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フェリーナの心の扉
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「フェリーナ。今日もこの部屋から一歩も出ないのか?」
「......」
「君はいつまでこの部屋から......自分の殻から出ないの⁇」
「......」
「ご飯ここに置いておくね」
「......」
数分後
ガチャ
「アッミンドごめんなさい」
私はそっと食事を手に取りまた部屋に引き篭もった。
「私がこの部屋から出られなくなって三ん週間......アッミンドにもお父様にも迷惑をかけてはいけません」
「ただの引き篭もり姫のくせに‼︎」
「あの言葉がまだ頭から離れません」
私は一体どうすればいいのですか?
更に数日後
コンコン
「僕だよ。アッミンドだよ。フェリーナ。今日もここを開けてくれないの?」
「......」
「返事すらしてくれない......僕はとても寂しいよ。せっかく両想いだって思ったのに......僕だけだったの?」
「......」
そんなことない。私は貴方が消えてしまったらもう何も残らない。アッミンドが全てなのです。だからそうなふうに言わないで。
「あ......」
声が出てきません。どうしたらいいのですか?誰か助けて!
「フェリーナ。僕は諦めないよ。まだ君のことを諦めていない」
こんなことぐらいで諦められる気持ちならこんなにも苦労することなんてなかった。だが、フェリーナを好きになったあの日からずっと君を追い求めている。
「僕はフェリーナが好きだから。だから諦めるわけにはいかない」
「......」
「明日も明後日もその次の日も絶対に来るから。だからせめてお話ぐらいはしてほしいよ」
「......」
「また明日ね」
「......」
駄目。このままだとすれ違いになる。でもこの扉を開けてしまったら現実逃避できなくなる。アッミンドがダウナー伯爵令嬢のことを好きだというのなら私は身を引きます。
でもなんでこんなにも辛いの?なんでこんなにも胸が張り裂けそうになるの?わからない。
「......アッミンド」
更に次の日
「フェリーナ。今日は庭園に綺麗な花が咲いていたよ。君みたいに素敵な花だったから積んで来たよ」
「......」
スッ
「君の部屋の前に置いておくね。君は僕の大切な人だから。それだけは覚えておいてね」
「......とう」
「え?フェリーナ⁇今なんて言ったの?」
「あり......が......とう......ごさ......い......ます」
「フェリーナ‼︎やっと声が聞けた!」
「ご、ごめ......ん......なさ......い」
「どうして?どうしてフェリーナが謝るんだ?謝るのは誤解された僕の方だ」
「私は......意気......地......無......しで......だめ......だめで......もう......し......わけ......ござい......ません」
「君は意気地無しでもなんでもない。君の心の傷は癒えていないだけだ。僕はついている。絶対に君を見捨てない」
「......」
「僕は君を簡単に諦められるほど弱虫でもないしこんな辛い気持ちにもならない」
「......そう......で......すね」
「君を愛しているのはフェリーナが一番よく知っているはずだ。ここまではるばるやって来た僕を褒めてほしいよ」
「うふふ。そう......ですね。貴方......に......出会え......て......よかっ......た......です」
「フェリーナ‼︎」
「あ、あい......して......ます」
「僕もだよ!僕も愛して......」
「私の娘を誑かす奴は串刺しにてやる」
「あ......」
「ここで死を選ぶか?」
「す、すみません」
「......」
「フェリーナ。お前のタイミングでいいからここから出て来てくれないか?」
「......」
「お前の声が聞きたい」
「......はい」
「また来る」
「......」
「フェリーナ。僕は君の側を離れないからね」
「......っ」
ちゃんと言わなきゃ。この気持ちを言わなきゃ駄目。嫉妬してことや独占したいこの気持ちをちゃんと伝えないと伝わらない。もうアッミンドを不安にさせちゃ駄目。
バーン
「ふ、フェリーナ⁉︎やっと顔を見れた」
ギュッ
「フェリーナ⁇」
「......か......ない......で」
「え......⁇」
「行かないでください」
「フェリーナ......⁇」
「私以外の女のところに行ったら嫌です‼︎私の側を離れないでください」
「......」
「私と以外と結婚なんてしないでください。私以外の人を見ないで!ううぅゔっ......うわあああん!うぇーん!グスン」
「フェリーナ⁇」
驚いた。フェリーナがこんなにも泣いて僕に縋るなんて......。
驚きつつまんざらでもない顔のアッミンドなのであった。
「......」
「君はいつまでこの部屋から......自分の殻から出ないの⁇」
「......」
「ご飯ここに置いておくね」
「......」
数分後
ガチャ
「アッミンドごめんなさい」
私はそっと食事を手に取りまた部屋に引き篭もった。
「私がこの部屋から出られなくなって三ん週間......アッミンドにもお父様にも迷惑をかけてはいけません」
「ただの引き篭もり姫のくせに‼︎」
「あの言葉がまだ頭から離れません」
私は一体どうすればいいのですか?
更に数日後
コンコン
「僕だよ。アッミンドだよ。フェリーナ。今日もここを開けてくれないの?」
「......」
「返事すらしてくれない......僕はとても寂しいよ。せっかく両想いだって思ったのに......僕だけだったの?」
「......」
そんなことない。私は貴方が消えてしまったらもう何も残らない。アッミンドが全てなのです。だからそうなふうに言わないで。
「あ......」
声が出てきません。どうしたらいいのですか?誰か助けて!
「フェリーナ。僕は諦めないよ。まだ君のことを諦めていない」
こんなことぐらいで諦められる気持ちならこんなにも苦労することなんてなかった。だが、フェリーナを好きになったあの日からずっと君を追い求めている。
「僕はフェリーナが好きだから。だから諦めるわけにはいかない」
「......」
「明日も明後日もその次の日も絶対に来るから。だからせめてお話ぐらいはしてほしいよ」
「......」
「また明日ね」
「......」
駄目。このままだとすれ違いになる。でもこの扉を開けてしまったら現実逃避できなくなる。アッミンドがダウナー伯爵令嬢のことを好きだというのなら私は身を引きます。
でもなんでこんなにも辛いの?なんでこんなにも胸が張り裂けそうになるの?わからない。
「......アッミンド」
更に次の日
「フェリーナ。今日は庭園に綺麗な花が咲いていたよ。君みたいに素敵な花だったから積んで来たよ」
「......」
スッ
「君の部屋の前に置いておくね。君は僕の大切な人だから。それだけは覚えておいてね」
「......とう」
「え?フェリーナ⁇今なんて言ったの?」
「あり......が......とう......ごさ......い......ます」
「フェリーナ‼︎やっと声が聞けた!」
「ご、ごめ......ん......なさ......い」
「どうして?どうしてフェリーナが謝るんだ?謝るのは誤解された僕の方だ」
「私は......意気......地......無......しで......だめ......だめで......もう......し......わけ......ござい......ません」
「君は意気地無しでもなんでもない。君の心の傷は癒えていないだけだ。僕はついている。絶対に君を見捨てない」
「......」
「僕は君を簡単に諦められるほど弱虫でもないしこんな辛い気持ちにもならない」
「......そう......で......すね」
「君を愛しているのはフェリーナが一番よく知っているはずだ。ここまではるばるやって来た僕を褒めてほしいよ」
「うふふ。そう......ですね。貴方......に......出会え......て......よかっ......た......です」
「フェリーナ‼︎」
「あ、あい......して......ます」
「僕もだよ!僕も愛して......」
「私の娘を誑かす奴は串刺しにてやる」
「あ......」
「ここで死を選ぶか?」
「す、すみません」
「......」
「フェリーナ。お前のタイミングでいいからここから出て来てくれないか?」
「......」
「お前の声が聞きたい」
「......はい」
「また来る」
「......」
「フェリーナ。僕は君の側を離れないからね」
「......っ」
ちゃんと言わなきゃ。この気持ちを言わなきゃ駄目。嫉妬してことや独占したいこの気持ちをちゃんと伝えないと伝わらない。もうアッミンドを不安にさせちゃ駄目。
バーン
「ふ、フェリーナ⁉︎やっと顔を見れた」
ギュッ
「フェリーナ⁇」
「......か......ない......で」
「え......⁇」
「行かないでください」
「フェリーナ......⁇」
「私以外の女のところに行ったら嫌です‼︎私の側を離れないでください」
「......」
「私と以外と結婚なんてしないでください。私以外の人を見ないで!ううぅゔっ......うわあああん!うぇーん!グスン」
「フェリーナ⁇」
驚いた。フェリーナがこんなにも泣いて僕に縋るなんて......。
驚きつつまんざらでもない顔のアッミンドなのであった。
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