50 / 71
第二章
ステファニーのお願い
しおりを挟む
「アリスさん」
ドーン
ビクッ
「うわっ!」
「おい、クソ女。もう少し静かにドアを開けろ」
「えー?だってこの方がアリスが目を覚ますと思ったんだもん」
「アリスハートを強制的に連れ帰った後から急に愛称で呼び始めたな?」
「だって、こっちの方が楽だしね」
「そうかよ」
「で、アリスはどうなの?」
「まだ、目を覚ましません。いろんな方法を試してはいるのですが、治癒魔法も精神魔法も効きません」
「そうかよ」
「ヴィーナは冷たすぎ。もう少し心配するそぶりぐらい見せなよ」
「うるせーよ。能天気クソ馬鹿女」
「ちょっと、黙ろうか?根暗野郎」
「大体テメェは!」
「ヴィーナだって!」
ぎゃあー!ぎゃあ!ぎゃあー!
「あ、あの、アリスさんのことを一番に......」
「テメェみたいな脳みそをどこかに置き忘れたやつが団長とか世も末だな!」
「人の心も善意もない人に言われたくない!」
「もう!アリスさんの体を第一に考えてほしいので、ちょっと黙っててください‼︎」
「ステファニーからこんなことを言われる日が来るだなんて......」
「少しは意見を言えるようになったな?」
「どうしたアリスさんを......」
「わからん」
団長二人が帰ったその日の夜。
「幻影の力なら......」
考えるのに疲れ果ててそんなことを思っていた、ステファニー。
「もしかしたらアリスさんは目覚めることを拒否しているの?だとしたら幻影の力なら目覚めてくれるかも」
わずかな希望を見つけて、ステファニーはすぐに行動を起こした。
とある廃墟
「へぇー、あーしを見つけるなんてすごいね」
「お願いがあります」
「なに⁇」
「アリスさんを助けてください」
「は?あーしが敵を?馬鹿言わないで」
「馬鹿でもなんでもいいです。アリスさんを目覚めさせることができるのはきっとあなたしかいません」
「どうしてそう言い切れる?」
「あなたの力は幻影そして死者の本当の想いを幻影として見せることもできる。違いますか?」
「うふふ。あははは!」
「なにがおかしいんですか⁉︎」
「まさか、ここまで見破られるとは思っていなかったよ」
「アリスさんを助けてください」
「いや!」
「どうしてですか⁉︎」
「あーしは賢い選択しかしないの。この選択になんのメリットがある?えっ?」
「そ、それは......」
「わかったらもうお帰り」
「......諦めません」
「えっ?」
「必ずアリスさんを助けてくれるまでは諦めるわけにはいきません」
「往生際が悪いよ?」
「それでも構いません」
「はぁー。じゃあさいなら」
「あっ!」
逃げられた!
次の日
「ファークト‼︎お願いします!アリスさんを助けてください」
「何でまたバレたの⁉︎」
「お願いします」
「いやだってば!」
更に次の日
土下座
「お願いします。助けてください。アリスさんを救ってください」
「えっ、なに?怖いんだけど!怖い怖い怖い怖い⁉︎」
「ファークト‼︎」
「嫌だって言ってるでしょ⁉︎」
更に更に次の日
「ファークト」
「うわあああ⁉︎何で天井から出てくるの?怖いからやめて!」
「お願いします。アリスさんを......」
「いやよ!」
更に更に更に次の日
「よっし。あとはこれを棚に入れるだけ......」
キィー
「......ファークト」
「ぎゃあああああああ⁉︎」
ステファニーが棚の中からこんにちは。
「どこかに入ってるの?てか、どうやって入ったの⁉︎狭いよ、ここ⁇」
「アリスさんを助けてください」
「いやああ!」
そして、ステファニーのお願いします攻撃が三週間も続けた結果。
パチャッ
「ぶぶぐぐゔぶぐゔぶぶぶぐぐゔぐゔゔ!ぷぶぶぐぐゔゔぶぷぷぷぶぐゔぶゔぐぐぐぐ」
訳、「アリスさんを助けてくれるまで続けますからね?絶対に諦めませんからね?」
「わかった!わかったよ。あーしの負けだからもうやめて!使う。力を使うからもう来るなし!」
バシャーン
「ありがとうございます」
ギュウウウウ
「痛っ!あだだだだ⁉︎力強っ!」
こうして、ステファニーのお願い攻撃は勝利へと幕を下ろしたのであった。
ドーン
ビクッ
「うわっ!」
「おい、クソ女。もう少し静かにドアを開けろ」
「えー?だってこの方がアリスが目を覚ますと思ったんだもん」
「アリスハートを強制的に連れ帰った後から急に愛称で呼び始めたな?」
「だって、こっちの方が楽だしね」
「そうかよ」
「で、アリスはどうなの?」
「まだ、目を覚ましません。いろんな方法を試してはいるのですが、治癒魔法も精神魔法も効きません」
「そうかよ」
「ヴィーナは冷たすぎ。もう少し心配するそぶりぐらい見せなよ」
「うるせーよ。能天気クソ馬鹿女」
「ちょっと、黙ろうか?根暗野郎」
「大体テメェは!」
「ヴィーナだって!」
ぎゃあー!ぎゃあ!ぎゃあー!
「あ、あの、アリスさんのことを一番に......」
「テメェみたいな脳みそをどこかに置き忘れたやつが団長とか世も末だな!」
「人の心も善意もない人に言われたくない!」
「もう!アリスさんの体を第一に考えてほしいので、ちょっと黙っててください‼︎」
「ステファニーからこんなことを言われる日が来るだなんて......」
「少しは意見を言えるようになったな?」
「どうしたアリスさんを......」
「わからん」
団長二人が帰ったその日の夜。
「幻影の力なら......」
考えるのに疲れ果ててそんなことを思っていた、ステファニー。
「もしかしたらアリスさんは目覚めることを拒否しているの?だとしたら幻影の力なら目覚めてくれるかも」
わずかな希望を見つけて、ステファニーはすぐに行動を起こした。
とある廃墟
「へぇー、あーしを見つけるなんてすごいね」
「お願いがあります」
「なに⁇」
「アリスさんを助けてください」
「は?あーしが敵を?馬鹿言わないで」
「馬鹿でもなんでもいいです。アリスさんを目覚めさせることができるのはきっとあなたしかいません」
「どうしてそう言い切れる?」
「あなたの力は幻影そして死者の本当の想いを幻影として見せることもできる。違いますか?」
「うふふ。あははは!」
「なにがおかしいんですか⁉︎」
「まさか、ここまで見破られるとは思っていなかったよ」
「アリスさんを助けてください」
「いや!」
「どうしてですか⁉︎」
「あーしは賢い選択しかしないの。この選択になんのメリットがある?えっ?」
「そ、それは......」
「わかったらもうお帰り」
「......諦めません」
「えっ?」
「必ずアリスさんを助けてくれるまでは諦めるわけにはいきません」
「往生際が悪いよ?」
「それでも構いません」
「はぁー。じゃあさいなら」
「あっ!」
逃げられた!
次の日
「ファークト‼︎お願いします!アリスさんを助けてください」
「何でまたバレたの⁉︎」
「お願いします」
「いやだってば!」
更に次の日
土下座
「お願いします。助けてください。アリスさんを救ってください」
「えっ、なに?怖いんだけど!怖い怖い怖い怖い⁉︎」
「ファークト‼︎」
「嫌だって言ってるでしょ⁉︎」
更に更に次の日
「ファークト」
「うわあああ⁉︎何で天井から出てくるの?怖いからやめて!」
「お願いします。アリスさんを......」
「いやよ!」
更に更に更に次の日
「よっし。あとはこれを棚に入れるだけ......」
キィー
「......ファークト」
「ぎゃあああああああ⁉︎」
ステファニーが棚の中からこんにちは。
「どこかに入ってるの?てか、どうやって入ったの⁉︎狭いよ、ここ⁇」
「アリスさんを助けてください」
「いやああ!」
そして、ステファニーのお願いします攻撃が三週間も続けた結果。
パチャッ
「ぶぶぐぐゔぶぐゔぶぶぶぐぐゔぐゔゔ!ぷぶぶぐぐゔゔぶぷぷぷぶぐゔぶゔぐぐぐぐ」
訳、「アリスさんを助けてくれるまで続けますからね?絶対に諦めませんからね?」
「わかった!わかったよ。あーしの負けだからもうやめて!使う。力を使うからもう来るなし!」
バシャーン
「ありがとうございます」
ギュウウウウ
「痛っ!あだだだだ⁉︎力強っ!」
こうして、ステファニーのお願い攻撃は勝利へと幕を下ろしたのであった。
0
あなたにおすすめの小説
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
幼子家精霊ノアの献身〜転生者と過ごした記憶を頼りに、家スキルで快適生活を送りたい〜
犬社護
ファンタジー
むか〜しむかし、とある山頂付近に、冤罪により断罪で断種された元王子様と、同じく断罪で国外追放された元公爵令嬢が住んでいました。2人は異世界[日本]の記憶を持っていながらも、味方からの裏切りに遭ったことで人間不信となってしまい、およそ50年間自給自足生活を続けてきましたが、ある日元王子様は寿命を迎えることとなりました。彼を深く愛していた元公爵令嬢は《自分も彼と共に天へ》と真摯に祈ったことで、神様はその願いを叶えるため、2人の住んでいた家に命を吹き込み、家精霊ノアとして誕生させました。ノアは、2人の願いを叶え丁重に葬りましたが、同時に孤独となってしまいます。家精霊の性質上、1人で生き抜くことは厳しい。そこで、ノアは下山することを決意します。
これは転生者たちと過ごした記憶と知識を糧に、家スキルを巧みに操りながら人々に善行を施し、仲間たちと共に世界に大きな変革をもたす精霊の物語。
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
3点スキルと食事転生。食いしん坊の幸福無双。〜メシ作るために、貰ったスキル、完全に戦闘狂向き〜
幸運寺大大吉丸◎ 書籍発売中
ファンタジー
伯爵家の当主と側室の子であるリアムは転生者である。
転生した時に、目立たないから大丈夫と貰ったスキルが、転生して直後、ひょんなことから1番知られてはいけない人にバレてしまう。
- 週間最高ランキング:総合297位
- ゲス要素があります。
- この話はフィクションです。
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる