婚約破棄したのに元婚約者がしつこく付き纏ってきて困っています

上野佐栁

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ティーパーティー

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 アイナ様にコテンパンに言い負かされて帰って行った侯爵様が居なくなってすぐにティーパーティーが始まりました。
 「王女様に未来の幸福を祈ります」
 「ありがとう。ジェンダー嬢にも未来の幸福を祈る」
 王女様......ジェイナース.ア.ビューティー.クラーク王女様は大の男嫌いです。昔、父親が酒とギャンブルに溺れ、一度この国が終わりかけたことがあり。それ以降王女様は大の男嫌いになったのです。
 「あの。王女様にプレゼントがあります」
 「ん?プレゼント⁇楽しみ」
 「とあるお店で買いました。王女様に似合うと思ったので......」
 「開けてもいい?」
 「も、もちろんです!」
 そっと包みを解き中身を開けた。
 「うわー。とても繊細で綺麗なブローチだ。ジェンダー嬢には感謝しかない」
 「あ、ありがたき幸せです」
 「そんなにかしこまらなくていい。君はとても素敵なプレゼントをくれた。今度、ジェンダー嬢の誕生日パーティーがあるはずだ。その時にお返しに何かとてもいい物をあげよう」
 「いいのですか?」
 「ああ。もちろんだ。君は私の友人だからね」
 「ありがとうございます」
 「よかったですね。ジェンダー嬢」
 「はい!」
 ティーパーティーは和やかに進み終盤に差し掛かった時だった。突然空に魔族......つまり魔獣が現れた。
 「きゃあ⁉︎」
 「魔獣よ⁉︎」
 「皆、落ち着くんだ!騎士の誘導に従い安全に避難するんだ!」
 「グランデー」
 ゴゴゴゴォ
 「きゃっ!」
 「アイナ様‼︎」
 ドンッ
 「ジェンダー嬢⁉︎何をしているんです⁉︎私のために身を投げ出すなんて......自分の身を考えて行動してください」
 「す、すみません。体が勝手に動いていて......」
 「私の方こそごめんなさい。貴方を責める詰まりはありませんでした。しかしもうこんな馬鹿な真似をしないって誓ってください。じゃないと貴方が死んでしまいます。それだけは嫌です」
 「わかりました」
 「グランデー」
 「またあの魔獣が⁉︎」
 「あれ?」
 あの魔獣脚に怪我をしている。もしかて怖いの?
 「......」
 「ジェンダー嬢⁇何をしようといているんですか?」
 「......」
 「そっちは危険です!行ってはいけません」  
 ガシッ
 「彼方に逃げますよ!」
 「待ってください。あの子はきっと怯えているだけなんです」
 「は、はい⁉︎ジェンダー嬢⁇貴方何を......」
 「グランデー‼︎」
 ニコッ
 「大丈夫ですよ。貴方を攻撃しません。なのでゆっくりとこちらに来てください」
 「ガルルル」
 「大丈夫です」
 「ぐ、グランデー⁇」
 「はい。貴方を傷付けたりいたしません。なので暴れないでください」
 「......」
 スタスタ
 「ゆっくりと......ゆっくり......ゆっくりです」
 「す、すごい。魔獣と心を通わせている⁇」
 ありえない。この世界で魔法を使えるのは魔族だけ。人間は魔力がなく、魔族の血を受け継ぐ者しか魔法は使いこなせない。だけど、ひとりだけ光の後継者なら魔族が百年に一度かかる呪いから解放出来る。
 「貴方を守りたいです」
 「グランデー」
 「......」
 ジェンダー嬢は髪は青空色で先っぽだけ真っ白。瞳は紫色。もし髪が真っ白だったらきっと光の後継者になると思う。特徴が似ているからだ。
 「......もう少しです」
 「グランデー」
 ポン
 「......もう怖くないですよ?」
 「グランデー‼︎」
 フリフリ
 「お家に帰りましょ」
 「......」
 「嘘でしょ⁇君がその魔獣を落ち着かせたのか?」
 「お、王女様⁉︎は、はい!私が落ち着かせました!」
 「君は魔獣と交渉出来るのかもしれない。君に頼みたいことがある!」
 「頼みたいことですか?」
 「ああ。それは......」
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