引き篭もり姫

上野佐栁

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逃走

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 前回のあらすじ。私は第一王子に誘拐されて、王子様のあそこを蹴り飛ばし逃走。そして、空を飛ぶアンティークを使うことを決意。以上‼︎

 「私はアッミンドのところに帰ります」

 貴方が居てくれるなら私はなんだってできる。そんな気がします。

 「お母様。私が未熟者で駄目な人間だったばかりに死なせてしまった。そんな私をお許しください」

 このアンティークを使うことを許してほしいのです。

 使い方さえ知らずにお母様を灰にしてしまった自分が悍ましい。

 「必ず無事に戻ってきます‼︎」

 私はアンティークを使い空へと羽ばたいた。

 「ここからだと城までかなりの時間がかかりそうです。それに私の魔力も持つかどうかですね?」

 今まで引き篭もりをしていたせいで体力はミジンコ以下。

 「はぁはぁ......疲れました」

 アンティークを使ってからまだ五分。すでに疲れてしまった。

 「す、少し休憩をしなければ......」

 とある木陰に身を寄せ体を休ませた。

 「ふぅー。これからどうなってしまうのでしょうか?」

 アッミンドはどこまで来ているの⁇私のこと心配しているだろうなぁ?

 「早く戻らなければ!」

 「おっと。そう簡単に逃すと思うのか?」
  
 ビクッ
  
 「だ、第一王子様⁉︎」

 いつの間に私の背後に?気配が全くなかった。まるで、最初からそこにいたかのように......。

 「このアンティークねぇ、未来を少し予知してくれるんだよ?」

 「えっ......」

 「君の未来を少し覗いだよ。ここにいるって知ったのもこのアンティークのおかげでだよ。このままこのアンティークを使わなければ逃げきれたのにね⁇残念だね?」

 そう言って、第一王子は私を気絶させた。気がついた時には部屋に縛られていた。

 「ぐっ!」

 解けない。

 「やぁやぁ!起きたね?君って本当に魅力的なお姫様だ」

 「......」

 ギロッ

 「そんな怖い顔で見ないでよ?俺だってこんな荒い手を使いたくなかったよ。君がおとなしくついてきてくれないからだろう?」

 もう一度あそこを蹴り飛ばす?それが成功しても逃げ道がありません。ここは敵のアジト。今は大人しくするのが一番です。

 「私は貴方の物にはなりません!」

 「だからそこ欲しくなる」

 「......」

 どのぐらい経っただろうか?私はずっと部屋に縛られたまま身動きできずにただその時を待っている。

 ガチャ

 「......」

 「俺と君の結婚式を決めてきたよ。明日だよ」

 「......っ!」

 明日?嘘でしょ⁇こんなにも早くするだなんて......どうやったら逃げきれる⁇考えろ。考えるのです。ここから脱出する術はあるはずです。

 私はここから一刻も早く脱出術を考えた。
 
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