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1.Cape jasmine
42✳︎
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逢ひ見ての 後の心にくらぶれば
昔はものを思わざりけり
『この歌の意味は?』
『えーと、…気持ちが通じあった後の方が辛い、みたいな』
『なんで?』
『…なんでだろう?』
その時はわからなかった。
“逢う”の意味を知らなかったから。
不意に首の後ろを掴まれて、あっと思った時には、上向いた唇を塞がれていた。歯の間から割り込んできた舌先が、抉る様に深く差し込まれる。
ぐるりと舐める様に動いたナオの舌に絡みつかれた舌を強く吸われて、くらりと力の抜けた足を掬われ、仰向けに押し倒された。
ナオは押さえ込む様に私の上に跨ると、着ていたシャツの裾を掴んで脱ぎ捨てる。筋肉が付いて引き締まったその身体を見上げて息を呑んだ。
子供の頃とはまるで違う、その身体に。
視線に気が付いたナオが口角を上げると、私の顔の隣に片手を付いて覆い被さり、もう片方の手で私の手を掴んだ。
「覚えとけよ。最後なんだから」
―――最後
その言葉に息が止まった。
ナオはそんな私から視線を外さないまま、殊更ゆっくりと私の手を引き寄せると、片手で器用に広げて、その内側へ自分の唇を寄せた。
柔らかく吸い付いた唇の感触を感じたのは一瞬、続けてざらりと舌で舐められ、目を見開いた私の前でナオがパクリと小指を咥え込んだ。ぬるりと指の付け根を舐められた途端、ゾクリと身体に震えが走る。
まるで食べ終わったアイスの棒のように吸いつかれて、それだけで息が震えたのを見たナオが目を細めた。
「こんな事で感じるのか?ヤラシイな、スミ」
その言葉で顔に血が上った。恥ずかしくて振り解こうとしたのに、握る手に力が篭ったと思うと、その手を今度は自分の身体に近付ける。
頬を滑って首筋に押し当てられると、そこはドクドクと脈打って、上半身裸で肌寒いはずなのに、ひどく熱を持っていた。
「…熱い…?」
ナオはそれに答えず、その手をさらに滑らせる。浮き出た鎖骨を通って、その下で盛り上がる胸筋から、縦に線の入った腹部へと。
そのままナオはハーフパンツのゴムを押し除けて、私の手ごと中に突っ込んだ。
「ちょっ、ナオ?!」
引き抜こうとした手をさらに強く掴まれ、押し付けられた、それ。
ボクサーパンツを押し上げているものが何かわからない訳が無い。思わず息を呑んだ。
無意識に指でその形をなぞると、ナオが顔を近づけて、耳元に唇を寄せる。
「中に入れて、握ってみろよ」
耳の中に息を吹き込む様に言われて肌が粟立つ。横目にナオを見ると熱を孕んだ眼差しがそこにあって、それに引き込まれる様に微かに喘いだ唇に、頭をもたげたナオの唇が触れる。
ちろり、と、無意識に差し出した舌先が、触れ合った、それだけで身体が甘く疼き、切なさに身動いだ時、は…と、ナオが短く息を吐いた。
自分の手が、まだナオの大事な場所に触れたままでいる。もしかして、そのせい…?
すり、と丸みをなぞる様に指を滑らせると、すぐ鼻先にあるナオの喉奥がコク…と音を立てる。
思わず、口角を上げた。
だって、嬉しかった―――ナオが、 感じてる
でもその次の瞬間、強い力で抱き起こされると、着ていたトレーナーを頭から抜き取られた。再び押し倒されながら背中のホックを外されて、剥き出しになった膨らみにナオがかぶり付く。
「っ―――!」
何故かすでに固く尖っていたそれは信じられない位敏感になっていて、それだけで甘い痺れに身体を貫かれた。
舌先でこりこりと扱かれながら、反対の胸を手の平で掬い上げられ親指で先端を押し潰されると、抑え様の無い声が鼻先から漏れ、息が上がってくる。
じわじわと燻り始める切なさに腿をすり合わせると、ナオの脚がこじ開ける様に割り込まれた。
太腿をグッと押しつけられて、そこがすでに熱を持っている事に嫌でも気が付く。
その間も、それこそ千切れてしまうんじゃないかと思うくらい、ナオは繰り返し繰り返し、手のひらで膨らみを形作っては硬く張り詰めたそれを、舌先で、指先で、嬲り続けた。酸素を求めて喘ぐ度に、自分のものとは思えないような声が漏れる。
もう止めて欲しい。そう思うのに、胸の先で蠢くざらりとした感触に自分の舌先が疼いて、たまらずナオの髪を掴んだ手を反対に掴まれた。するり、と、指先を絡めるように握り込んで、フローリングの床に押さえつけたナオが顔を上げる。近付いてくる唇に、自分から口を開いた。
深く、喉元まで差し込まれて、喉の奥が鳴る。お互いの舌の感触を確かめる様にゆっくりと絡め合うと、泣きたい様な気持ちになって、ギュッとナオの手を握りしめた。
ナオの手がそれを握り返して鼻の向きを変えた時、触れ合った裸の胸が擦れて、その切なさに身動ぎすると、ナオの身体が呼応する様に動いた。
それは、多分無意識だったと思う。
直接触れたナオの肌は思いの外滑らかで、そのくせさっきまでナオが咥えこんでいたせいで尖りきった先端が、動く度に擦れて胸の奥を甘く疼かせる。合間に合間に短く息を吸い込んでは、再び唇を隙間なく合わせてを繰り返しながら、お互いの肌で肌を探る様に、自然に身体を揺らめかせた。
流れ込んで来る唾液を飲み込み、もっととせがむ様に首筋に腕を回すと、ナオの大きな手の平が背中に回って私の首の後ろを掴む。のしかかる様にキスを深めながら、ナオが反対の手の平をお腹の上で円を描く様に動かした。
「ん…」
擽ったい様なもどかしい様な気持ちが鼻を鳴らして零れ落ち、身動ぎする間にナオの手の平がショートパンツの中に入り込む。ナオの指がショーツのゴムをなぞる様に動いてその内側に滑り込み、熱を持って膨らんだ様になったその場所を探り当てた、瞬間。
「ふっ―――うっっ…」
突き抜ける様な甘い痺れが、体の芯を貫いた。
昔はものを思わざりけり
『この歌の意味は?』
『えーと、…気持ちが通じあった後の方が辛い、みたいな』
『なんで?』
『…なんでだろう?』
その時はわからなかった。
“逢う”の意味を知らなかったから。
不意に首の後ろを掴まれて、あっと思った時には、上向いた唇を塞がれていた。歯の間から割り込んできた舌先が、抉る様に深く差し込まれる。
ぐるりと舐める様に動いたナオの舌に絡みつかれた舌を強く吸われて、くらりと力の抜けた足を掬われ、仰向けに押し倒された。
ナオは押さえ込む様に私の上に跨ると、着ていたシャツの裾を掴んで脱ぎ捨てる。筋肉が付いて引き締まったその身体を見上げて息を呑んだ。
子供の頃とはまるで違う、その身体に。
視線に気が付いたナオが口角を上げると、私の顔の隣に片手を付いて覆い被さり、もう片方の手で私の手を掴んだ。
「覚えとけよ。最後なんだから」
―――最後
その言葉に息が止まった。
ナオはそんな私から視線を外さないまま、殊更ゆっくりと私の手を引き寄せると、片手で器用に広げて、その内側へ自分の唇を寄せた。
柔らかく吸い付いた唇の感触を感じたのは一瞬、続けてざらりと舌で舐められ、目を見開いた私の前でナオがパクリと小指を咥え込んだ。ぬるりと指の付け根を舐められた途端、ゾクリと身体に震えが走る。
まるで食べ終わったアイスの棒のように吸いつかれて、それだけで息が震えたのを見たナオが目を細めた。
「こんな事で感じるのか?ヤラシイな、スミ」
その言葉で顔に血が上った。恥ずかしくて振り解こうとしたのに、握る手に力が篭ったと思うと、その手を今度は自分の身体に近付ける。
頬を滑って首筋に押し当てられると、そこはドクドクと脈打って、上半身裸で肌寒いはずなのに、ひどく熱を持っていた。
「…熱い…?」
ナオはそれに答えず、その手をさらに滑らせる。浮き出た鎖骨を通って、その下で盛り上がる胸筋から、縦に線の入った腹部へと。
そのままナオはハーフパンツのゴムを押し除けて、私の手ごと中に突っ込んだ。
「ちょっ、ナオ?!」
引き抜こうとした手をさらに強く掴まれ、押し付けられた、それ。
ボクサーパンツを押し上げているものが何かわからない訳が無い。思わず息を呑んだ。
無意識に指でその形をなぞると、ナオが顔を近づけて、耳元に唇を寄せる。
「中に入れて、握ってみろよ」
耳の中に息を吹き込む様に言われて肌が粟立つ。横目にナオを見ると熱を孕んだ眼差しがそこにあって、それに引き込まれる様に微かに喘いだ唇に、頭をもたげたナオの唇が触れる。
ちろり、と、無意識に差し出した舌先が、触れ合った、それだけで身体が甘く疼き、切なさに身動いだ時、は…と、ナオが短く息を吐いた。
自分の手が、まだナオの大事な場所に触れたままでいる。もしかして、そのせい…?
すり、と丸みをなぞる様に指を滑らせると、すぐ鼻先にあるナオの喉奥がコク…と音を立てる。
思わず、口角を上げた。
だって、嬉しかった―――ナオが、 感じてる
でもその次の瞬間、強い力で抱き起こされると、着ていたトレーナーを頭から抜き取られた。再び押し倒されながら背中のホックを外されて、剥き出しになった膨らみにナオがかぶり付く。
「っ―――!」
何故かすでに固く尖っていたそれは信じられない位敏感になっていて、それだけで甘い痺れに身体を貫かれた。
舌先でこりこりと扱かれながら、反対の胸を手の平で掬い上げられ親指で先端を押し潰されると、抑え様の無い声が鼻先から漏れ、息が上がってくる。
じわじわと燻り始める切なさに腿をすり合わせると、ナオの脚がこじ開ける様に割り込まれた。
太腿をグッと押しつけられて、そこがすでに熱を持っている事に嫌でも気が付く。
その間も、それこそ千切れてしまうんじゃないかと思うくらい、ナオは繰り返し繰り返し、手のひらで膨らみを形作っては硬く張り詰めたそれを、舌先で、指先で、嬲り続けた。酸素を求めて喘ぐ度に、自分のものとは思えないような声が漏れる。
もう止めて欲しい。そう思うのに、胸の先で蠢くざらりとした感触に自分の舌先が疼いて、たまらずナオの髪を掴んだ手を反対に掴まれた。するり、と、指先を絡めるように握り込んで、フローリングの床に押さえつけたナオが顔を上げる。近付いてくる唇に、自分から口を開いた。
深く、喉元まで差し込まれて、喉の奥が鳴る。お互いの舌の感触を確かめる様にゆっくりと絡め合うと、泣きたい様な気持ちになって、ギュッとナオの手を握りしめた。
ナオの手がそれを握り返して鼻の向きを変えた時、触れ合った裸の胸が擦れて、その切なさに身動ぎすると、ナオの身体が呼応する様に動いた。
それは、多分無意識だったと思う。
直接触れたナオの肌は思いの外滑らかで、そのくせさっきまでナオが咥えこんでいたせいで尖りきった先端が、動く度に擦れて胸の奥を甘く疼かせる。合間に合間に短く息を吸い込んでは、再び唇を隙間なく合わせてを繰り返しながら、お互いの肌で肌を探る様に、自然に身体を揺らめかせた。
流れ込んで来る唾液を飲み込み、もっととせがむ様に首筋に腕を回すと、ナオの大きな手の平が背中に回って私の首の後ろを掴む。のしかかる様にキスを深めながら、ナオが反対の手の平をお腹の上で円を描く様に動かした。
「ん…」
擽ったい様なもどかしい様な気持ちが鼻を鳴らして零れ落ち、身動ぎする間にナオの手の平がショートパンツの中に入り込む。ナオの指がショーツのゴムをなぞる様に動いてその内側に滑り込み、熱を持って膨らんだ様になったその場所を探り当てた、瞬間。
「ふっ―――うっっ…」
突き抜ける様な甘い痺れが、体の芯を貫いた。
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