185 / 508
第7章 二度目の夏休み、再び帝国へ
第184話 ゲヴィッセン子爵
しおりを挟む
王都へ着いたわたし達は学園の寮へ帰る北部組と別れてミルトさんに会うため直接王宮に向かった。
今日帰ることを事前に知らせてあったためミルトさんは私室でわたし達の帰りを待ってたよ。
「お帰りなさい、フローラ。久し振りの別荘は楽しめたかしら。
向こうでウンディーネ様に会ったんですって、私もお会いしたかったわ。」
「ええ、お母様、今回は友達もたくさんいたので、とっても楽しく過ごせましたわ。」
ミルトさんの勧めでソファーに腰掛けたカリーナちゃんは戸惑いの表情を露わにしている。
腰掛ける位置が明らかにおかしい…。
本来フローラちゃんが座るはずのミルトさんの両隣には当たり前のようにスイとミドリが座っており、ヒカリに至ってはミルトさんの膝の上に座っている。
カリーナちゃんが困惑する様子を見て取ったミルトさんが言う。
「あなたが、ゲヴィッセン子爵のお嬢さん、カリーナさんですか。
初めまして皇太子妃のミルトです。楽にしてちょうだいね。
それと、この娘たちはプライベートな空間ではいつもこんな感じなので気にしないでちょうだい。」
そういわれても、自分よりかなり年上に見える少女三人が幼子のようにミルトさんにべったりと引っ付いているのを見て気にするなというのは無理だと思う。特に事情を知らない人は。
「それでお母様、通信機で報告したとおりカリーナちゃんにはしばらく私の寮に住んでもらいたいと思うのですが。」
「そうね、カリーナさんが納得しているのであればそのほうがいいわね。
アロガンツ家との縁談話がなくなるまではこちらで保護したほうが良いと思うわ。
実は、そのことを相談しようと思ってゲヴィッセン子爵をお招きしてあるのよ。
カリーナちゃんも何ヶ月もお父様に会えなくて寂しかったでしょう。」
ミルトさんがそう言うと側に控えていた侍女が部屋から出て行き、ほどなくして壮年の紳士を伴って戻って来た。
やや癖のある栗毛色の髪の毛、薄茶色の虹彩がカリーナちゃんと同じで、いかにも親子とわかる容貌を持つ優しそうなおじさまだ。
「カリーナ、よく無事に帰ってきてくれた。
馬車の事故で怪我をしたと聞いた時は気が気でなかったよ。
フローラ殿下の一行の方に治療してもらったそうだね。
その方はこちらにおられるのかい?」
カリーナちゃんの無事を喜ぶゲヴィッセン子爵の問いにカリーナちゃんはハンナちゃんの手を取って言った。
「こちらのハンナさんが治してくれたのです。
私と同じ歳なのに凄い治癒術を使えるのです。
お友達になったのですよ。」
「ああ、君がカリーナを治療してくれたのか、有り難うこの恩は一生忘れないよ。
ミルト殿下から聞いているよ下町のご婦人達のアイドルだって。
まだ小さいのに本当に凄いんだね。」
カリーナちゃんから紹介されたハンナちゃんにゲヴィッセン子爵は深々と頭を下げた。
子供、しかも平民の子供に頭が下げられるなんてフローラちゃんの言う通り本当に誠実な人なんだね。
**********
ミルトさんと対面してカリーナちゃんの隣に腰掛けたゲヴィッセン子爵に対し、ミルトさんは言う。
「厄介な貴族に絡まれているようですね。主人に一言相談してもらえばよかったのに。」
「いえ、私事に王族の方のお手を煩わすわけには参りません。
今回は図らずも家の恥を晒してしまったみたいで面目次第もございません。」
「いいえ、あなたのことは主人から良く伺っております。
主人が王位に着いたときに、主人を支えてくれる人の一人だと。
そんな優秀な人にアロガンツ家ごときの手垢をつけられるわけには参りません。」
ミルトさんはそういうとゲヴィッセン子爵に対し縁談を断るために協力したいと言った。
そして、カリーナちゃんをフローラちゃんの側仕えにすることを含みでフローラちゃんのもとに行儀見習いに出すように勧めた。
「もったいないお言葉です。
しかし、カリーナはまだ六歳です。
海のものとも山のものとも知れない身、早々と王族の側仕えに決めてしまうのは荷が重過ぎるかと存じます。」
「さすが、主人が見込んだだけのことはございますね。分別をわきまえてらっしゃる。
カリーナさんもそれだけのものをお持ちだとフローラから聞いております。
将来、フローラを支える一人になってもらえればと思っているのは本当です。
ただ、今回に限って言えばそれは縁談を断るための方便です、実際にカリーナちゃんにして欲しいのは別のことです。」
そう言ってミルトさんは、カリーナちゃんに期待するのはハンナちゃんの遊び相手であることを告げる。
学園に入学するまでの間、ハンナちゃんと一緒に遊ぶだけでなく、一緒に勉強もして欲しいと希望した。一流の家庭教師をつけると約束していたけど、それってフェイさん達のことだよね。
そして、二年後には一緒に学園に入学してハンナちゃんの助けになって欲しいと言った。
「もちろん、その間の生活費は全て王家で支給しますわ。また、学園に入学が決まれば学費一切も王家で負担いたします。」
最後にそう締めたミルトさんにゲヴィッセン子爵は困惑気味だった。
「大変有り難いお話なのですが、ハンナさんの遊び相手、学友ですか?
差し支えなければお聞かせ願いたいのですが、ハンナさんとはいったい?」
そうだよね、初めて知った子の遊び相手に破格の高待遇を示されたら誰だって聞きたいよね。
「これから申し上げることはごく一部の者しか知らないことです。口外することを禁じます、よろしいですか。」
ミルトさんは頷くゲヴィッセン子爵を確認して話を続けた。
「ゲヴィッセン子爵、あなたはここにいる私の娘三人が大精霊様に託されたと言うことは聞いておりますよね。
実は、もう三人大精霊様からお預かりしている子供がいるのです。
それが、ここにいる三人です。この三人は王宮に入るよりも市井で学ぶことを望み、今学園の寮に住んでいます。
年長の二人がターニャちゃんとミーナちゃんと言い、フローラの病気を治してくれたのですよ。
ある意味、この三人は王族よりも重要人物なのです。
邪な心を持つ貴族連中が寄ってこないように内密にしているのです。」
にわかには信じ難い話なんだろうけど、ミルトさんの真剣な眼差しをみたゲヴィッセン子爵は信じることにしたみたい。
「わかりました。大変大切なお役目をちょうだいし、身に余る光栄です。
娘が引き受けたいと言うのであれば、お受けさせていただきます。
どうなんだい、カリーナ?」
「はい、私はこのお話をお受けしたいと思います。」
カリーナちゃんの返事を聞いたミルトさんは言った。
「じゃあ、決まりね。カリーナさんには今日からフローラと一緒に住んでもらうわ。
アロガンツ伯爵と話が済むまでは寮から出ないほうが良いわね。
決着がついたら適宜、自宅に帰ってもいいわ。
ずっと両親と離れ離れだと寂しいでしょうし、その辺はフローラと相談してちょうだい。
それじゃあ、子爵、私達大人はアロガンツ伯爵家との縁談の件をサッサと片付けることにしましょうか。」
今日帰ることを事前に知らせてあったためミルトさんは私室でわたし達の帰りを待ってたよ。
「お帰りなさい、フローラ。久し振りの別荘は楽しめたかしら。
向こうでウンディーネ様に会ったんですって、私もお会いしたかったわ。」
「ええ、お母様、今回は友達もたくさんいたので、とっても楽しく過ごせましたわ。」
ミルトさんの勧めでソファーに腰掛けたカリーナちゃんは戸惑いの表情を露わにしている。
腰掛ける位置が明らかにおかしい…。
本来フローラちゃんが座るはずのミルトさんの両隣には当たり前のようにスイとミドリが座っており、ヒカリに至ってはミルトさんの膝の上に座っている。
カリーナちゃんが困惑する様子を見て取ったミルトさんが言う。
「あなたが、ゲヴィッセン子爵のお嬢さん、カリーナさんですか。
初めまして皇太子妃のミルトです。楽にしてちょうだいね。
それと、この娘たちはプライベートな空間ではいつもこんな感じなので気にしないでちょうだい。」
そういわれても、自分よりかなり年上に見える少女三人が幼子のようにミルトさんにべったりと引っ付いているのを見て気にするなというのは無理だと思う。特に事情を知らない人は。
「それでお母様、通信機で報告したとおりカリーナちゃんにはしばらく私の寮に住んでもらいたいと思うのですが。」
「そうね、カリーナさんが納得しているのであればそのほうがいいわね。
アロガンツ家との縁談話がなくなるまではこちらで保護したほうが良いと思うわ。
実は、そのことを相談しようと思ってゲヴィッセン子爵をお招きしてあるのよ。
カリーナちゃんも何ヶ月もお父様に会えなくて寂しかったでしょう。」
ミルトさんがそう言うと側に控えていた侍女が部屋から出て行き、ほどなくして壮年の紳士を伴って戻って来た。
やや癖のある栗毛色の髪の毛、薄茶色の虹彩がカリーナちゃんと同じで、いかにも親子とわかる容貌を持つ優しそうなおじさまだ。
「カリーナ、よく無事に帰ってきてくれた。
馬車の事故で怪我をしたと聞いた時は気が気でなかったよ。
フローラ殿下の一行の方に治療してもらったそうだね。
その方はこちらにおられるのかい?」
カリーナちゃんの無事を喜ぶゲヴィッセン子爵の問いにカリーナちゃんはハンナちゃんの手を取って言った。
「こちらのハンナさんが治してくれたのです。
私と同じ歳なのに凄い治癒術を使えるのです。
お友達になったのですよ。」
「ああ、君がカリーナを治療してくれたのか、有り難うこの恩は一生忘れないよ。
ミルト殿下から聞いているよ下町のご婦人達のアイドルだって。
まだ小さいのに本当に凄いんだね。」
カリーナちゃんから紹介されたハンナちゃんにゲヴィッセン子爵は深々と頭を下げた。
子供、しかも平民の子供に頭が下げられるなんてフローラちゃんの言う通り本当に誠実な人なんだね。
**********
ミルトさんと対面してカリーナちゃんの隣に腰掛けたゲヴィッセン子爵に対し、ミルトさんは言う。
「厄介な貴族に絡まれているようですね。主人に一言相談してもらえばよかったのに。」
「いえ、私事に王族の方のお手を煩わすわけには参りません。
今回は図らずも家の恥を晒してしまったみたいで面目次第もございません。」
「いいえ、あなたのことは主人から良く伺っております。
主人が王位に着いたときに、主人を支えてくれる人の一人だと。
そんな優秀な人にアロガンツ家ごときの手垢をつけられるわけには参りません。」
ミルトさんはそういうとゲヴィッセン子爵に対し縁談を断るために協力したいと言った。
そして、カリーナちゃんをフローラちゃんの側仕えにすることを含みでフローラちゃんのもとに行儀見習いに出すように勧めた。
「もったいないお言葉です。
しかし、カリーナはまだ六歳です。
海のものとも山のものとも知れない身、早々と王族の側仕えに決めてしまうのは荷が重過ぎるかと存じます。」
「さすが、主人が見込んだだけのことはございますね。分別をわきまえてらっしゃる。
カリーナさんもそれだけのものをお持ちだとフローラから聞いております。
将来、フローラを支える一人になってもらえればと思っているのは本当です。
ただ、今回に限って言えばそれは縁談を断るための方便です、実際にカリーナちゃんにして欲しいのは別のことです。」
そう言ってミルトさんは、カリーナちゃんに期待するのはハンナちゃんの遊び相手であることを告げる。
学園に入学するまでの間、ハンナちゃんと一緒に遊ぶだけでなく、一緒に勉強もして欲しいと希望した。一流の家庭教師をつけると約束していたけど、それってフェイさん達のことだよね。
そして、二年後には一緒に学園に入学してハンナちゃんの助けになって欲しいと言った。
「もちろん、その間の生活費は全て王家で支給しますわ。また、学園に入学が決まれば学費一切も王家で負担いたします。」
最後にそう締めたミルトさんにゲヴィッセン子爵は困惑気味だった。
「大変有り難いお話なのですが、ハンナさんの遊び相手、学友ですか?
差し支えなければお聞かせ願いたいのですが、ハンナさんとはいったい?」
そうだよね、初めて知った子の遊び相手に破格の高待遇を示されたら誰だって聞きたいよね。
「これから申し上げることはごく一部の者しか知らないことです。口外することを禁じます、よろしいですか。」
ミルトさんは頷くゲヴィッセン子爵を確認して話を続けた。
「ゲヴィッセン子爵、あなたはここにいる私の娘三人が大精霊様に託されたと言うことは聞いておりますよね。
実は、もう三人大精霊様からお預かりしている子供がいるのです。
それが、ここにいる三人です。この三人は王宮に入るよりも市井で学ぶことを望み、今学園の寮に住んでいます。
年長の二人がターニャちゃんとミーナちゃんと言い、フローラの病気を治してくれたのですよ。
ある意味、この三人は王族よりも重要人物なのです。
邪な心を持つ貴族連中が寄ってこないように内密にしているのです。」
にわかには信じ難い話なんだろうけど、ミルトさんの真剣な眼差しをみたゲヴィッセン子爵は信じることにしたみたい。
「わかりました。大変大切なお役目をちょうだいし、身に余る光栄です。
娘が引き受けたいと言うのであれば、お受けさせていただきます。
どうなんだい、カリーナ?」
「はい、私はこのお話をお受けしたいと思います。」
カリーナちゃんの返事を聞いたミルトさんは言った。
「じゃあ、決まりね。カリーナさんには今日からフローラと一緒に住んでもらうわ。
アロガンツ伯爵と話が済むまでは寮から出ないほうが良いわね。
決着がついたら適宜、自宅に帰ってもいいわ。
ずっと両親と離れ離れだと寂しいでしょうし、その辺はフローラと相談してちょうだい。
それじゃあ、子爵、私達大人はアロガンツ伯爵家との縁談の件をサッサと片付けることにしましょうか。」
19
あなたにおすすめの小説
[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
【完結】魔術師なのはヒミツで薬師になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
ティモシーは、魔術師の少年だった。人には知られてはいけないヒミツを隠し、薬師(くすし)の国と名高いエクランド国で薬師になる試験を受けるも、それは年に一度の王宮専属薬師になる試験だった。本当は普通の試験でよかったのだが、見事に合格を果たす。見た目が美少女のティモシーは、トラブルに合うもまだ平穏な方だった。魔術師の組織の影がちらつき、彼は次第に大きな運命に飲み込まれていく……。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
俺のスキルが回復魔『法』じゃなくて、回復魔『王』なんですけど?
八神 凪
ファンタジー
ある日、バイト帰りに熱血アニソンを熱唱しながら赤信号を渡り、案の定あっけなくダンプに轢かれて死んだ
『壽命 懸(じゅみょう かける)』
しかし例によって、彼の求める異世界への扉を開くことになる。
だが、女神アウロラの陰謀(という名の嫌がらせ)により、異端な「回復魔王」となって……。
異世界ペンデュース。そこで彼を待ち受ける運命とは?
病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。
もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。
【完結】追放された転生聖女は、無手ですべてを粉砕する
ゆきむらちひろ
ファンタジー
「祈るより、殴る方が早いので」
ひとりの脳筋聖女が、本人にまったくその気がないまま、緻密に練られたシリアスな陰謀を片っ端から台無しにしていく痛快無比なアクションコメディ。
■あらすじ
聖女セレスティアは、その類稀なる聖なる力(物理)ゆえに王都から追放された。
実は彼女には前世の記憶があって、平和な日本で暮らしていたしがないOLだった。
そして今世にて、神に祈りを捧げる乙女として王国に奉仕する聖女に転生。
だがなぜかその身に宿ったのは治癒の奇跡ではなく、岩をも砕く超人的な筋力だった。
儀式はすっぽかす。祈りの言葉は覚えられない。挙句の果てには、神殿に押し入った魔物を祈祷ではなくラリアットで撃退する始末。
そんな彼女に愛想を尽かした王国は、新たに現れた完璧な治癒能力を持つ聖女リリアナを迎え入れ、セレスティアを「偽りの聖女」として追放する。
「まあ、田舎でスローライフも悪くないか」
追放された本人はいたって能天気。行く先も分からぬまま彼女は新天地を求めて旅に出る。
しかし、彼女の行く手には、王国転覆を狙う宰相が仕組んだシリアスな陰謀の影が渦巻いていた。
「お嬢さん、命が惜しければこの密書を……」
「話が長い! 要点は!? ……もういい、面倒だから全員まとめてかかってこい!」
刺客の脅しも、古代遺跡の難解な謎も、国家を揺るがす秘密の会合も、セレスティアはすべてを「考えるのが面倒くさい」の一言で片付け、その剛腕で粉砕していく。
果たしてセレスティアはスローライフを手にすることができるのか……。
※「小説家になろう」、「カクヨム」、「アルファポリス」に同内容のものを投稿しています。
※この作品以外にもいろいろと小説を投稿しています。よろしければそちらもご覧ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる