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第30話 グレンのお留守番2日目11
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「あーさっぱりした」
「フルーツぎゅうにゅうおいしかったです」
「……それはよかった」
ドライヤーでふわふわな毛並みに戻った寅吉は、すでにグッタリした表情で一番後ろを歩いている。
「乾かした直後のふわふわも堪らないねー」
「ふわふわであったかくて、きもちよかったー」
「……それはよかったです」
早速モフられたらしい。
「戻ってご飯作ろうー。今日は何がいいかな?」
「キノコとたまごとぎゅうにゅうがあります!」
「その食材なら……オムレツか」
寅吉が料理に反応して復活する。
「キノコのオムレツ!いいね!!」
「オムレツってなんですか?」
オムレツに大賛成のクレアと、オムレツが分からないグレン。
グレンは不思議そうな顔をしている。
「オムレツはね~ふわふわで美味しいよ~」
「にゃ、卵料理だな、楽しみにしておいてくれ」
「たべたい!」
グレンは目をキラキラさせながら期待に満ちた目で2人を見つめる。
「オムライスでもいいけど……
時間かかるな。パンでいいか?」
「お腹すいてからすぐ食べたい!オムライスは今度で!」
「おなか、すきました!」
お腹ペコペコの2人はすぐに食べられるものをご所望のようだ。
寅吉はエプロンを着けて台所に立ち、早速下拵えを始める。
「そうだ、バターがもうないんだった。クレア、バター作ってくれるか?」
「オッケー♪グレン、一緒に作ろうか」
「バターはつくったことあります!」
寅吉ご所望のバターはグレンも作ったことがあるようだ。
クレアは棚から大きめの瓶と小さめの瓶を取り出してそれぞれに牛乳を注いでいく。
「パン用にも使いたいから無塩バターと有塩バターを作ろうか。グレンはこっちの小さいやつで混ぜてくれるかな?」
「はい!」
クレアはグレンに牛乳の入った小さな瓶を手渡し、グレンはそれわ勢いよく振り始める。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉ」
「あはははは、頑張れー」
全身を使って瓶をシャカシャカとシェイクするグレン。
それを横目にクレアは一抱えをもある大きな瓶に牛乳を入れてバターを作ろうとする。
「はぁ……クレアさん……それ……おおきすぎ……じゃ、ないですか?」
既にちょっと疲れてきているグレンはクレアの瓶が、とても1人でシェイクできる大きさに見えなかった。
「ふふーん、まあ見ててよ。私は魔女だからね」
「?」
クレアはそう言うと小さな杖を取り出して瓶に向かって魔法陣を展開する。
瓶は空中に浮き上がり、更にもう一つ別の魔法陣を展開。
「わっ!ぎゅうにゅうがまわってる!」
「そっ!瓶の中にだけ別の魔法陣を展開して、中身だけを攪拌してるんだよ!」
バシャバシャと回転した揉まれる瓶の中の牛乳。
あっという間に半固形状態へと変化していく。
一方グレンの手の中にある瓶の中身は、未だに牛乳である。
「……がんばる!」
「グレン、腕に魔力を集中させてやってみろ。早く力強く振れるぞ」
「――はい!」
両腕に魔力を集中させて高速で瓶を振り出すグレン。
先程までよりも圧倒的に早く、強く攪拌していく。
次第にシャカシャカと鳴っていた音がペタペタと言い出した。
「大分良さそうな音がするね」
「――はぁ――はぁ――もう……いいですか……?」
グレンは息を止めて必死に瓶を振る。
顔を真っ赤にしながらもその手を止めない。
既にクレアは出来上がったバターを瓶から取り出して半分に分け、無塩バターと有塩バターに分けて保存し始めていた。
「――はぁ――できた」
「お疲れ様、今日はグレンが作ったバターでオムレツを作ろうか」
「にゃ、グレン。バターを持って来てくれ」
魔力を使いながら腕を振ることで、手早くバターを作ることができたが、より疲れて気がするグレン。
(やっぱり……まりょく……つかれる……)
肩で息をするグレンはバターを寅吉に手渡し、椅子に座って休憩する。
「お疲れ様。魔力を使った身体強化、疲れるでしょ?」
「つかれました……」
まだ息が整わないグレンがようやっと返事をする。
そんなグレンを見ながらクレアは魔力の講義をしてくれる。
「魔力を知覚、操作するのって慣れないうちは凄く疲れるんだよね。魔力に動いて欲しいと考えて、思い通りに動かす。これがなかなか疲れる。でもね、グレンみたいに小さい時から訓練していれば魔力を自由自在に操れるようになるよ。身体も魔力に慣れてくるし、魔力を使った身体の使い方も習得できるからね」
「クレアさんみたいに――まほうも――つかえますか?」
寅吉の課題はグレンの魔力操作による身体強化の訓練だったようだ。
だがグレンはクレアのように魔法も使ってみたいのだ。
「そうだね。魔法、まぁ普段使うなら魔術だけど、やっぱり基本は魔力操作がものを言うからね。どれだけ素早く精密に動かせるかだから、身体強化のための魔力操作はやっといた方がいいよ。これからじっくり教えてあげるから、まずは魔導書を読めるようにならないとね?」
「はい!べんきょうします」
魔法、魔術を使うには魔力操作が必要であり、その 為の技術を学ぶには文字や数字が読めないといけない。
(やることが、いっぱいだ!)
グレンの頭の中はやりたいことだらけだ。
「グレン、オムレツを作るが。見るか?」
「――みたいです!」
グレンは思考を止め、寅吉のオムレツ作りを見に立ち上がる。
全て、見て、経験して、己の血肉にするために。
「まずは熱したフライパンにキノコと玉ねぎを入れて炒める」
寅吉は薄切りに下拵えしておいたキノコと玉ねぎをフライパンへ投入し、炒め始める。
ジュージューと音をたてながら具材を炒めていく。
あたりに香ばしい香りが広がり、グレンの鼻腔を刺激する。
「もう、おいしそう……」
「はは、まだこれからだぞ」
炒めら具材を一旦皿の上に乗せ、フライパンにグレンの作ったバターを落とす。
バターはすぐに溶け出し、一帯はバターの風味で埋め尽くされる。
「うーん!この香り、堪んないね!」
「ここに溶き卵を入れる」
寅吉は溶き卵をフライパン全体へ伸ばし、真ん中に先程炒めた具材を乗せていく。
「よっと」
「おぉー」
寅吉がフライパンを握る手をもう片方の手でトントンと叩きながら卵をクルクルと巻いていく。
その手捌きにグレンは見惚れながらも、しっかりと動きを観察している。
(ちゃんと魔力の流れも見てるな……)
寅吉が繊細な魔力操作で身体を使っているののをグレンはしっかりと見ているようだ。
寅吉も気をよくしてクルッ、クルッと卵を回転させ、具材をふわふわの卵の中に包み込んでいく。
「おっ、おっ、おおー!」
「まずは1人分完成だ」
出来上がったオムレツを皿に盛り付け、野菜を周りに乗せていく。
「オムレツプレートの完成だ」
「「おいしそー!」」
グレンとクレアの声がハモリ、早速食卓へと運んでいくクレア。
グレンは寅吉のオムレツ作りに夢中で齧り付き、2皿目も目を離さずに見入っている。
「ほい、2皿目」
「すごい、すごい!」
グレンは拍手しながら寅吉を褒め千切る。
寅吉も得意気に笑い、嬉しそうに尻尾を揺らす。
「グレンもやってみるか?」
「え、いいんですか?」
「何事も挑戦だ。やらないことには、何もできないからな」
グレンに場所を譲り、コンロの前を開ける寅吉。
グレンは踏み台を設置してフライパンを握る。
手には魔力を巡らせ、重い鉄のフライパンを持ち上げる。
普段のグレンでは片手で扱うこともできないだろう。
「グレン、手だけに集中するな、足も身体も、全身でフライパンを振るうんだ」
「はい!」
グレンは魔力を全身で巡らせ、全身の身体を強化する。
「まずは卵を流し込む」
「はい」
熱したフライパンに卵液を流し込み、真ん中に具材を慎重に置いていく。
「そう、そこから手首をトントンと叩きながらフライパンを返していく」
「――はい」
慎重に手首を叩いて卵を回そうとするグレン。
だが、卵はなかなか回ってくれない。
「う……まわらない……」
「左手の手首は柔らかく、叩いた瞬間にフライパンの先を持ち上げる感じで」
「――はい」
もう一度トントンと手首を叩いてみるグレン。
左手首を固めないイメージで優しく持ち上げる。
「そうだ、その感じだ。もう少しフライパンの角度を上げて、卵の端を持ち上げる感じで――」
「あ」
くるりと卵が裏返り、具材を包み込む。
「そう、その調子だ」
「よっ!」
一度できれば何となくコツが見えてくる。
クルリクルリと卵を回して具材を包み込むことに成功する。
「にゃ、初めてでここまでできれば上手いもんだ」
「グレン凄いね!それ難しいんだよ」
「えへへ、でもとらきちさんみたいにきれいにできなかったです」
皿に盛り付けられたオムレツはちょっと歪な形に変形しており、所々具材がはみ出している。
「それでも凄いよ!初めてやったんでしょ!?」
「うむ、グレンには料理の才能があるな。これからは俺と一緒に料理をやってみないか?」
「やりたいです!」
「ちょっと寅吉!抜け駆け!」
「グレンがやりたいなら仕方ないだろ」
「うっ……」
「それより、冷める前に早く食べよう」
折角の温かい食事を冷ましてしまうのは勿体無いと、3人は食卓へとつく。
「どうする?私のと交換する?」
「これがいいです!」
クレアは自分のオムレツと交換しようかとていあんするが、グレンは自分で作ったものがいいと譲らない。
「ぼくが、じぶんでつくったものがいいです」
「にゃ、そうだよな」
「そっかそうだよねー」
どんなに崩れてても、自分の手で作った初めてのオムレツ。
食べないわけにはいかないだろう。
「それでは」
「「「いただきます!」」」
食卓を囲む声が響く。
「フルーツぎゅうにゅうおいしかったです」
「……それはよかった」
ドライヤーでふわふわな毛並みに戻った寅吉は、すでにグッタリした表情で一番後ろを歩いている。
「乾かした直後のふわふわも堪らないねー」
「ふわふわであったかくて、きもちよかったー」
「……それはよかったです」
早速モフられたらしい。
「戻ってご飯作ろうー。今日は何がいいかな?」
「キノコとたまごとぎゅうにゅうがあります!」
「その食材なら……オムレツか」
寅吉が料理に反応して復活する。
「キノコのオムレツ!いいね!!」
「オムレツってなんですか?」
オムレツに大賛成のクレアと、オムレツが分からないグレン。
グレンは不思議そうな顔をしている。
「オムレツはね~ふわふわで美味しいよ~」
「にゃ、卵料理だな、楽しみにしておいてくれ」
「たべたい!」
グレンは目をキラキラさせながら期待に満ちた目で2人を見つめる。
「オムライスでもいいけど……
時間かかるな。パンでいいか?」
「お腹すいてからすぐ食べたい!オムライスは今度で!」
「おなか、すきました!」
お腹ペコペコの2人はすぐに食べられるものをご所望のようだ。
寅吉はエプロンを着けて台所に立ち、早速下拵えを始める。
「そうだ、バターがもうないんだった。クレア、バター作ってくれるか?」
「オッケー♪グレン、一緒に作ろうか」
「バターはつくったことあります!」
寅吉ご所望のバターはグレンも作ったことがあるようだ。
クレアは棚から大きめの瓶と小さめの瓶を取り出してそれぞれに牛乳を注いでいく。
「パン用にも使いたいから無塩バターと有塩バターを作ろうか。グレンはこっちの小さいやつで混ぜてくれるかな?」
「はい!」
クレアはグレンに牛乳の入った小さな瓶を手渡し、グレンはそれわ勢いよく振り始める。
「うおおおおぉぉぉぉぉぉ」
「あはははは、頑張れー」
全身を使って瓶をシャカシャカとシェイクするグレン。
それを横目にクレアは一抱えをもある大きな瓶に牛乳を入れてバターを作ろうとする。
「はぁ……クレアさん……それ……おおきすぎ……じゃ、ないですか?」
既にちょっと疲れてきているグレンはクレアの瓶が、とても1人でシェイクできる大きさに見えなかった。
「ふふーん、まあ見ててよ。私は魔女だからね」
「?」
クレアはそう言うと小さな杖を取り出して瓶に向かって魔法陣を展開する。
瓶は空中に浮き上がり、更にもう一つ別の魔法陣を展開。
「わっ!ぎゅうにゅうがまわってる!」
「そっ!瓶の中にだけ別の魔法陣を展開して、中身だけを攪拌してるんだよ!」
バシャバシャと回転した揉まれる瓶の中の牛乳。
あっという間に半固形状態へと変化していく。
一方グレンの手の中にある瓶の中身は、未だに牛乳である。
「……がんばる!」
「グレン、腕に魔力を集中させてやってみろ。早く力強く振れるぞ」
「――はい!」
両腕に魔力を集中させて高速で瓶を振り出すグレン。
先程までよりも圧倒的に早く、強く攪拌していく。
次第にシャカシャカと鳴っていた音がペタペタと言い出した。
「大分良さそうな音がするね」
「――はぁ――はぁ――もう……いいですか……?」
グレンは息を止めて必死に瓶を振る。
顔を真っ赤にしながらもその手を止めない。
既にクレアは出来上がったバターを瓶から取り出して半分に分け、無塩バターと有塩バターに分けて保存し始めていた。
「――はぁ――できた」
「お疲れ様、今日はグレンが作ったバターでオムレツを作ろうか」
「にゃ、グレン。バターを持って来てくれ」
魔力を使いながら腕を振ることで、手早くバターを作ることができたが、より疲れて気がするグレン。
(やっぱり……まりょく……つかれる……)
肩で息をするグレンはバターを寅吉に手渡し、椅子に座って休憩する。
「お疲れ様。魔力を使った身体強化、疲れるでしょ?」
「つかれました……」
まだ息が整わないグレンがようやっと返事をする。
そんなグレンを見ながらクレアは魔力の講義をしてくれる。
「魔力を知覚、操作するのって慣れないうちは凄く疲れるんだよね。魔力に動いて欲しいと考えて、思い通りに動かす。これがなかなか疲れる。でもね、グレンみたいに小さい時から訓練していれば魔力を自由自在に操れるようになるよ。身体も魔力に慣れてくるし、魔力を使った身体の使い方も習得できるからね」
「クレアさんみたいに――まほうも――つかえますか?」
寅吉の課題はグレンの魔力操作による身体強化の訓練だったようだ。
だがグレンはクレアのように魔法も使ってみたいのだ。
「そうだね。魔法、まぁ普段使うなら魔術だけど、やっぱり基本は魔力操作がものを言うからね。どれだけ素早く精密に動かせるかだから、身体強化のための魔力操作はやっといた方がいいよ。これからじっくり教えてあげるから、まずは魔導書を読めるようにならないとね?」
「はい!べんきょうします」
魔法、魔術を使うには魔力操作が必要であり、その 為の技術を学ぶには文字や数字が読めないといけない。
(やることが、いっぱいだ!)
グレンの頭の中はやりたいことだらけだ。
「グレン、オムレツを作るが。見るか?」
「――みたいです!」
グレンは思考を止め、寅吉のオムレツ作りを見に立ち上がる。
全て、見て、経験して、己の血肉にするために。
「まずは熱したフライパンにキノコと玉ねぎを入れて炒める」
寅吉は薄切りに下拵えしておいたキノコと玉ねぎをフライパンへ投入し、炒め始める。
ジュージューと音をたてながら具材を炒めていく。
あたりに香ばしい香りが広がり、グレンの鼻腔を刺激する。
「もう、おいしそう……」
「はは、まだこれからだぞ」
炒めら具材を一旦皿の上に乗せ、フライパンにグレンの作ったバターを落とす。
バターはすぐに溶け出し、一帯はバターの風味で埋め尽くされる。
「うーん!この香り、堪んないね!」
「ここに溶き卵を入れる」
寅吉は溶き卵をフライパン全体へ伸ばし、真ん中に先程炒めた具材を乗せていく。
「よっと」
「おぉー」
寅吉がフライパンを握る手をもう片方の手でトントンと叩きながら卵をクルクルと巻いていく。
その手捌きにグレンは見惚れながらも、しっかりと動きを観察している。
(ちゃんと魔力の流れも見てるな……)
寅吉が繊細な魔力操作で身体を使っているののをグレンはしっかりと見ているようだ。
寅吉も気をよくしてクルッ、クルッと卵を回転させ、具材をふわふわの卵の中に包み込んでいく。
「おっ、おっ、おおー!」
「まずは1人分完成だ」
出来上がったオムレツを皿に盛り付け、野菜を周りに乗せていく。
「オムレツプレートの完成だ」
「「おいしそー!」」
グレンとクレアの声がハモリ、早速食卓へと運んでいくクレア。
グレンは寅吉のオムレツ作りに夢中で齧り付き、2皿目も目を離さずに見入っている。
「ほい、2皿目」
「すごい、すごい!」
グレンは拍手しながら寅吉を褒め千切る。
寅吉も得意気に笑い、嬉しそうに尻尾を揺らす。
「グレンもやってみるか?」
「え、いいんですか?」
「何事も挑戦だ。やらないことには、何もできないからな」
グレンに場所を譲り、コンロの前を開ける寅吉。
グレンは踏み台を設置してフライパンを握る。
手には魔力を巡らせ、重い鉄のフライパンを持ち上げる。
普段のグレンでは片手で扱うこともできないだろう。
「グレン、手だけに集中するな、足も身体も、全身でフライパンを振るうんだ」
「はい!」
グレンは魔力を全身で巡らせ、全身の身体を強化する。
「まずは卵を流し込む」
「はい」
熱したフライパンに卵液を流し込み、真ん中に具材を慎重に置いていく。
「そう、そこから手首をトントンと叩きながらフライパンを返していく」
「――はい」
慎重に手首を叩いて卵を回そうとするグレン。
だが、卵はなかなか回ってくれない。
「う……まわらない……」
「左手の手首は柔らかく、叩いた瞬間にフライパンの先を持ち上げる感じで」
「――はい」
もう一度トントンと手首を叩いてみるグレン。
左手首を固めないイメージで優しく持ち上げる。
「そうだ、その感じだ。もう少しフライパンの角度を上げて、卵の端を持ち上げる感じで――」
「あ」
くるりと卵が裏返り、具材を包み込む。
「そう、その調子だ」
「よっ!」
一度できれば何となくコツが見えてくる。
クルリクルリと卵を回して具材を包み込むことに成功する。
「にゃ、初めてでここまでできれば上手いもんだ」
「グレン凄いね!それ難しいんだよ」
「えへへ、でもとらきちさんみたいにきれいにできなかったです」
皿に盛り付けられたオムレツはちょっと歪な形に変形しており、所々具材がはみ出している。
「それでも凄いよ!初めてやったんでしょ!?」
「うむ、グレンには料理の才能があるな。これからは俺と一緒に料理をやってみないか?」
「やりたいです!」
「ちょっと寅吉!抜け駆け!」
「グレンがやりたいなら仕方ないだろ」
「うっ……」
「それより、冷める前に早く食べよう」
折角の温かい食事を冷ましてしまうのは勿体無いと、3人は食卓へとつく。
「どうする?私のと交換する?」
「これがいいです!」
クレアは自分のオムレツと交換しようかとていあんするが、グレンは自分で作ったものがいいと譲らない。
「ぼくが、じぶんでつくったものがいいです」
「にゃ、そうだよな」
「そっかそうだよねー」
どんなに崩れてても、自分の手で作った初めてのオムレツ。
食べないわけにはいかないだろう。
「それでは」
「「「いただきます!」」」
食卓を囲む声が響く。
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