引き篭もり姫

独りぼっち

　コンコン

　「フェリーナ。僕だよ。此処を開けて」

　「......」

　「フェリーナ。僕のこと嫌いになったの?」

　「......」

　「また来るね」

　「アッミンドごめんなさい。今貴方に合わせる顔がありません」

　今更どうして⁇どうしてこんな気持ちになるの?あの方の言う通りだから?私はなのもないから?ただの中途半端な恋心だから?わからない。ダウナー伯爵令嬢の言うことを鵜呑みするわけではないのですが、この気持ちは一体......こんなにも胸が張り裂けそうなのはなぜなのでしょう⁇
　
　「私はどうしたら......」

　その頃アッミンドは

　「アッミンド！わたくしを妃にしてくだい！」
　
　「え、えぇ......」

　「二番目でもいいのです！皇帝は嫁を十人は娶る物ですわ」

　「僕はそうゆー趣味ないから」
　
　「何をおっしゃいますの?もしあの姫様が子供を産めない体ではいけません。だからわたくしが！」

　「これ以上聞くに絶えない戯言を吐くなら出ていけ」

　「え......」

　「僕はフェリーナが好きだから一緒に生きたいって思えた。だからフェリーナ以外とは結婚なんてしないよ」

　「い、意味がわかりませんわ！あんな引き篭もり姫のどこがいいのですか⁉︎」

　「まさかその言葉をフェリーナに言ったのか?」

　「えぇ。行って差し上げましたわよ。引き篭もり姫は今まで通りにおとなしく引き篭もっていればいいのだと言ってやりましたわ」

　「ふざけるのも大概にしろ！」

　「レディーに怒鳴るなんて......アッミンドもまだまだですわよ」

　「黙れ！」

　「なっ⁉︎」

　「今、フェリーナの心は高く閉ざせれて僕にも陛下にも何も言ってくれない。何も反応してくれない」

　「だからなんなのですか?わたくしはただ事実を述べただけですわ」

　「お前はわかっているのか?フェリーナはとても繊細で昔の事件をまだ乗り越えていないんだ！」

　「そんなの引き篭もり姫の心が弱いせいですのよ?心を強くあろうとしないからこそそうなるのです」

　「君は何を言っているのかわかっているのか?しかも陛下の真後ろで！」

　「え......」

　「貴様のせいで我が最愛の娘が心を閉ざしているのだぞ?どう責任を取る気だ?」

　「へ、陛下⁉︎私くは間違ったことなどしていませんわ！あの引き篭もり姫が勝手に独りぼっちになっておられるのです」

　「貴様がそうなるように仕向けてなのだろ?」

　「ぐっ！心が弱いあの者にアッミンドはふさわしくありませんわ！」

　「何を言っているんだ?王子が我が娘にふさわしいと思っているのか?」

　「は、はい?」

　「姫と全く釣り合ってもいない王子如きに娘と婚約させてしまったんだぞ。私の唯一の汚点はこのクソ王子だ！」

　ガーン

　「義お父様⁇それはあんまりではないでしょうか?」

　「だから！」

　「もういいですよ」

　「フェリーナ⁉︎」
　　
　「あら?引き篭もり姫様ではありませんか。引き篭もっていたのではなかったのですか?」

　「言い争いがあったので止めに来ました。でも必要なかったようです。私はこれで......」

　「フェリーナ！待って......」

　「私は最初から独りぼっちだったのですね?アッミンド王子は私以外とも結婚してもなんとも思いませんよね?ただ地位に目が眩んだだけですよね?」

　「フェリーナ⁇君は一体何を言って......」

　「もう私はこの部屋のドアを開けるのを最後にします。食事以外では絶対に開けません」

　「フェリーナ⁉︎待ってくれ！僕の話を聞いてくれ」

　「さようなら。アッミンド王子そしてお父様」

　「フェリーナ⁉︎」

　バタン

　その音が完全にフェリーナの心閉ざし開けるつもりがないと言っているかのように冷たい音が心に響き渡るのであった。

　「二人共ごめんなさい。こんな弱い私でごめんなさい」

　生きててごめんなさい。お母様ごめんなさい。ごめんなさい。

　ただひたすらに心の中で謝るフェリーナなのであった。