5 / 5
反撃
しおりを挟む
「あんたは皇帝陛下失格よ?だから私が皇帝陛下になってあげる。あんたを引き摺り下ろしてやるんだから」
「君はこの俺に皇帝を降りと言っているのか?」
「えぇ。そうよ。あんたの力じゃ私には勝てない。だから譲るのが聡明な判断よ」
「くっ!誰が譲るか!貴様を今から此処に幽閉する!二度と日差しに浴びられると思う......」
バーン
「......は?」
「あんた如きに負けるとでも?」
あんたを殺すまでは止まれない。止まりたくない。あんたが私を殺した事実を未来永劫何があろうと消えない。
「あのまま大人しく逃してくれていればこんなことにはならなかったのにね?」
あんだ。この圧は?本当にあのユリスなのか?全属性を持っているから危険だ。だから側に置けばいいと思っていた。なのに......こんなに凶暴なんて......どうしたらいい?
「き、君は何が目的だ?」
「あんたがこの世から居なくなることを望むわ」
「な、何故だ?俺は君に何もしていない?」
「は?何もしていない?正気?人々を苦しみておきながら......人を利用しておきながら何を抜け抜けと......」
なんなんだ。なんなんだよ!こいつの怒りは何処から湧いてくるのだ?
「今日は殺さないであげる。でもじわじわと死ぬ恐怖に怯えて生きなさい。家族に手を出した時点であんたの命はないと思うことね?」
そう言って私はその場を去った。
や、やっと言ってやった‼︎
「はぁ。胸がスッキリとしたわ。あのアールの顔!傑作ね」
これで私を探すこともないだろ?これで静かに暮らせる。
ガシャン!
「くそ!あんな小娘如きに......俺はあいつの魔力を奪い尽くすまで諦めんぞ!」
あいつが何を言おうと関係ない。必ず俺の目の前で殺してやる!あんな恥をかかせおって!
皇帝陛下は諦めるどころか逆に燃え上がっている事をユリスは知らない。
「さぁてと。何処に住もうかなぁ?」
前に家に戻るのは無理だし......うーん。
「海の都に行ってみようかなぁ?」
導かれるかのようにその名前が出て来た。此処からかなり遠いけど、よそ者も歓迎してくれる街だったはず。
私は胸に期待を踊らせながらその街に進むこと二週間が経過した。
「ゼェゼェ。お、思っていたよりも長い!遠い!」
もう魔力が!
グラッ
「え?やばっ!ぎ、ぎゃあああああ⁉︎」
ドドドドン!バン!グキッ!バサッドン
チーン
「う、うぅぅぅ」
目の前が暗い。そのまま私は気を失った。
「ん?珍しいな?こんなところに少女が倒れておるで?」
「これはホウキか?旅人だろ?」
「ほっとけよ?」
「いいや。わいが見るにかなりの魔力を使って尽きおったで!だから寝ませんだあかん」
「お前お人好しだな」
「まぁ勝手にしろ」
「ほら行くで!」
「君はこの俺に皇帝を降りと言っているのか?」
「えぇ。そうよ。あんたの力じゃ私には勝てない。だから譲るのが聡明な判断よ」
「くっ!誰が譲るか!貴様を今から此処に幽閉する!二度と日差しに浴びられると思う......」
バーン
「......は?」
「あんた如きに負けるとでも?」
あんたを殺すまでは止まれない。止まりたくない。あんたが私を殺した事実を未来永劫何があろうと消えない。
「あのまま大人しく逃してくれていればこんなことにはならなかったのにね?」
あんだ。この圧は?本当にあのユリスなのか?全属性を持っているから危険だ。だから側に置けばいいと思っていた。なのに......こんなに凶暴なんて......どうしたらいい?
「き、君は何が目的だ?」
「あんたがこの世から居なくなることを望むわ」
「な、何故だ?俺は君に何もしていない?」
「は?何もしていない?正気?人々を苦しみておきながら......人を利用しておきながら何を抜け抜けと......」
なんなんだ。なんなんだよ!こいつの怒りは何処から湧いてくるのだ?
「今日は殺さないであげる。でもじわじわと死ぬ恐怖に怯えて生きなさい。家族に手を出した時点であんたの命はないと思うことね?」
そう言って私はその場を去った。
や、やっと言ってやった‼︎
「はぁ。胸がスッキリとしたわ。あのアールの顔!傑作ね」
これで私を探すこともないだろ?これで静かに暮らせる。
ガシャン!
「くそ!あんな小娘如きに......俺はあいつの魔力を奪い尽くすまで諦めんぞ!」
あいつが何を言おうと関係ない。必ず俺の目の前で殺してやる!あんな恥をかかせおって!
皇帝陛下は諦めるどころか逆に燃え上がっている事をユリスは知らない。
「さぁてと。何処に住もうかなぁ?」
前に家に戻るのは無理だし......うーん。
「海の都に行ってみようかなぁ?」
導かれるかのようにその名前が出て来た。此処からかなり遠いけど、よそ者も歓迎してくれる街だったはず。
私は胸に期待を踊らせながらその街に進むこと二週間が経過した。
「ゼェゼェ。お、思っていたよりも長い!遠い!」
もう魔力が!
グラッ
「え?やばっ!ぎ、ぎゃあああああ⁉︎」
ドドドドン!バン!グキッ!バサッドン
チーン
「う、うぅぅぅ」
目の前が暗い。そのまま私は気を失った。
「ん?珍しいな?こんなところに少女が倒れておるで?」
「これはホウキか?旅人だろ?」
「ほっとけよ?」
「いいや。わいが見るにかなりの魔力を使って尽きおったで!だから寝ませんだあかん」
「お前お人好しだな」
「まぁ勝手にしろ」
「ほら行くで!」
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
失踪していた姉が財産目当てで戻ってきました。それなら私は家を出ます
天宮有
恋愛
水を聖水に変える魔法道具を、お父様は人々の為に作ろうとしていた。
それには水魔法に長けた私達姉妹の協力が必要なのに、無理だと考えた姉エイダは失踪してしまう。
私サフィラはお父様の夢が叶って欲しいと力になって、魔法道具は完成した。
それから数年後――お父様は亡くなり、私がウォルク家の領主に決まる。
家の繁栄を知ったエイダが婚約者を連れて戻り、家を乗っ取ろうとしていた。
お父様はこうなることを予想し、生前に手続きを済ませている。
私は全てを持ち出すことができて、家を出ることにしていた。
最愛の番に殺された獣王妃
望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。
彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。
手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。
聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。
哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて――
突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……?
「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」
謎の人物の言葉に、私が選択したのは――
短編 跡継ぎを産めない原因は私だと決めつけられていましたが、子ができないのは夫の方でした
朝陽千早
恋愛
侯爵家に嫁いで三年。
子を授からないのは私のせいだと、夫や周囲から責められてきた。
だがある日、夫は使用人が子を身籠ったと告げ、「その子を跡継ぎとして育てろ」と言い出す。
――私は静かに調べた。
夫が知らないまま目を背けてきた“事実”を、ひとつずつ確かめて。
嘘も責任も押しつけられる人生に別れを告げて、私は自分の足で、新たな道を歩き出す。
そんなに義妹が大事なら、番は解消してあげます。さようなら。
雪葉
恋愛
貧しい子爵家の娘であるセルマは、ある日突然王国の使者から「あなたは我が国の竜人の番だ」と宣言され、竜人族の住まう国、ズーグへと連れて行かれることになる。しかし、連れて行かれた先でのセルマの扱いは散々なものだった。番であるはずのウィルフレッドには既に好きな相手がおり、終始冷たい態度を取られるのだ。セルマはそれでも頑張って彼と仲良くなろうとしたが、何もかもを否定されて終わってしまった。
その内、セルマはウィルフレッドとの番解消を考えるようになる。しかし、「竜人族からしか番関係は解消できない」と言われ、また絶望の中に叩き落とされそうになったその時──、セルマの前に、一人の手が差し伸べられるのであった。
*相手を大事にしなければ、そりゃあ見捨てられてもしょうがないよね。っていう当然の話。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】愛されないと知った時、私は
yanako
恋愛
私は聞いてしまった。
彼の本心を。
私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。
父が私の結婚相手を見つけてきた。
隣の領地の次男の彼。
幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。
そう、思っていたのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる