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次の日の午後。ゆずはふんわりベーカリーの長女、もなかのところにやってきた。
「もなねえ、今年のバレンタインチョコはどんなのにするの?」
「ずっと考えてるんだけど、去年と同じじゃつまらないかなって思うと、なんか決まらなくてねぇ」
もなかは、去年のバレンタインデーに、ケーキとチョコの限定メニューを販売した。
去年は作った数が少なかったこともあり、どちらもあっさり完売してしまった。
それで今年はもっと販売数を増やして、より多くのお客様(多くは成和学園の生徒)に喜んでもらえそうなものがないか、年が明けてからずっと考えていたのだ。
「限定ケーキはいいんだけどね。バレンタインチョコがイマイチなのよねぇ」
「そうなんだ・・・私、こんなの作ろうと思ってるんだけど、もなねえ、どう思う?」
ゆずはわかりやすく絵に描いて持ってきていた。
箱に入った生チョコ、ケーク・オ・ショコラ、ブラウニーが描かれていた。
デコレーションにさりげなくハートが入っていたり、とてもかわいらしい。
「どれどれ・・・あら、いいじゃない。でも一人分だと、量、多すぎない」
「そうなの・・・あんまり日持ちしないものばかりだから、どうしようかなって」
どうすればいいかわからなくなってしまったゆずが、もなかに尋ねてきたのだった。
「そうよねぇ・・・」
ゆずの言葉に、もなかも腕を組んで考え始めた。
「・・・だったらさ!」
何か思いついたもなかが、手を叩きながらゆずを見た。
「みんな小さくしちゃえば!
ショコラもブラウニーも生チョコサイズに小さく焼けば、コロコロ並んでて可愛いわよ」
「そっか!それなら食べ切れそうだね!」
やっぱりもなねえに相談してよかった、とゆずは思った。
「・・・ねえゆず。そのレシピ、使わせてもらってもいい?ゆずの美味しそうな絵を見たら、私も食べてみたくなっちゃった」
もなかがゆずにすり寄ってきた。
「えっ⁉︎ど、どういうこと?」
「うちのバレンタイン限定のプレゼント用チョコにしたいなぁって、ね」
ゆず相手にかわいらしくパチパチ瞬きでアピールするもなか。
「・・・い、いいよ」
大和君だけにあげるつもりなのに・・・ゆずは複雑な気持ちで返事した。
「ありがとう、ゆず!これで今年もばっちりだわ!」
もなかは嬉しくなってゆずをふんわり抱きしめた。
「そ、そう・・・よかった、ね」
やっぱりもなねえに相談しない方がよかったかな・・・とゆずは少しだけ後悔していた。
「ゆずは自分で作るんでしょ」
「う、うん・・・」
「じゃあさ、お礼に、私のオリジナルレシピ教えてあげる」
「いいの⁉︎」
「もちろん。これゆずのアイディアなんだし。うちで出すのともちょっと違う特別レシピにしましょうよ!」
「うん・・・もなねえ、ありがとう!」
ずっと曇っていたゆずの顔が、パッと明るくなった。
「それにしても、ことしのゆずは去年までとは違うわね」
「そ、そう?か、変わらない、よ・・・」
もなかの一言に、ゆずは赤くなって俯いた。
「そうかなぁ。なんかバレンタインにすっごく気合い入ってるっていうかぁ」
もなかはニヤニヤしながら、ゆずの顔を覗き込んだ。
「も、もなねえ!」
真っ赤な顔のゆずが、もなかの腕を必死にぽこぽこ叩いた。
「あはは。ごめんごめん・・・頑張ってね」
そんなゆずを、もなかは優しい目でみつめた。
「もなねえ、今年のバレンタインチョコはどんなのにするの?」
「ずっと考えてるんだけど、去年と同じじゃつまらないかなって思うと、なんか決まらなくてねぇ」
もなかは、去年のバレンタインデーに、ケーキとチョコの限定メニューを販売した。
去年は作った数が少なかったこともあり、どちらもあっさり完売してしまった。
それで今年はもっと販売数を増やして、より多くのお客様(多くは成和学園の生徒)に喜んでもらえそうなものがないか、年が明けてからずっと考えていたのだ。
「限定ケーキはいいんだけどね。バレンタインチョコがイマイチなのよねぇ」
「そうなんだ・・・私、こんなの作ろうと思ってるんだけど、もなねえ、どう思う?」
ゆずはわかりやすく絵に描いて持ってきていた。
箱に入った生チョコ、ケーク・オ・ショコラ、ブラウニーが描かれていた。
デコレーションにさりげなくハートが入っていたり、とてもかわいらしい。
「どれどれ・・・あら、いいじゃない。でも一人分だと、量、多すぎない」
「そうなの・・・あんまり日持ちしないものばかりだから、どうしようかなって」
どうすればいいかわからなくなってしまったゆずが、もなかに尋ねてきたのだった。
「そうよねぇ・・・」
ゆずの言葉に、もなかも腕を組んで考え始めた。
「・・・だったらさ!」
何か思いついたもなかが、手を叩きながらゆずを見た。
「みんな小さくしちゃえば!
ショコラもブラウニーも生チョコサイズに小さく焼けば、コロコロ並んでて可愛いわよ」
「そっか!それなら食べ切れそうだね!」
やっぱりもなねえに相談してよかった、とゆずは思った。
「・・・ねえゆず。そのレシピ、使わせてもらってもいい?ゆずの美味しそうな絵を見たら、私も食べてみたくなっちゃった」
もなかがゆずにすり寄ってきた。
「えっ⁉︎ど、どういうこと?」
「うちのバレンタイン限定のプレゼント用チョコにしたいなぁって、ね」
ゆず相手にかわいらしくパチパチ瞬きでアピールするもなか。
「・・・い、いいよ」
大和君だけにあげるつもりなのに・・・ゆずは複雑な気持ちで返事した。
「ありがとう、ゆず!これで今年もばっちりだわ!」
もなかは嬉しくなってゆずをふんわり抱きしめた。
「そ、そう・・・よかった、ね」
やっぱりもなねえに相談しない方がよかったかな・・・とゆずは少しだけ後悔していた。
「ゆずは自分で作るんでしょ」
「う、うん・・・」
「じゃあさ、お礼に、私のオリジナルレシピ教えてあげる」
「いいの⁉︎」
「もちろん。これゆずのアイディアなんだし。うちで出すのともちょっと違う特別レシピにしましょうよ!」
「うん・・・もなねえ、ありがとう!」
ずっと曇っていたゆずの顔が、パッと明るくなった。
「それにしても、ことしのゆずは去年までとは違うわね」
「そ、そう?か、変わらない、よ・・・」
もなかの一言に、ゆずは赤くなって俯いた。
「そうかなぁ。なんかバレンタインにすっごく気合い入ってるっていうかぁ」
もなかはニヤニヤしながら、ゆずの顔を覗き込んだ。
「も、もなねえ!」
真っ赤な顔のゆずが、もなかの腕を必死にぽこぽこ叩いた。
「あはは。ごめんごめん・・・頑張ってね」
そんなゆずを、もなかは優しい目でみつめた。
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