引き篭もり姫

婚約

　ガチャン

　「フェリーナ⁇」

　「アッミンド王子‼︎」

　ギュッ

　「ふ、フェリーナ⁉︎どうしたの?君らしくないよ?」

　「......良かった」

　「えっ?」

　「貴方が無事でよかったです。もう死刑の台に居るのだと思いました。貴方がいなくなったら私は......」

　「フェリーナ⁇」

　「愛しています」
　　
　「え?えっ⁉︎今なんて⁉︎」
　　
　「アッミンド王子......いいえ。アッミンドを心の底から愛しています」

　「フェリーナ。僕も君を......フェリーナを愛している。あの日初めて会った日から僕は君だけを見ているんだ」

　「......今にして思えばあの日から私たちの恋は始まっていたのかもしれません」

　「......フェリーナ」

　「私は貴方を愛し続けます」

　「僕もフェリーナが大好きだ。世界で一番愛している」

　「アッミンド......」

　「でもどうして陛下は僕の死刑取り消しを受け入れたのかなぁ?」

　「それは......」

　「フェリーナ⁇」

　「少し卑怯な手でしたが、お父様にアッミンドを死刑にするなら私は舌を噛んで死にますよって言ったんです。そうしたらお父様はすぐに取り消してくれました」
　　
　「フェリーナ。それはずるいよ?」

　「え?そうなのですか?お父様はああ見えて繊細な方ですから他の誰かが私みたいに舌を噛んで死ぬって言ったら取り下げてくれますよ?」

　「絶対にないな」

　「え......」

　「陛下は君以外に眼中にないからね。他の誰かが自殺しようが何しようが気にしないよ。多分」

　「へ⁇えっ?え......」

　フェリーナのその顔絶対にわかってない。まるで鳩が豆鉄砲を食らったかのような顔だ。

　「ぶっ！」

　「なっ⁉︎なぜ笑うのですか⁉︎私の顔がそんなにおかしいのですか?」

　「クスクス。そ、そうだね笑。こんな可愛らしくて面白い顔はフェリーナにしか笑......できないよ笑」

　「アッミンド！笑い過ぎです！」

　「いいじゃないか」

　「もぉう！」

　私たちはその後お互いに笑い合いお父様に婚約の許可をいただきました。

　「よかろう」

　「ん?お父様⁇」

　「なんでもない。フェリーナ。アッミンド第三王子はもう下がれ」

　「はい」

　「仰せのままに。義お父様」

　「ぐぬぬぬぬ」

　「んんん?」

　お父様の顔は苦虫を噛みしめたかのような顔でした。なぜでしょう?

　「今日からここはアッミンドのお部屋です」

　「結構広いけど......何もないね?」

　「はい......急ぎ取り繕ったのがベッドっと椅子と机だけなので......本当に申し訳ないです」

　「いや。いいよ。僕の隣にフェリーナが居るだけでいい」

　「アッミンド......」

　私たちはお互いに顔を近づけて......。

　コンコン
　　
　「王子様。陛下からの伝言が......」

　「......っ⁉︎」

　「あら?お二人共なぜそんなに顔が赤いのですか?」

　「な、なんでもありません。私は部屋に戻ります」

　「う、うん。また後でね」

　「はい！」

　私はその場を後にした。

　「それで陛下の伝言って何?」
　　
　「あっはい。フェリーナ姫様に手を出したら今度こそ息の根を止めるだとそうです」

　ズーン

　「王子様⁇」
　　
　「やはり義お父様に認めれもらわなければな！」

　ゾワッ！
　　
　「陛下?どうかなさいましたか?」
　
　「い、いや。なんでもない」

　陛下は謎の悪寒に少し苦しめられるのであった。