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隠し事

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 「エール教えてくれ‼︎」
 「......」
 「エール‼︎」
 「私はエールじゃない。ユリスよ」
 「君はまた何も教えてはくれないんだね」
 「......」
 そう言ったデュールは悲しそうな顔をしていた。
 まだ言えない。陛下がなにをしてくるのかわからない今、下手なことを出来ない。私は誰かを頼ることはしたくない。巻き込みたくない。巻き込めない。
 数日後
 「ユリスよ。いつまで抵抗するつもりだ?」
 「......」
 あんたのために力を使うのはもうやめにするわ。誰も不幸にはさせない‼︎
 「はぁー。まぁ俺には最強兵器があるからいいか」
 最強兵器?
 「君も見るか?」
 「......」
 「入れ」
 ドボッドボッドボッドボッ
 「......」
 私は目の前の兵器を見て正気を失いそうになった。だって目の前には
 「君が来る前に死んだエールって言う魔術師だ」
 「あ......ああ......あああ」
 死んだあの日や痛みが脳裏にフラッシュバックした。
 「まぁ俺だけに反応して俺だけの最強兵器だ。いわば奴隷だ」
 「......」
 もう声すら出ない。死者を蘇生したってこと?酷い匂い。
 「う......ゔぅぅえぇぇ⁉︎」
 「ぐふふ。君もいつかああなるかもなぁ?」
 このままにはしておかない‼︎私がなんとなしなきゃ。私が招いたことなんだから!
 「......光あらぬ者のよ。我と共に光をとどめきたまえ」
 「は?」
 これは光属性と闇属性を合わせた魔法⁉︎何故今そんなもの使うのだ?
 お願い。上手くいって‼︎いくら私じゃないってわかってても精神的にやられる!そう。私になかった属性は光なのだ。光だけは使えなかった。でもユリスは全属性持ちだから使える。陛下に隠していたのは光属性がないという事だけ。悪いわね。私も自分の死体が誰かを殺すところなんて見たくない‼︎
 「や、やめろ⁉︎やめるのだ‼︎俺の最高傑作の最強兵器になにをするのだ‼︎」
 「......」
 私の死体?はぐずぐずになって崩れ落ちた。
 「ゆ、許さんぞ」
 「......許さない?は?そんなのこっちの台詞よ」
 「は?なに言って......」
 「あんたのために魔法を使う気はさらさらないわ!あんたが皇帝ならその座を引き摺り下ろしてあげるわ。私はあんたを許さない。絶対に」
 「......」
 「未来永劫。なにがあろうとあんたがどんなにいい行いをしても許さないから」
 そう強く思った。もう止まらない。止められない。私の復讐はきっと陛下を殺すまでは止まらないのだろう。そう思った。
 「エール」
 私はまだ知らなかった。デュールは私に......をしていることに。気付きもしなかった。もっと早く知っていればまた未来が変わったかもしれない。そう思わずにはいられなかった。
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