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ライバル
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ズゥーン
「ふ、フェリーナ⁇だ、大丈夫だよ。確かに来月は婚約パーティーがあるけど......そこまで嫌がらなくてもいいじゃないのか?」
「だ、だって......大勢の人の前に出るのが怖いんです!」
こんばんわ。フェリーナです。私たちは今、婚約パーティーに向けて準備をしているのですが、私はまだ家族や親しい人以外は怖くて目を合わせられません‼︎
「フェリーナ。僕が側に居るから元気出して。ねぇ?」
「はい......」
めちゃくちゃ泣きそうな顔をしている。可愛い。
「ところで、フェリーナはなぜ準備中も部屋から一歩も出ないの?」
「ゔっ!」
「君が引き篭もって三週間経過したよ?僕が散歩に誘おうとしたタイミングでメイドたちに邪魔されるのはなんで?」
「そ、それは......」
「もしかしてまだ出るのが嫌なの?」
ギクッ
「そそそそそそそそ、そんなことはありませんよ」
「動揺しすぎだよ」
「ゔっ......ぐのでも出ない」
「あ、あはは......」
「私は以前に比べれば外へ出るようになりました。ですが、まだこの部屋から出ると息苦しくて怖くて......あの時の記憶が痛くて......痛くて......辛いのです」
「......」
「まだ何も成し得ていません。まだ変われていません。ですから心の準備とかそんなことよりもまずは出ることを考えないといけませんね」
「フェリーナ。君はそのままでいい。君のままで君が望む未来を見つめていればいい。僕が守ってあげるから」
「アッミンド」
「じゃあ張り切って準備しよう!」
「はい」
ズゥーン
「テンション下がってるな」
そう思いつつフェリーナのその顔が愛しと思ったアッミンドなのであった。
そして婚約パーティー当日
「アッミンド王子様!フェリーナ姫様!婚約おめでとうございます」
「......」
「ありがとうございます」
「これから絶対に幸せになろうね?」
「はい!」
フェリーナは案の定テラスに避難。
「はあー。まだまだ駄目ですね⁇また逃げてしまいました」
「ねぇ?あんたがフェリーナ姫様⁇」
「え、えと?どちら様ですか?」
「わたくしはダウナー伯爵の娘、シャイリン.ダウナーですわ」
「ダウナー伯爵令嬢ですね?私に何の用ですか⁇」
「単刀直入に言います。あんたなんかにアッミンドはふさわしくない!」
「え......」
「わたしくは五年もの間アッミンドを想い続けてきましたの。だからあんたみたいな中途半端な恋心を持たれる方がお嫌いなのですわ」
「......」
「何も言い返さないのですね?それではわたくしはこの辺で。フェリーナ姫様。ごきげんようですわ」
「あ......」
行ってしまいました。私は何も言い返さずにただ黙って聞いていただけ。あの方の言う通りなのかもしれません。私のこの想いはただ都合のいいようにできているだけの中途半端な恋心。
「フェリーナ!居た居た!早く戻ろう。戻って一緒に踊ろうよ」
「アッミンド王子ごめんなさい。今日は帰ります。なので失礼します」
「え?フェリーナ⁇どうゆーことなの?説明してよ?」
「ごめん......なさい」
「フェリーナ⁉︎」
私はアッミンドの声を無視しそのまま家へと帰宅しまた引き篭もってしまった。
「うぅゔ......私は最低です。自分の良いように相手を利用し......不利になると逃げてしまう。そんな自分が大っ嫌い」
その日は泣くことができなかった。私は何もわかっていなかった。アッミンドの気持ちと私の気持ちは多分違う。
そうひとりで悩み一週間が経過したのであった。
「ふ、フェリーナ⁇だ、大丈夫だよ。確かに来月は婚約パーティーがあるけど......そこまで嫌がらなくてもいいじゃないのか?」
「だ、だって......大勢の人の前に出るのが怖いんです!」
こんばんわ。フェリーナです。私たちは今、婚約パーティーに向けて準備をしているのですが、私はまだ家族や親しい人以外は怖くて目を合わせられません‼︎
「フェリーナ。僕が側に居るから元気出して。ねぇ?」
「はい......」
めちゃくちゃ泣きそうな顔をしている。可愛い。
「ところで、フェリーナはなぜ準備中も部屋から一歩も出ないの?」
「ゔっ!」
「君が引き篭もって三週間経過したよ?僕が散歩に誘おうとしたタイミングでメイドたちに邪魔されるのはなんで?」
「そ、それは......」
「もしかしてまだ出るのが嫌なの?」
ギクッ
「そそそそそそそそ、そんなことはありませんよ」
「動揺しすぎだよ」
「ゔっ......ぐのでも出ない」
「あ、あはは......」
「私は以前に比べれば外へ出るようになりました。ですが、まだこの部屋から出ると息苦しくて怖くて......あの時の記憶が痛くて......痛くて......辛いのです」
「......」
「まだ何も成し得ていません。まだ変われていません。ですから心の準備とかそんなことよりもまずは出ることを考えないといけませんね」
「フェリーナ。君はそのままでいい。君のままで君が望む未来を見つめていればいい。僕が守ってあげるから」
「アッミンド」
「じゃあ張り切って準備しよう!」
「はい」
ズゥーン
「テンション下がってるな」
そう思いつつフェリーナのその顔が愛しと思ったアッミンドなのであった。
そして婚約パーティー当日
「アッミンド王子様!フェリーナ姫様!婚約おめでとうございます」
「......」
「ありがとうございます」
「これから絶対に幸せになろうね?」
「はい!」
フェリーナは案の定テラスに避難。
「はあー。まだまだ駄目ですね⁇また逃げてしまいました」
「ねぇ?あんたがフェリーナ姫様⁇」
「え、えと?どちら様ですか?」
「わたくしはダウナー伯爵の娘、シャイリン.ダウナーですわ」
「ダウナー伯爵令嬢ですね?私に何の用ですか⁇」
「単刀直入に言います。あんたなんかにアッミンドはふさわしくない!」
「え......」
「わたしくは五年もの間アッミンドを想い続けてきましたの。だからあんたみたいな中途半端な恋心を持たれる方がお嫌いなのですわ」
「......」
「何も言い返さないのですね?それではわたくしはこの辺で。フェリーナ姫様。ごきげんようですわ」
「あ......」
行ってしまいました。私は何も言い返さずにただ黙って聞いていただけ。あの方の言う通りなのかもしれません。私のこの想いはただ都合のいいようにできているだけの中途半端な恋心。
「フェリーナ!居た居た!早く戻ろう。戻って一緒に踊ろうよ」
「アッミンド王子ごめんなさい。今日は帰ります。なので失礼します」
「え?フェリーナ⁇どうゆーことなの?説明してよ?」
「ごめん......なさい」
「フェリーナ⁉︎」
私はアッミンドの声を無視しそのまま家へと帰宅しまた引き篭もってしまった。
「うぅゔ......私は最低です。自分の良いように相手を利用し......不利になると逃げてしまう。そんな自分が大っ嫌い」
その日は泣くことができなかった。私は何もわかっていなかった。アッミンドの気持ちと私の気持ちは多分違う。
そうひとりで悩み一週間が経過したのであった。
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