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王宮の生活
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王宮に来て早一週間。殿下のお世話はなかなか慣れない。というか、殿下は私が思っていたのとは違う。めちゃくちゃ甘えん坊なのだ!
「マリア。俺のそばに居てくれ」
「はい」
クソ可愛い!やばい。マジで鼻血が出る。甘えん坊。しかも美少年。私のハートはいつ破裂してもおかしくない。
「やだ。これ食べたくない」
「食べないと大きくなれませんよ?」
「でもにんじん嫌い」
「食べてください」
「......駄目?」
キューン!
「そ、そんな目で見て来ても......駄目ですよ」
しゅん
「ゔんん!」
「......偉いですね」
可愛すぎるでしょ‼︎何この生き物!最初はかまってほしい子猫ちゃんだったのに、今は甘えん坊の子猫ちゃんになっちゃった!この職場マジで最高!
そんな楽し......充実した生活を送っているが、ひとつだけ嫌な事がある。それは
「ねぇねぇ。最近入ったメイド......マリアだっけ?その子ねぇあの殿下の専属メイドだって!」
「えええ!?嘘!?あの殿下のメイド!?」
「人生終わったじゃん」
「だよねー。あの怪物の皇太子だよ?私なら無理だよ」
「わかる!」
殿下の事を悪く言うのは許せない。私はまだまだ下っ端で何の権力もなくて、殿下を救える力もない。でもそんなふうに言うのは間違ってる。見た目はあれだけど、とっても優しくて甘えん坊さんで、可愛い。私の主人を悪く言う人は嫌いだ。
「ほんと、あんな怪物のメイドじゃなくてよかったわ」
「私ねぇ、一回だけお世話したことあるのよ」
「嘘でしょ!?」
「マジで気持ち悪かったわ。あんな化け物みたいな顔で殿下とかまじで終わってる」
その言葉を聞いた瞬間。何かがプチっと切れた気がする。
「......今なんて?」
「は?」
「あ!この子だよ。殿下の専属メイド」
「そうなの?」
「まだお若いのに可哀想」
「は?殿下の専属メイドが可哀想?本気で言ってるの?」
「もちろんよ」
「てか、先輩メイドには敬語でしょ⁇」
「あんたらに使う敬語なんてない」
「はあ!?」
「何が怪物だ‼︎何が化け物だ‼︎殿下は怪物でも化け物でもないんだから‼︎」
「何マジでなってるの?」
「あんたも見たでしょ⁇あの顔」
「だから何?」
「あんなの気持ち悪いよね?」
「私はそうだとは思わない‼︎」
「......っ‼︎」
「......なによ。いい子ぶりやがって......お前なんか!」
「何事だ!」
「へ、陛下!?」
「この国の希望そして光。皇帝陛下に精霊の加護がありますように」
「挨拶はいい。何を言い争うをしている?」
「べ、別になんでもありませんよね?」
「このメイド達が殿下の悪口を言っていました」
「ちょっ!?何でたらめ......」
「でたらめじゃないよ」
「で、殿下!?」
殿下は顔全体にマスクを付けた状態で現れた。
「俺、聞いてたよ。いつもね」
「......」
「何言われてもいいって思ってたけど、マリアがあんなに怒るとは思ってなかった」
「本当の事を言っただけです」
「本当の事?」
「はい。どんなに理由があろうとも私は殿下にお使いする身です。それに......何があっても私は殿下を......ルーブス殿下を全力でお守りするのも仕事で使命です!」
「......」
そんなふうに言ってくれてのはお前が初めてだ。自分は怪物だって思ってた。でも彼女は違うと答えた。だから自分をもう怪物なんて言わない。
「俺は怪物なんかじゃない」
「話を大体わかった。この者たちを皇太子殿下侮辱罪で檻に放り込め」
「ま、待ってください‼︎」
「お、お慈悲を!」
「へ、陛下!?」
「うるさい。黙れ!貴族をしかも王族を侮辱したんだ。もう何処にも働けないと思え」
「陛下ああああ!?」
メイド達は檻に連れてかれた。
「マリア。俺、お前がメイドで良かった」
「はい。私も殿下の専属メイドでよかったです」
「そ、そうか」
照れてる。可愛い‼︎
今日も殿下は可愛い。萌え死にしそうになったのであった。
「マリア。俺のそばに居てくれ」
「はい」
クソ可愛い!やばい。マジで鼻血が出る。甘えん坊。しかも美少年。私のハートはいつ破裂してもおかしくない。
「やだ。これ食べたくない」
「食べないと大きくなれませんよ?」
「でもにんじん嫌い」
「食べてください」
「......駄目?」
キューン!
「そ、そんな目で見て来ても......駄目ですよ」
しゅん
「ゔんん!」
「......偉いですね」
可愛すぎるでしょ‼︎何この生き物!最初はかまってほしい子猫ちゃんだったのに、今は甘えん坊の子猫ちゃんになっちゃった!この職場マジで最高!
そんな楽し......充実した生活を送っているが、ひとつだけ嫌な事がある。それは
「ねぇねぇ。最近入ったメイド......マリアだっけ?その子ねぇあの殿下の専属メイドだって!」
「えええ!?嘘!?あの殿下のメイド!?」
「人生終わったじゃん」
「だよねー。あの怪物の皇太子だよ?私なら無理だよ」
「わかる!」
殿下の事を悪く言うのは許せない。私はまだまだ下っ端で何の権力もなくて、殿下を救える力もない。でもそんなふうに言うのは間違ってる。見た目はあれだけど、とっても優しくて甘えん坊さんで、可愛い。私の主人を悪く言う人は嫌いだ。
「ほんと、あんな怪物のメイドじゃなくてよかったわ」
「私ねぇ、一回だけお世話したことあるのよ」
「嘘でしょ!?」
「マジで気持ち悪かったわ。あんな化け物みたいな顔で殿下とかまじで終わってる」
その言葉を聞いた瞬間。何かがプチっと切れた気がする。
「......今なんて?」
「は?」
「あ!この子だよ。殿下の専属メイド」
「そうなの?」
「まだお若いのに可哀想」
「は?殿下の専属メイドが可哀想?本気で言ってるの?」
「もちろんよ」
「てか、先輩メイドには敬語でしょ⁇」
「あんたらに使う敬語なんてない」
「はあ!?」
「何が怪物だ‼︎何が化け物だ‼︎殿下は怪物でも化け物でもないんだから‼︎」
「何マジでなってるの?」
「あんたも見たでしょ⁇あの顔」
「だから何?」
「あんなの気持ち悪いよね?」
「私はそうだとは思わない‼︎」
「......っ‼︎」
「......なによ。いい子ぶりやがって......お前なんか!」
「何事だ!」
「へ、陛下!?」
「この国の希望そして光。皇帝陛下に精霊の加護がありますように」
「挨拶はいい。何を言い争うをしている?」
「べ、別になんでもありませんよね?」
「このメイド達が殿下の悪口を言っていました」
「ちょっ!?何でたらめ......」
「でたらめじゃないよ」
「で、殿下!?」
殿下は顔全体にマスクを付けた状態で現れた。
「俺、聞いてたよ。いつもね」
「......」
「何言われてもいいって思ってたけど、マリアがあんなに怒るとは思ってなかった」
「本当の事を言っただけです」
「本当の事?」
「はい。どんなに理由があろうとも私は殿下にお使いする身です。それに......何があっても私は殿下を......ルーブス殿下を全力でお守りするのも仕事で使命です!」
「......」
そんなふうに言ってくれてのはお前が初めてだ。自分は怪物だって思ってた。でも彼女は違うと答えた。だから自分をもう怪物なんて言わない。
「俺は怪物なんかじゃない」
「話を大体わかった。この者たちを皇太子殿下侮辱罪で檻に放り込め」
「ま、待ってください‼︎」
「お、お慈悲を!」
「へ、陛下!?」
「うるさい。黙れ!貴族をしかも王族を侮辱したんだ。もう何処にも働けないと思え」
「陛下ああああ!?」
メイド達は檻に連れてかれた。
「マリア。俺、お前がメイドで良かった」
「はい。私も殿下の専属メイドでよかったです」
「そ、そうか」
照れてる。可愛い‼︎
今日も殿下は可愛い。萌え死にしそうになったのであった。
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