった空気が和らぎ、安心してハァーと長く息を吐く。これで全て終わった。もう大丈夫だ。
お兄様を見たらポカンとした顔のまま、固まっていた。お兄様の膝をポンポンと叩く。
「にーしゃま、もう、だーじょぶよ。」
クリスはハッとしてアレンの顔を見る。
グレンがアレンごとクリスをギュッと抱き締めた。
「クリス、気付かなくてごめんな。もう大丈夫だ。今度はちゃんと詳細な調査をして選ぶと約束する。アレン、クリスを助けてくれてありがとう。」
「うん!」
僕は満面の笑みで、元気よく返事をした。
「う、うわぁぁぁん!」
クリスは珍しく大きな声を出して、泣き出してしまった。
お兄様は今まで我慢していたから、きっとそれが全部溢れだしたんだね。
落ち着くまでお父様と背中を撫で続けた。
一週間後、お兄様の顔色が良くなり、笑顔が少し戻ってきた頃。お父様に呼ばれてお兄様と執務室にやってきた。
「新しい家庭教師の候補を連れて来たから、2人で面接をして欲しい。経歴や評判はしっかり調査して問題無かった。あとは人柄がどうかを確認してくれないか?」
お兄様と顔を見合せて、同時に返事をした。
「「わかった!」」
「そうか、頼んだぞ。」
お父様は2人の頭を撫でると、セバスに候補者が待つ部屋への案内を頼んだ。
セバスの後からクリス、アレン、フィーが付いていく。執務室から近い部屋だった。
「お待たせいたしました。クリス様、アレン様が面接を担当します。何かあれば呼んでください。フィー、フォロー頼んだよ。」
セバスはフィーに声を掛け、部屋の外へ行ってしまう。
とりあえず僕達は椅子に座り、フィーが立ったままの男性に声を掛けた。
「どうぞ、お掛けください。」
「はい、失礼します。」
向かいに座った男性は長い茶色の髪を後ろで束ね、年は20代ぐらい、モテそうな顔つき。優しい目元に丸眼鏡をつけている。醸し出す雰囲気は柔らかい。
「ぼくはクリスで、おとうとはアレンです。」
男性は微笑み、クリスの話しを頷きながら聞いた。
お兄様が僕を紹介してくれた!嬉しいなぁ。
「クリス様、アレン様ですね。私はユリウスと申します。よろしくお願いいたします。」
僕達に接する態度も良いし、話し方も聞きやすい。今のところ好印象。
でも、何を聞けば良いのかな……?お兄様も悩んでるみたい。
そんな僕達を見かねて、フィーが助け船を出した。
「授業の希望があれば伝えてみてはどうでしょうか?」
授業の希望……?う~ん、そうだなぁ。
「えっと、ぼくでもわかるようにおしえてほしいです。」
「ぼく、にーしゃまと、いっしょに、じゅぎょーしたい。」
2人の要望を聞き、ユリウスは頷いた。
「お2人一緒で構いませんよ。理解度に合わせて、出来る限り分かりやすく教えていきたいと思います。」
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