493 / 580
第17章 夏、季節外れの嵐が通り過ぎます
第489話 いきなり壁にぶつかりました
しおりを挟む
急遽セリカちゃんを一冬預かることとなった私は、家庭教師のカミラさんに指導をお願いすることにしました。
館に戻り、子供達と一緒にいたカミラさんにセリカちゃんを紹介し、事情を説明すると。
「まあ、自分から読み書きを習いたいと言ったのかい。
農村部には珍しい感心な心掛けですこと。
えらいわ、セリカちゃん。
私は、カミラと言って、ここにいる子供達に色々と手解きをしているのよ。
読み書き算術だけじゃなくて、言葉遣いや礼儀作法、それに生きていくための知恵とか。
来春まで、半年も無いけど、私達と一緒に勉強しましょうね。」
私の説明を聞いたカミラさんは、大変感心してセリカちゃんを勉強に誘いました。
「セリカちゃん、こういう時は何て言うんだっけ?」
そこへナナちゃんが、問い掛けると。
「こんにちは、セリカといいます。
よろしく、おねがいします。」
ナナちゃんに促されて、セリカちゃんはペコリと頭を下げました。
「おやまあ、ナナちゃんは読み書きだけじゃなくて挨拶の仕方も教えていたのかい。
ちゃんと挨拶できるなんて、ますます感心だわ。」
セリカちゃんの挨拶の仕草に、カミラさんは思わず破顔しています。
「はい、うちの村、大人たちは朝昼晩問わず『まいど!』なんです。
子供の言葉遣いってどうしても、大人のマネをしちゃうものですから。
みんな、何時でも、誰にでも、挨拶は『まいど!』なんです。
ノノお姉ちゃんがまだ村にいた頃、たまたま村長さんとお役人さんの話を耳にして。
村長さんに、話の最初に交わした言葉は何かと尋ねたんです。
その時ノノお姉ちゃんは、村長さんから挨拶の仕方を教えてもらいました。
それ以来、うちではキチンと挨拶できるようにしようと言うことになったのです。
挨拶は円滑な会話を交わすための基本だと村長さんから教わったようですので。」
ナナちゃんも、ノノちゃんからそう教えられていたそうで。
セリカちゃん達三人にも、一番最初にきちんとした挨拶ができるように指導したそうです。
村に私が頻繁に訪れるようになって、『まいど!』では拙いと思ったようです。
私の契約精霊のノミーちゃんの挨拶は何時でも『まいど!』ですが…。
ただ、村ではそんな挨拶をする機会が無く、三人が忘れてしまうのではないかと心配だったそうです。
ちなみに、弟君達二人には、毎朝刷り込みのように『おはよう』と言って起こし。
『お休み』と言って寝かしつけているため、すっかり身についているようです。
下の弟君は、「こんな言葉誰も使ってないよ」といって不満そうにしていたそうです。
*******
それから、カミラさんは、うちの子達をセリカちゃんに紹介したのですが。
そこで、思わぬことが起こります。と言っても本来は予測できたことなのですが。
「こんにちは、セリカちゃん。
私はロコと言います。よろしくお願いしますね。」
「???????」
ロコちゃんが自己紹介すると、セリカちゃんはポカンとしてしまいました。
「あっ、セリカちゃん、ゴメンね。
セリカちゃんには、ロコちゃんの言葉が分からなったよね。
ロコちゃんは今、『こんにちは』と言って自己紹介したの。
世の中には色々な言葉があって、住んでいる場所によって違う言葉を話しているの。
ロコちゃんは、アルビオン王国で生まれ育ったからアルビオン語を話すの。
アルビオンってのは、今セリカちゃんが着ている服を買ってもらった場所よ。」
「言葉が違う?
じゃあ、セリカ、みんなとお話しできないの?」
セリカちゃんが悲しそうな声で問い掛けてきました。
そう、言葉が通じないのです。
今まで、この館にいた子供はというと。
アリィシャちゃんは、『流浪の民』の子供で一座は大陸の各地を興行して旅していました。
そのため、片言ではありましたが、出会った時から帝国語とセルベチア語それにロマリア語まで話せたのです。
引き取ってから丸四年が過ぎ、当時五、六歳だったアリィシャちゃんも成長に伴い言葉遣いがしっかりしてきました。
そして、冬の間、アルビオン王国で過ごす間にアルビオン語も覚えるようになり。
今ではロコちゃん達と何の不自由もなく会話を交わしています。
一方で、ロコちゃん、プリムちゃん、サリー、エリーの四人はというと。
小さな頃からカミラさんの指導を受けていたロコちゃんを除き、母国語のアルビオン語ですら拙いのです。
今、カミラさんが、アルビオン語の言葉遣いや語彙を教えている最中です。
とても、帝国語にまで手が回りません。両方教えようものなら混乱してしまいますから。
なので、幾つもの言葉が話せるアリィシャちゃんが、四人に合わせてアルビオン語で会話をしてきました。
ちなみに、ナナちゃんは本人のたっての希望で、前回預かった冬の間アルビオン語を教えていました。
なので、片言ですが、意思疎通が可能な程度にはアルビオン語を使うことが出来ます。
この館の中で、会話に齟齬が生じてなかったので、セリカちゃんに言葉の壁がある事を失念していました。
これは、完全に私の配慮が足りませんでした。
子供が六人もいる中で、一人だけ言葉が通じないと孤立させてしまうかも知れません。
冬の間、寂しい思いをさせて心に傷を負わせることになったら困るなと思っていたのですが。
「こんにちは、わたし、えりー。」
エリーが、自分の知っている数少ない帝国語でセリカちゃんに話しかけました。
もちろん、まだ四歳くらいで母国語を話すこと自体がおぼつかないエリーに帝国語を教える訳がありません。
この子は、おじいさまの膝の上がお気に入りで、私が不在にしている日中よくおじいさまと一緒に過ごしています。
皇帝一族の嗜みで、おじいさまは多言語を流暢に操りますが、侍女のベルタさんが話しかける時はたいていが帝国語です。
もちろん、私もおじいさまと交わす会話は帝国語です。
おじいさまも、膝に抱えたエリーに帝国語の挨拶の仕方を教えたりもしていた様子で、幾つかの帝国語を覚えました。
もちろん、それで会話できる訳ではありません。
ですが、この場は幼いエリーが帝国語を使って、挨拶をしてきたことがセリカちゃんには嬉しかったようです。
先程までの悲しそうな顔とうって変わり笑顔になり、エリーに言葉を返していました。
「エリーちゃんって言うの?
わたし、セリカ、よろしくね。」
その言葉と共に、セリカちゃんはエリーの頭をナデナデしたのですが、エリーはそれがとても嬉しいようでした。
これ以降、エリーはセリカちゃんに懐くこととなり、冬の間良く一緒に遊んでいました。
「ねえ、ナナお姉ちゃん、セリカもエリーちゃんとお話ができるようになるかな?」
エリーの頭を撫でながら、セリカちゃんが尋ねると。
「そうねえ、先ずは母国語の帝国語の正しい言葉遣いを習うことが優先だけど。
片言で意思疎通するくらいなら、冬の間に出来るようになるかも。
私も去年の冬、そうだったから。
アルビオン王国へ行ったら冬休みのノノお姉ちゃんも合流するから教えてもらえば良いわ。
カミラさんもお願いすれば教えてくれると思うし。
でも、先ずは正しい帝国語の使い方を覚えましょう。
うちの村の言葉遣いは少し変だから。
貴族の方とお話する時に失礼な言葉遣いをしてしまうと拙いからね。」
ナナちゃんはそんな返事をしていました。
ノノちゃん姉妹は言葉遣いが比較的良いのですが。
たしかに、あの村の人達、こと少年の言葉遣いは酷いです。
ナナちゃんの言葉は全くその通りだと思います。
ただ、この時、セリカちゃんは思ったそうです、「言葉の壁を乗り越えよう」と。
ここの子供達の輪に入るために。
向上心のある事は良いことだと思います。
館に戻り、子供達と一緒にいたカミラさんにセリカちゃんを紹介し、事情を説明すると。
「まあ、自分から読み書きを習いたいと言ったのかい。
農村部には珍しい感心な心掛けですこと。
えらいわ、セリカちゃん。
私は、カミラと言って、ここにいる子供達に色々と手解きをしているのよ。
読み書き算術だけじゃなくて、言葉遣いや礼儀作法、それに生きていくための知恵とか。
来春まで、半年も無いけど、私達と一緒に勉強しましょうね。」
私の説明を聞いたカミラさんは、大変感心してセリカちゃんを勉強に誘いました。
「セリカちゃん、こういう時は何て言うんだっけ?」
そこへナナちゃんが、問い掛けると。
「こんにちは、セリカといいます。
よろしく、おねがいします。」
ナナちゃんに促されて、セリカちゃんはペコリと頭を下げました。
「おやまあ、ナナちゃんは読み書きだけじゃなくて挨拶の仕方も教えていたのかい。
ちゃんと挨拶できるなんて、ますます感心だわ。」
セリカちゃんの挨拶の仕草に、カミラさんは思わず破顔しています。
「はい、うちの村、大人たちは朝昼晩問わず『まいど!』なんです。
子供の言葉遣いってどうしても、大人のマネをしちゃうものですから。
みんな、何時でも、誰にでも、挨拶は『まいど!』なんです。
ノノお姉ちゃんがまだ村にいた頃、たまたま村長さんとお役人さんの話を耳にして。
村長さんに、話の最初に交わした言葉は何かと尋ねたんです。
その時ノノお姉ちゃんは、村長さんから挨拶の仕方を教えてもらいました。
それ以来、うちではキチンと挨拶できるようにしようと言うことになったのです。
挨拶は円滑な会話を交わすための基本だと村長さんから教わったようですので。」
ナナちゃんも、ノノちゃんからそう教えられていたそうで。
セリカちゃん達三人にも、一番最初にきちんとした挨拶ができるように指導したそうです。
村に私が頻繁に訪れるようになって、『まいど!』では拙いと思ったようです。
私の契約精霊のノミーちゃんの挨拶は何時でも『まいど!』ですが…。
ただ、村ではそんな挨拶をする機会が無く、三人が忘れてしまうのではないかと心配だったそうです。
ちなみに、弟君達二人には、毎朝刷り込みのように『おはよう』と言って起こし。
『お休み』と言って寝かしつけているため、すっかり身についているようです。
下の弟君は、「こんな言葉誰も使ってないよ」といって不満そうにしていたそうです。
*******
それから、カミラさんは、うちの子達をセリカちゃんに紹介したのですが。
そこで、思わぬことが起こります。と言っても本来は予測できたことなのですが。
「こんにちは、セリカちゃん。
私はロコと言います。よろしくお願いしますね。」
「???????」
ロコちゃんが自己紹介すると、セリカちゃんはポカンとしてしまいました。
「あっ、セリカちゃん、ゴメンね。
セリカちゃんには、ロコちゃんの言葉が分からなったよね。
ロコちゃんは今、『こんにちは』と言って自己紹介したの。
世の中には色々な言葉があって、住んでいる場所によって違う言葉を話しているの。
ロコちゃんは、アルビオン王国で生まれ育ったからアルビオン語を話すの。
アルビオンってのは、今セリカちゃんが着ている服を買ってもらった場所よ。」
「言葉が違う?
じゃあ、セリカ、みんなとお話しできないの?」
セリカちゃんが悲しそうな声で問い掛けてきました。
そう、言葉が通じないのです。
今まで、この館にいた子供はというと。
アリィシャちゃんは、『流浪の民』の子供で一座は大陸の各地を興行して旅していました。
そのため、片言ではありましたが、出会った時から帝国語とセルベチア語それにロマリア語まで話せたのです。
引き取ってから丸四年が過ぎ、当時五、六歳だったアリィシャちゃんも成長に伴い言葉遣いがしっかりしてきました。
そして、冬の間、アルビオン王国で過ごす間にアルビオン語も覚えるようになり。
今ではロコちゃん達と何の不自由もなく会話を交わしています。
一方で、ロコちゃん、プリムちゃん、サリー、エリーの四人はというと。
小さな頃からカミラさんの指導を受けていたロコちゃんを除き、母国語のアルビオン語ですら拙いのです。
今、カミラさんが、アルビオン語の言葉遣いや語彙を教えている最中です。
とても、帝国語にまで手が回りません。両方教えようものなら混乱してしまいますから。
なので、幾つもの言葉が話せるアリィシャちゃんが、四人に合わせてアルビオン語で会話をしてきました。
ちなみに、ナナちゃんは本人のたっての希望で、前回預かった冬の間アルビオン語を教えていました。
なので、片言ですが、意思疎通が可能な程度にはアルビオン語を使うことが出来ます。
この館の中で、会話に齟齬が生じてなかったので、セリカちゃんに言葉の壁がある事を失念していました。
これは、完全に私の配慮が足りませんでした。
子供が六人もいる中で、一人だけ言葉が通じないと孤立させてしまうかも知れません。
冬の間、寂しい思いをさせて心に傷を負わせることになったら困るなと思っていたのですが。
「こんにちは、わたし、えりー。」
エリーが、自分の知っている数少ない帝国語でセリカちゃんに話しかけました。
もちろん、まだ四歳くらいで母国語を話すこと自体がおぼつかないエリーに帝国語を教える訳がありません。
この子は、おじいさまの膝の上がお気に入りで、私が不在にしている日中よくおじいさまと一緒に過ごしています。
皇帝一族の嗜みで、おじいさまは多言語を流暢に操りますが、侍女のベルタさんが話しかける時はたいていが帝国語です。
もちろん、私もおじいさまと交わす会話は帝国語です。
おじいさまも、膝に抱えたエリーに帝国語の挨拶の仕方を教えたりもしていた様子で、幾つかの帝国語を覚えました。
もちろん、それで会話できる訳ではありません。
ですが、この場は幼いエリーが帝国語を使って、挨拶をしてきたことがセリカちゃんには嬉しかったようです。
先程までの悲しそうな顔とうって変わり笑顔になり、エリーに言葉を返していました。
「エリーちゃんって言うの?
わたし、セリカ、よろしくね。」
その言葉と共に、セリカちゃんはエリーの頭をナデナデしたのですが、エリーはそれがとても嬉しいようでした。
これ以降、エリーはセリカちゃんに懐くこととなり、冬の間良く一緒に遊んでいました。
「ねえ、ナナお姉ちゃん、セリカもエリーちゃんとお話ができるようになるかな?」
エリーの頭を撫でながら、セリカちゃんが尋ねると。
「そうねえ、先ずは母国語の帝国語の正しい言葉遣いを習うことが優先だけど。
片言で意思疎通するくらいなら、冬の間に出来るようになるかも。
私も去年の冬、そうだったから。
アルビオン王国へ行ったら冬休みのノノお姉ちゃんも合流するから教えてもらえば良いわ。
カミラさんもお願いすれば教えてくれると思うし。
でも、先ずは正しい帝国語の使い方を覚えましょう。
うちの村の言葉遣いは少し変だから。
貴族の方とお話する時に失礼な言葉遣いをしてしまうと拙いからね。」
ナナちゃんはそんな返事をしていました。
ノノちゃん姉妹は言葉遣いが比較的良いのですが。
たしかに、あの村の人達、こと少年の言葉遣いは酷いです。
ナナちゃんの言葉は全くその通りだと思います。
ただ、この時、セリカちゃんは思ったそうです、「言葉の壁を乗り越えよう」と。
ここの子供達の輪に入るために。
向上心のある事は良いことだと思います。
2
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
田舎娘、追放後に開いた小さな薬草店が国家レベルで大騒ぎになるほど大繁盛
タマ マコト
ファンタジー
【大好評につき21〜40話執筆決定!!】
田舎娘ミントは、王都の名門ローズ家で地味な使用人薬師として働いていたが、令嬢ローズマリーの嫉妬により濡れ衣を着せられ、理不尽に追放されてしまう。雨の中ひとり王都を去ったミントは、亡き祖母が残した田舎の小屋に戻り、そこで薬草店を開くことを決意。森で倒れていた謎の青年サフランを救ったことで、彼女の薬の“異常な効き目”が静かに広まりはじめ、村の小さな店《グリーンノート》へ、変化の風が吹き込み始める――。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシェリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?
ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。
旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。
前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。
ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。
「この家は、もうすぐ潰れます」
家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。
手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる