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植物の力を持つアンドロイド花園リーフその2

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 次の日の放課後
 「......」
 「どうかなぁ?」
 「いきなり言われても困ります」
 こんにちは。雑賀ツムグだ。俺達は今、リーフをパーティーに誘うとしている。だか、本人は......。
 「私はパーティーと言うものには興味ありませんから。別に私が居なくてもいいですよね?」
 「そ、それは......」
 「ほ、ほら!人数が多い方が楽しいでしょ⁇だから、リーフも一緒にって思ったの?」
 「そうっしょ!そうっしょ!うちらと一緒にパーティーしてくれると嬉しいんだし」
 「要求。一緒にパーティーをしてください」
 「わっち達とパーティーだぞ!絶対に楽しいから来るのだ」
 「ぼ、僕達、お友達だから」
 「違います」
 しゅんー
 「あわわわ‼︎沙由里さん?だ、大丈夫ですよ。リーフさんは気づいてないだけで、あたし達の大切なお友達ですよ」
 「だから違います」
 「お願いです。明日の放課後、五時から八時までです。なので来てください。リーフさん」
 「クルルさんの頼みでも無理なものは無理です。では失礼します」
 「い、行っちゃったな」
 「こうなったら強行突破するべき」
 「つ、ツツリ?何をする気だ?」
 「誘拐と監禁するべき」
 「......え?」
 「正確には無理やり連れて行くだけ」
 「な、なんだ。驚かすなよなぁ?」
 「うんうん」
 「び、びっくりしちゃった」
 「レット君も流石にひやっとしたとよ。あははは!」
 更に次の日放課後
 「リーフ確保!」
 「わっ......」
 リーフを連れて当初の目的地についた俺達は、リーフの目隠しを外してやった。
 「......一体どういうつもりですか?これは立派な犯罪ですよ」
 「まぁまぁ。俺達とパーティーするだけでいいから。なぁ?」
 「......」
 「アンドロイドパーティーにようこそ‼︎」
 「......アンドロイドパーティーですか?皆さんは気づいてないのですか?私達は元々人間だった事を......いいえ、正確には人間の力を持ったアンドロイドですね」
 「......」
 「本当に知らないのですか?」
 「意味がわからない」
 「うちと、ツツリちゃんは人間だって知ってるけど......他の皆んなもそうなんだし?」
 「はい」
 「詳しい話を聞かせなさいよ!」
 「私達は幼い時にアンドロイドの力の源である。アンドロイドチップを心臓に埋め込まれているんです。その時の記憶は曖昧なので、よくわかりませんが......」
 「嘘!?」
 「考えてみてください。私達は人間と同じようにお腹も空きますし怪我もすぐには治りません」
 「うちは治るんだし?」
 「それは無理矢理細胞を活発させて、数十秒で治しているだけです。痛みは続くはずです」
 「確かにそうなんだし!」
 「そもそも人間型のアンドロイドなんて、ほとんど居ません。それに、アンドロイドだってわかるような性能しか無かった人達がいきなり人間そっくりのアンドロイドを創っても納得しますか?」
 「しない」
 「理由はわからないが、俺達を実験台にしているってことか?」
 「はい」
 リーフの衝撃な言葉に俺達はなんて言えばいいのかわからなくて黙ってしまった。アンドロイドが元々人間だったなんて......その真実を知っても俺はアンドロイド達の見る目はあまり変わらなかった。そう思いたい。そのあと、パーティーを仕切り直して楽しいんでいる真っ最中だ。このパーティーでとんでもないことが起きる事はまだ知らない。
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