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二人のアンドロイド

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 「お前は廃棄だ‼︎」
 「そ、そんな‼︎私はまだやれます‼︎お願いです‼︎マスター‼︎」
 「黙れ‼︎これで、奴隷が一人減ってしまうな」
 「マスター登録は解除したのですか⁇」
 「当たり前だ‼︎役に立たないアンドロイドなんぞに価値はない‼︎」
 「そうですか......今までお世話になりました」
 「は?」
 タッ
 「あっおい‼︎ティーナを捕まえろ‼︎そして、廃棄しろ‼︎」
 「はいマスター」
 ぐぅー
 「あれからしばらく経ったけど、家も無いし食べ物もない。お腹すいたぁー‼︎」
 「なにをしているの⁇」
 ビクッ
 「く、クルル!?なんであんたが此処に居るのよ!?」
 「帰り道」
 「そう」
 「うちに来る⁇」  
 「は?」
 「お腹すいたんでしょ⁇今日はオムライスだから、ティーナも食べて」
 「なにが目的⁇」
 「なにも無いよ」
 「なら良いけど......」
 俺の名前は、雑賀ツムグだ‼︎今日はアルバイトをして家に帰宅したら
 「アンドロイドが増えているだと!?」
 「あっお帰りなさい」
 「お邪魔してあげているわよ」
 「お前、ティーナだよな⁇まさか、クルルを壊す魂胆じゃ......」
 「そんなわけないでしょ‼︎あんた達のせいで、マスターに捨てられたんだからね‼︎」
 「えっ?それはお気の毒に......」
 「責任を取って、此処に泊めなさい‼︎」
 「ティーナ」
 「あっ‼︎言い過ぎね。ごめん」
 「ティーナが素直だと!?」
 「私の事なんだと思っているのよ‼︎」
 「ツムグ。ご飯にする⁇お風呂にする⁇それとも私⁇」
 「なんだその台詞は⁇」
 「空さんにこう言うと喜ぶって言われたから......」
 「無表情のままで言われても嬉しくねぇよ‼︎それに俺にはそんな趣味持っているわけねぇだろが‼︎」
 「あんたのマスターって欲だらけね」
 「うっせーわ‼︎」
 「そうだ‼︎あんた、私の奴隷になりなさい‼︎」
 「......は?なに言っているだ⁇」
 「下僕でも良いわよ」
 「どっちも大差ねぇだろ‼︎」
 「ティーナ。調子になると......」
 「わかっているわよ‼︎てか、クルルって髪縛ったのね⁇」
 「うん」
 「黒よりも真っ赤の血の色の方が似合うわよ」
 「ティーナ‼︎テメェー......」
 「ツムグ、落ち着いて。私は大丈夫だから」
 「あむっ。このオムライス美味しいわね‼︎おかわりあるの⁇」
 「あるよ」
 「じゃ、貰うわね‼︎」
 「アンドロイドって腹空くのか⁇」
 「はい。機能性で空かないアンドロイドも居ますが、私達は人間に近い存在で作られました」
 「そういうものなのか⁇」
 「......はい」
 「クルル⁇本当に平気か⁇」
 「はい」
 「なら良いんだけど、無理はするなよ」
 「はい」
 「......」
 次の日
 「えー。クルルが来たばかりだが、また、アンドロイドの転校生が来た。こっちはマスターが居ないそうだけど、なって欲しい人が居るみたいだ。誘拐だけはすんなよ」
 「だからしないって‼︎」
 「入れ」
 「ティーナ。よろしく」
 「クールだな」
 「なんなんだよ‼︎この学校は‼︎」
 アンドロイドが一人から二人に増えてしまった。なんでこうなるんだよおおおおおお‼︎
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