酷い召還されたけど、今は溺愛されて、幸せです!

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小さな仲間1

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 昨日仲間になった、サイ、スウ、アリサが、食堂でマリー、フェアリと朝食を食べていた。
 サイとスウは双子で2人ともショートカットで可愛らしい。アリサは美人で、長い髪を1つに束ねている。

「ユーリおはよう。ここ座ってね。」

 フェアリが隣の席を引いてくれた。

「ありがとう、フェアリ。」

 当たり前の様に、ローがその席に座り、私は膝に乗せられた。
 女子会に来た、男性1人みたいな、ローが少し浮いてる感がある…。
 見慣れたマリー、フェアリに対し、新メンバーの3人は、驚いて固まってしまった。

「この2人はこれが普通だから。そのうち慣れるよ。」

 マリーが苦笑いしながら言った。

「そうだユーリ。さっきね、買い物行こうかって、話してたの。良かったら、ユーリも行かない?」

 女子で買い物なんて、元の世界でも行ったことない。行ってみたい!

「ロー、あの…。」
「良いぞ、行っても。」

 え?良いの?しかもそんなにアッサリ!?
ヤッターと思ったら、

「だが、もちろん条件はつけるぞ。」

と、言われてしまった。あれ、ローの笑顔が少し怖い…?

「ロー、条件って…?」
「買い物は、男の子の姿で行くこと。それから、俺が離れた所から見守る。それが条件だ。」

 珍しい。一緒に行くとか、抱っこでとかじゃないんだ。

「ロー隠蔽使うの?」
「ああ、使う。その方が気にならないだろ。」
「それなら、私は良いと思う。」

 マリーがローの条件を了承した。

「そうね、ローが近くに居れば、何かあった時助かるし、良いんじゃない?サイ達はどうかな?」

 フェアリがサイ、スウ、アリサに聞くと、コクコク頷いた。

「じゃあ、決まり。午後楽しもうね!」
「うん!」

 わ~すごく楽しみ!嬉しいな!ウキウキしていると、ローが頭にスリスリしてきた。本当は行って欲しくないのかな…?ローに何かお土産買おう。

「おはよう、皆。ちょっと聞いてくれ。」

 団長が、腕の中に黒い子猫を抱えて、食堂にやって来た。子猫を見ると、すやすや寝ているようだ。

「この子猫は獣人だ。ギルドから一時保護と世話を頼まれた。人拐いから救出して、両親がこの街に向かってるそうだ。迎えが来るまで、協力を頼む。」

 各々、拍手や声を出して、了解の意志を示した。
 子猫可愛いなぁ。でも、獣人っていうと、どう違うんだろう?元の世界に居なかったし…。
 子猫の耳がピクピクして、顔を上げる。知らない場所、たくさんの人に驚き、身体がビクッとした。手足をバタつかせて、団長の腕から飛び出し、走りだしてしまった。
 皆で手を伸ばし、捕まえようとしても、逃げ足が早くて、すり抜けてしまう。椅子の上、テーブルの下、時には人の背中を駆け回り、もうお手上げ状態に。
 ローは動かず、腕を組んで成り行きを眺めていた。私は早すぎて目で追うのも、やっと。とても私には参加出来なかった。
 団長を見ると、楽しそうに皆の様子を見て笑っていた。
 どうやっても拠点からは出られないから、安心なのね。
 私は、参加を諦めて、ちょっとローに寄りかかった。

「ユーリどうしたんだ?」
「皆すごいなと思って。私は目で追うのもやっとだから。」
「そりゃあ、あいつらは鍛え方が違うからな。ユーリは魔法が使えるだろ?やってみないのか?」

 そっか、違うやり方で良いんだ…。猫が好きなものは、動くものだったかな?う~ん、人から逃げてるんだから、それも違う気がするし…。よし、やってみよう。
 私は端の席に座り、本を読み始めた。確か、興味ないフリした方が、猫は来てくれるって何かで見た。このまま知らんぷりしよう。
 子猫の素早さに、半分はもう脱落してしまった。脱落者は、壁際に座り、ガックリしている。
 子猫なのに体力がすごいのは、獣人だからかな?
 でも、逃げる範囲は食堂全体から、半分程になって、疲れてきてるみたい。
 その時、子猫がテーブルの上に着地し、少し離れた所から、私をじっと見た。
 私は気にしないように、本に集中し、ページを捲った。
 皆はその様子を見守り、しばらくすると、子猫が本の上に乗って、ゴロンと足を投げ出した。
 わぁ~子猫が来た!可愛い。少し撫でて良いかな…?恐る恐る手を猫の背中に滑らせた。尻尾はペシッペシッと動かしてイライラを表している。
 逃げないから、もっと撫でて欲しいのかな?背中を何度も撫で、そして、子猫の頭を優しく撫でた。尻尾を見ると、動いてないから、落ち着いてきたみたいだ。
 あれだけ逃げ回って心配したけど、怪我はしてないみたいで、良かった。

「ユーリすごいね。獣人に詳しいの?」

 団長が驚きの声をあげた。

「獣人は知らないけど、猫のことなら少し知ってたから、試してみたの。効果があって良かったよ。」

 子猫を撫で続けてると、ゴロゴロと喉を鳴らすのが聞こえてきた。

「おい、猫。いつまで独占してるんだ、離れろ。」

 ローが子猫の首の後ろを掴み、ヒョイっと持ち上げた。驚いた子猫がローの腕を引っ掻き、飛び降りた。テーブルに着地し、すぐ飛んでユーリの膝の上で丸まった。

「どうやらユーリに懐いてるね。世話を頼んでも良いかな?もちろん他の皆も協力するから。」
「うん、大丈夫だよ。」

 こんな風に懐かれるなんて、今までないから、嬉しかった。

「ユーリは俺のなんだぞ。子猫の世話なんて…。」

 ローがシュンとして、ブツブツ言っている。

「ロー、この子のお世話、手伝って欲しいの。お願い。」

 ローに協力して欲しくて、見つめた。

「あ、くっ、分かったよ、手伝うから。」

 少し照れてるローは、可愛く見えた。笑っていたら、急に膝がズシッと重くなった。

「ダメ!僕の!」

 子猫が5歳くらいの男の子になった。猫の耳と尻尾以外は人と同じだ。
 私に抱きつき、ローを見て、シャーッと威嚇した。

「わぁ、可愛いね。私ユーリだよ。名前言えるかな?」
「僕カーゴだよ。ユーリ好き!」

 嬉しかったから、可愛いカーゴをギュッとした。

「お迎え来るまで、よろしくね。」
「うん!」

 団長がローに近づいて、

「ロー、数日の辛抱だ。問題起こすなよ。」
「分かってる。」

 ローは眉間に皺を寄せた。拳を握って脱力すると、いつもの顔に戻した。

「ユーリ、今日の魔法の練習はどうする?」
「う~ん、黒手の練習したいかな。」

 黒手の動かす早さを改善したい。

「じゃあ、下に行こうか。ユーリ、はい。」

 ローが両手を広げて、私を待ってる。立ち上がり、行こうとしたら、

「ダメ!ユーリ僕の!ローはダメ!!」
「え?カーゴ?」
「ユーリ、良いよ。歩いて行こう。」

 ローが少し悲しそうに笑った。離れないので、一緒に地下へ連れていき、ローがカーゴを片腕で抱えた。カーゴは嫌がって暴れたが、ローはびくともしない。

「ユーリ、こいつは抑えておくから、気にせず練習してくれ。」
「『黒手』」

 影から、黒い手をいくつも出して、人型の木を触ったり、叩いたり、切ったり、巻き付けたり、何度も動かした。
 練習の間、2人は話していて、カーゴはずっと不機嫌だった。
ふぅー。前より大分動かしやすくなった。

「ロー、ありがとう。」
「ん?もう良いのか?」

 ローも、カーゴも大変そうだからね。

「うん。そろそろお昼でしょ?一緒に食べよう。」
「ユーリ…。そうだな、食べよう。」

 ローが嬉しそうに笑った。それを聞いたカーゴが私の所に走ってきて、くっついた。

「ご飯食べる!」

 カーゴが元気いっぱいに言ったので、食堂に向かった。
 ローが私を膝に座らせようと、私の手を引くと、反対の手をカーゴに引かれた。

「え?カーゴ?」
「ユーリは僕と食べるの!」

 カーゴは子どもとは思えない程、力が強く、掴まれた手が痛い。
 それに気づいたローが手を離し、

「ユーリ、俺は隣に座るから。カーゴと座ってくれ。」
「う、うん、分かった。」

 痛みから解放されて、ほっとした。カーゴを膝に乗せて座ると、機嫌良くご飯を食べてくれた。
 約束の時間になって、フェアリ達が来た。

「ユーリ、カーゴも一緒に買い物行こう。」
「良いの?」
「うん、順番で面倒見よう。そしたら、ユーリも楽しめるでしょ。カーゴ、私達とお買い物行きたいよね?」

 フェアリが、カーゴの頭を撫でて、買い物に誘った。

「行きたい!」
「じゃあ、ユーリ。行くから変身してね。ロー、見守よろしく!」
「ああ、任せとけ。俺は時間少し空けて出るから、先行ってくれ。」

 ローは親指を立てて、ニカッと笑った。

「分かった。行ってきます。」

 私も笑ってローに手を振った。
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