死亡確定の敵キャラに転生したので全力で回避します

上野佐栁

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家族

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 街の北部
 「此処にお父さんとお母さんが住んでいるの⁇」
 「そうだよ。あれから引っ越しはしてないからあまり変わってないと思う」
 「......」
 「俺達までお邪魔していいのか?」
 「別にエースやクリフが居ても居なくても変わらないからいい」
 「あっそう」
 「じゃあ入るよ!」
 「ま、待っ......‼︎」
 ガチャ
 「リリア!おかえりなさい‼︎」
 「お父さん!お母さん!ただいま‼︎」
 「あら?こちらの方はお友達?」
 「うん。クリアって言うの。この子こう見えても......」
 「女の子ね?」
 「ど、どうしてわかったんですか?」
 「うーん。雰囲気?」
 「ぎゃあはは!女ってバレバレじゃねぇかよ!」
 「うるさいな!」
 「エース君も随分と成長したね?前家に来たのは一年ぐらい前だったなぁ?」
 「あはは。そのぐらいですね」
 「今日は二人に合わせたい人が居るの」
 「え?合わせたい人?」
 「うん。私の後ろに......って!居ない⁉︎」
 こつぜん
 「あれ?さっきまで居たよな⁇」
 「うん。確かに後ろに隠れてたぞ」
 「まさか逃げた?」
 「うん。逃げたな」
 「捕まえるしないね!」
 裏庭
 「はぁはぁ!に、逃げてしまった」
 私はとても情け無い。私のことを忘れ生きているのならそれを邪魔したくない。それに私はシルクロードの配下に居た者だから軽蔑されて蔑まれるのが怖い。
 「リーリエ!リーリエ何処に行ったの?」
 うーん?リーリエが行きそうなところって......。
 「裏庭の花園!」
 「私は本当のリーリエだったら今頃どうしているの?堂々と両親の前に立てるの?わからないよ」
 「リーリエ!」
 ビクッ
 ダッ
 「ちょっ⁉︎なんで逃げるの?ねぇ!リーリエ‼︎」
 「だ、だって私!両親に合わせる顔がないの!」
 「どうゆーこと?」
 「だ、だって私は......精神支配されたとは言え取り返しのつかないことをした。そのことは当然親も知っているはず」
 「......」
 「実の親に軽蔑されて蔑まれるのが怖いの!とても怖い。だから合わせる顔がない」
 「リーリエ......」 
 「それに私のこと忘れて生きていたと思うと胸が苦しいの‼︎」
 「......」
 そんなふうに思ってたんだ。全然気が付かなった。
 「リーリエ大丈夫だよ。二人はねぇ。毎年私達の誕生日ケーキを二人分用意しているんだよ?」
 「二人分?」
 「うん。私の名前とリーリエの名前が書かれたケーキ。お父さんもお母さんもリーリエが帰って来るって信じて疑わなかった」
 「......」
 「遠く離れているリーリエを想う気持ちは私と同じ。だから大丈夫だよ」
 「......うん」
 「あっ!リリア!リーリエ見つかったんだな?」
 「うん」
 「何処にいたんだよ?」
 「裏庭」
 「裏庭?」
 「うん。あそこはリーリエを失った場所でもあるからあまり近づかなかったんだけどね」
 「リリア」
 「でもあそこで会えて嬉しい。嫌な思い出からいい思い出に変わるのは嬉しいな」
 「うん。そうだね」
 「今度こそ再会するよ!」
 「今度は逃げないよ。怖いけど......不安で押し潰されそうだけど、リリアが隣に居るから大丈夫」
 「......リーリエ」
 ガチャ
 「リリア。お友達は見つかったの?」
 「うーん。お友達ではないね?」
 「ええっ⁇」
 「ほら出て来なよ」
 「ほ、本当に大丈夫なの?」
 「大丈夫だよ。二人ともとても会いたがってたんだから」
 「う、うん」
 「ん?」
 私はリリアの方から少し顔を出して二人を見た。
 「お、お久しぶり......です」
 「り、リーリエ⁉︎」
 「わ、私のことわかり......ますか?」
 「リーリエ‼︎」
 ギュウウウウ
 「むぎゅ!」
 「お、お父さん!お母さん!苦しいよ!なんで私も巻き込まれているの⁇」
 「リリア。リーリエ。二人が無事に私達の元に戻って来てよかった」
 「お母さん」
 「ああ。もう二度と会えないんじゃないかと心配した。リーリエ。お前が生きててくれてお父さん本当に嬉しいよ」
 「お父さん」
 「本当におかえりなさい」
 「ただいま!」
 私は一体何に悩んでいたんだろ?こんなにも温かく迎えてくれる親がに居るのに......怖いだなんて自分を殴ってやりたいよ。
 そのあと三時間の間リーリエの側から離れない両親なのであった。
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