テンペスト

上野佐栁

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夢対上級クラスのテンペスト

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 「ぎゃあはははは‼︎どうした?逃げているだけじゃこの俺には勝てないぞ?」

 「ぐっ!」

 数分前

 「私たち人間も生きるために他の生き物を犠牲にしているかもしれない。だけど、無差別に人を殺すには違います」

 「そうか。なら死ね」

 そして現在

 「……」

 このテンペストは確かに力は強いけど、動きが遅い。他のテンペストに比べれば速いけどなんか遅く感じる。

 「「頑張って。このテンペストの弱点は右足の脛だよ」」

 「……っ!!!!!!!」

 またこの声。テンペストに勝たせるためにわざわざ弱点を教えてくれた?そんなことあるの?

 「よくわかりませんがあなたに感謝しますよ」

 夢はそうポツリと言ってさらにスピードを上げだ。

 弱点は多分核のこと。他に弱点になるものがあったとしてもそう簡単には見つからない。この声が嘘を言っているように見えないしどこかに導こうとしているのだけはわかる。

 「賭ける価値ありますね」

 「こいつ速い」

 くそ!こんなにスピードを出されちゃ捕まえられない。あのお方からテンペスト学園のひとりだけを捕まえろと今命令がきた。ならこのガキを捕らえればいいって思ったのに速すぎる。本当に人間か?

 「……」

 テンペストにも効く毒で弱らせて銃で撃ち抜く。

 夢が林の影に隠れる直前に猛毒をテンペストの頭上にかけた。

 「な、なんだ?このにおい。いや毒か⁉︎」

 おかしい。こんな毒、テンペストには効かないはずなのに体が痺れて動けない。

 「グギギギ!!!!!!!」

 体中が痛い。苦しい。なんなんだこの毒は⁉︎

 「く、クソガキが!!!!!!!」

 負けるわけにはいかない。こんな小娘相手に負けたら死んでも死にきれない。

 「奥義:陽華突!!!!!!!」

 「ゔああああああ!!!!!!!」

 なにが起きたの?いきなりテンペストが上に飛んだと思ったら視界が横になっていた。あんなに強い力どこに隠し持っていたの?

 「ど、毒で体が思うように動かないはずなのに……」

 悔しい。足をやられたせいで動けない。

 「「テンペストストーンを使って」」

 声がまたアドバイスをしてくれた。

 そうだ。一応念のためだと思って、風華さんたちが戦って勝ったテンペストストーンがある。本来なら風華さんが持つべきなんだけど、今の彼女に持たせたらテンペスト化が早まる恐れがある。

 「これで終わりだ。小娘」

 そう言って足で夢の腹部を踏みつける。

 グキッ

 「あ"あ"あ"あ"あ'あ"あ"!!!!!!!!??!???!!!!!!!!」

 激しい痛みと意識が遠のくのがわかった。限界まで追い詰められるほどテンペストストーンを使う時に強い力を発する。

 「はあああああああああ!!!!!!!」

 夢が大きな声を出しその場で立ち上がった。

 「おいおいおい。まじかよ。立ち上がるのかよ?この怪我で?まじ?」

 テンペストは驚き少し引いたが負けるわけにはいかないと思った。

 夢はテンペストストーンを手のひらに乗せて目を閉じどう使いたいかをイメージした。

 「戦闘中に目を瞑るとは余裕だな」

 テンペストは勢いよく夢に迫る。

 夢はそっと目を開けてこう唱えた。 

 「テンペストストーン:アクア」

 するとテンペストの周りに水が溢れ出し閉じ込める。

 「な、なっ⁉︎人間がテンペストストーンを使っただと?」

 テンペストはありえないと言った顔で夢を見るのであった。
 
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