酷い召還されたけど、今は溺愛されて、幸せです!

toranon

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初めてのデート

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「デート楽しみだな。」

 外へ繋がる扉の前まで私を運び、ローは嬉しそうに笑った。

「そっか、買い物でもデートになるんだね…。」

 今までデートなんて、経験ないから知らなかった。

「ロー、私デートした事ないから、どうすれば良いか分からないんだけど…。」
「本当か!?俺も無いから大丈夫だ!そうか、まだ何も経験ないんだな。やったぞ、ユーリの初めては全部俺のだ!」

 困った私に、ローは大喜びして、くるくる周りながら叫んだ。

「ロー、止まって!目が回る…。」
「ごめん、嬉しくて。大丈夫か?」

 ローはソファに座り、私を膝に乗せた。

「うん、大丈夫だよ。デートって何するの?」
「そうだな、好きな事すれば良いんじゃないか?これからたくさんデートするんだ。失敗しても俺が居るから大丈夫。」
「そっか…。じゃあ、デートしてみようかな。」

 失敗しても良いんだ。ローが言った言葉に少し安心した。

「そうだ、ユーリ。外は危ないから、変身してくれないか。この前の姿で良いぞ。」
「分かった。『変身』」

 銀髪のロングヘアーの姿になった。

「その姿も可愛いな。よし、外に出よう。」

 ローは私を横抱きにしたまま、外に出ようとした。

「ロー待って。降ろして?」
「危ないから運んだ方が…。」

 ローが降ろしてくれない。

「デートなんでしょ?私と手繋いで歩きたくないの…?」

 折角のデートなのに、悲しくなってきた。
 慌ててローが私を下に降ろした。

「良いのか?俺も手繋いで歩きたい。」

 私の手を優しく握ってくれた。

「ユーリ、外に出たらデートだぞ。」
「うん。」

 扉を開けて、2人で外に出た。

 昨日は暗さと、余裕の無さで見えなかった、街の様子が良く見えた。
 様々なお店が並び、人の話し声が聞こえる。爽やかな風に、お菓子を焼く甘い匂いが広がっていた。
 隣を見ると、ローがキリッとした顔で歩いている。
 黒髪がキラキラして綺麗。日の光に照らされたローは、何だかすごく格好良く見えた。
 ぼーっとローを見つめていたら、フワッと微笑んだ。
 その魅力的な表情に、ドキッと心臓が跳ねて、思わず目を反らした。

「どうした、ユーリ?」
「あ、あの…その…。」

 どうしよう、心臓が変かもしれない…。さっきまで平気だったのに、手繋いでるのもすごく恥ずかしいし、ローの顔が見れない。息ってどうやるんだっけ…?

「ユーリ?」

 ローは立ち止まって、私の顔を覗き込んだ。

「あぅ…。ローごめん…。」

 耐えられなくて、繋いでない方の手で、熱くなった顔を隠した。

「調子悪くなったのか?それなら帰って休もう。」

 私の様子がおかしくて、ローが心配そうな顔をした。

「調子は悪くないよ…。だけどちょっと…。」

 私は混乱してしまって、どうすれば良いのか分からない。
 ローが、固まってしまった私を引っ張り、路地に入った。
 そして、繋いでない方の腕で、私を抱き締めた。

「ユーリ。何か困ってるなら、少しずつで良いから言ってくれないか?」

 少しずつ息が出来るようになって、気持ちが落ち着いてきた。
 私はどうにか話始めた。

「ローあのね…。さっきから…ローが格好良く見えて…。心臓が変で…。手繋ぐの恥ずかしくて…。それで…顔見れなくて…。そしたら…息出来なくて…。ごめんなさい…。」

 もう訳が分からなくて、涙がポロポロと溢れてしまった。

「なんだ…そうか。それなら、大丈夫だ。」

 ローがホッした笑顔で言った。

「え…?大丈夫なの…?」
「あぁ。良かった、俺の事好きになってくれて。すごく嬉しいよ、ユーリ。」

 え…?私好きになったの…?こんな感じなの…?
 混乱している私の涙を、ローが優しく拭いてくれた。

「ユーリ、今混乱してるだろ?今日は帰ろうか。」

 人生で初めてのデートなのに。

「やだ…帰るのやだ…。」

 涙が流れだした。

「ユーリ、可愛い過ぎるぞ。」

 嬉しそうなローに抱き締められた。

 しばらくして、落ち着いてから、ローの顔を見上げると、笑顔を返された。

「ロー、ごめんね。おかしくなって。服も濡らしちゃった。」
「それぐらい、魔法で乾かせば良い。」

 フワッと風が吹いて、ローの服も私の顔も乾いた。

「ありがとう。」
「ユーリ、デートの続きするか?」

 優しい目で、ローが私を見つめて言った。

「うん。」

 恥ずかしくて、目を反らして頷いた。

「今日は、必要な着替えだけ買って帰ろう。」
「なんで?」
「ユーリの負担が大きいからな。デートは今日だけじゃない。他は次に取って置こう。」

 そっか、ローは優しいな。

「分かった。」

 手を繋いで、目的の服屋へ。色々な服が並んでいた。
 その中から、着やすそうなシャツ、ズボン、ワンピース、下着等を買った。

「ユーリ、俺プレゼントしたいんだが…。」
「別のデートの時にお願いするから、ね?」
「それなら良い。」

 ローが買おうとしたけど、今日は私の買い物だからね。
 結構買ったのに、団長にもらったお金は、まだたくさんある。後で何か買う時に、大事に使わせてもらおう。

「よし、買い物終わったから帰ろう。」
「うん。」

 私をサッと横抱きにして、拠点へ戻った。

 戻るともう夕食の時間になっていた。
 変身を解き、食堂のテーブルまで運ばれて、ローの膝に座った。

「ユーリ、ロー、おかえり。食事持ってきたよ。」
「ただいま、団長ありがとう。」

 団長が、私達の分も持ってきてくれて、向かいに座った。

「買い物に行ったんだろ?お金は足りたかな?」
「大丈夫だよ。結構買ったのに、たくさん残ってるから。」
「そうか、それなら良かった。」

 団長が良い笑顔で言った。

「ユーリ、はい、あーん。」

 ローが、一口サイズに千切ったパンを、私の口元にだした。
 なんで食べさせようとするの?恥ずかしいのに…。ドキドキするし…。

「ロー、自分で食べるから…。うぅ…。」
「ユーリ、どうした!?」

 急に涙をポロポロ流す私を見て、団長が慌てた。

「団長、大丈夫だ。問題ない。」

 ローが優しく拭いてくれた。ローのせいなのに…。

「おい、ロー。どういう事なんだ?」

 団長が目を細めてローを見た。

「ユーリは、俺の事が好きになった。それで、感情のコントロールが出来ないだけだ。」

 ローが嬉しそうに団長に言った。

「は…?ユーリ、ローが言った事は、本当なのか?」

 私は涙を流しながら、コクンと頷いた。
 ローがまた涙を拭きながら、

「だから大丈夫だと言っただろ。」
「それならまぁ良いか…。」

 団長は片手で頭を抑え、溜め息をついた。

「ユーリ、はい、あーん。」
「だから、自分で…。」

 また涙が出てくる。ローが意地悪だ。

「ユーリ、ごめんな。嬉しくて、少しやり過ぎた。」

 また拭かれて、少し気持ちが落ち着いてきた。

「もう意地悪しないなら、許してあげる。」
「あぁ、もうしないよ。」

 すごい笑顔で、嬉しそうに言うから、許してあげた。

 食事も終わって、部屋に戻り、買ってきた服をクローゼットにしまう。

「ユーリ、風呂はどうする?」
「今日は疲れたから、部屋のお風呂に入る。」

 色々あったから、大きなお風呂を楽しむ元気は、もうないし。

「先に使って良いぞ。」
「ありがとう。」

 疲れて身体が重いから、手早く洗って、今日買ったワンピースを着て、浴室から出た。ローが髪をフワッと乾かした。

「ありがとう。」
「おぅ。行ってくる。」

 先に布団に入った。
 今日は酷かったな…。好きになって、感情も身体もおかしくなるなんて…。迷惑かけちゃったな…。
 思い出したら、涙が溢れてきた。見られたくなくて、布団を頭から被った。
 感情をどうにかしたいのに…。上手く出来ない…。

「ユーリ?」

 布団を捲って、ローが入ってきた。

「大丈夫だ、拭くからな。」

 ローが優しく拭いてくれる。

「ロー、今日ごめんね。私迷惑かけて。」
「気にしなくて良い。俺も意地悪したからな。」
「でも…。」
「そうだなぁ、じゃあ俺の彼女になってくれ。そしたら許す。」
「それは…。」

 こんななのに、彼女になったらもっと迷惑かけちゃう。
 悩んでいたら、ローに抱き締められた。

「俺はユーリが好きだ。ユーリは、俺を好きになって、両思いになった。だから、どんな心配でも、迷惑でも、ずっと泣いてても良いから、俺のものになって欲しい。」

 目を見て真っ直ぐに言われて、後ろ向きな気持ちがなくなった。

「うぅ、ロー好き。」
「うん。それで返事は?俺のものに?」
「な、なります…。」
「やった!最高だ!ありがとう、ユーリ。」

 額にチュッとキスをされた。
 良かった、ローが喜んでくれて嬉しいな。

「なぁ、ユーリ。キスしても良いか?」

 私の顎に手を添え、目を合わせた。

「うん。」

 返事をして、目を瞑ると、唇に暖かな柔らかい感触があった。
 目を開くとローが幸せそうな顔で笑い、私の顔は火が出そうなくらい熱かった。
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