私もう二度と貴方と関わりたくない

上野佐栁

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反撃

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 「あんたは皇帝陛下失格よ?だから私が皇帝陛下になってあげる。あんたを引き摺り下ろしてやるんだから」
 「君はこの俺に皇帝を降りと言っているのか?」
 「えぇ。そうよ。あんたの力じゃ私には勝てない。だから譲るのが聡明な判断よ」
 「くっ!誰が譲るか!貴様を今から此処に幽閉する!二度と日差しに浴びられると思う......」
 バーン
 「......は?」
 「あんた如きに負けるとでも?」
 あんたを殺すまでは止まれない。止まりたくない。あんたが私を殺した事実を未来永劫何があろうと消えない。
 「あのまま大人しく逃してくれていればこんなことにはならなかったのにね?」
 あんだ。この圧は?本当にあのユリスなのか?全属性を持っているから危険だ。だから側に置けばいいと思っていた。なのに......こんなに凶暴なんて......どうしたらいい?
 「き、君は何が目的だ?」
 「あんたがこの世から居なくなることを望むわ」
 「な、何故だ?俺は君に何もしていない?」
 「は?何もしていない?正気?人々を苦しみておきながら......人を利用しておきながら何を抜け抜けと......」
 なんなんだ。なんなんだよ!こいつの怒りは何処から湧いてくるのだ?
 「今日は殺さないであげる。でもじわじわと死ぬ恐怖に怯えて生きなさい。家族に手を出した時点であんたの命はないと思うことね?」
 そう言って私はその場を去った。
 や、やっと言ってやった‼︎
 「はぁ。胸がスッキリとしたわ。あのアールの顔!傑作ね」
 これで私を探すこともないだろ?これで静かに暮らせる。
 ガシャン!
 「くそ!あんな小娘如きに......俺はあいつの魔力を奪い尽くすまで諦めんぞ!」
 あいつが何を言おうと関係ない。必ず俺の目の前で殺してやる!あんな恥をかかせおって!
 皇帝陛下は諦めるどころか逆に燃え上がっている事をユリスは知らない。
 「さぁてと。何処に住もうかなぁ?」
 前に家に戻るのは無理だし......うーん。
 「海の都に行ってみようかなぁ?」
 導かれるかのようにその名前が出て来た。此処からかなり遠いけど、よそ者も歓迎してくれる街だったはず。
 私は胸に期待を踊らせながらその街に進むこと二週間が経過した。
 「ゼェゼェ。お、思っていたよりも長い!遠い!」
 もう魔力が!
 グラッ
 「え?やばっ!ぎ、ぎゃあああああ⁉︎」
 ドドドドン!バン!グキッ!バサッドン
 チーン
 「う、うぅぅぅ」
 目の前が暗い。そのまま私は気を失った。
 「ん?珍しいな?こんなところに少女が倒れておるで?」
 「これはホウキか?旅人だろ?」
 「ほっとけよ?」
 「いいや。わいが見るにかなりの魔力を使って尽きおったで!だから寝ませんだあかん」
 「お前お人好しだな」
 「まぁ勝手にしろ」
 「ほら行くで!」
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