378 / 428
2
25
しおりを挟む
「これ、落ち着くから」
「・・・ありがとう」
彩香をベンチに座らせた史紀は、自販機で彩香の好きなホットミルクティーを買ってきて渡し、隣に座った。
彩香は暖かいペットボトルを両手で持ったまま俯いている。
そんな彩香の姿を見ながら史紀は静かに尋ねた。
「・・・今日はどうしてここに?」
「・・・修学旅行でね、京都に来たの・・・今日だけ別行動させてもらって・・・次に史紀くんに会ったときに、またあんなふうにならないようにって思って・・・ここに来れば、変わるのかなって・・・」
彩香は俯いたままゆっくり答えた。
「そっか・・・じゃあ僕は邪魔だったかな?」
寂しそうに笑う史紀。
「ううん。ちゃんと謝りたかったし・・・会えてよかった」
「でも、僕がいたんじゃまた雄大さんのこと・・・」
言ってからしまったと思ったのか、史紀は口ごもった。
「ここに来てもあまり思い出さなかったの・・・
私ね、小さい頃のこと、忘れちゃってるみたいなんだ」
少しだけ史紀の方を向いて、彩香が静かに微笑んだ。
「えっ⁉︎」
「この前のバイト先、私、小さい頃によく行ってたところなんだって。
お母さん同士がお友達で。
でもね、私、今も全然思い出せないの。
アルバイト始めたのも偶然で・・・」
伏目がちに、彩香は続けた。
「・・・パパのことと関係あるみたい。
そんなはずないって、心のどこかで思っていたんだけど・・・
この前史紀くんに会って、やっぱりそうなのかなって思ったんだ・・・
それでね、ここに来ればもしかしたらって・・・」
史紀は言葉が見つからなかった。
「・・・ありがとう」
彩香をベンチに座らせた史紀は、自販機で彩香の好きなホットミルクティーを買ってきて渡し、隣に座った。
彩香は暖かいペットボトルを両手で持ったまま俯いている。
そんな彩香の姿を見ながら史紀は静かに尋ねた。
「・・・今日はどうしてここに?」
「・・・修学旅行でね、京都に来たの・・・今日だけ別行動させてもらって・・・次に史紀くんに会ったときに、またあんなふうにならないようにって思って・・・ここに来れば、変わるのかなって・・・」
彩香は俯いたままゆっくり答えた。
「そっか・・・じゃあ僕は邪魔だったかな?」
寂しそうに笑う史紀。
「ううん。ちゃんと謝りたかったし・・・会えてよかった」
「でも、僕がいたんじゃまた雄大さんのこと・・・」
言ってからしまったと思ったのか、史紀は口ごもった。
「ここに来てもあまり思い出さなかったの・・・
私ね、小さい頃のこと、忘れちゃってるみたいなんだ」
少しだけ史紀の方を向いて、彩香が静かに微笑んだ。
「えっ⁉︎」
「この前のバイト先、私、小さい頃によく行ってたところなんだって。
お母さん同士がお友達で。
でもね、私、今も全然思い出せないの。
アルバイト始めたのも偶然で・・・」
伏目がちに、彩香は続けた。
「・・・パパのことと関係あるみたい。
そんなはずないって、心のどこかで思っていたんだけど・・・
この前史紀くんに会って、やっぱりそうなのかなって思ったんだ・・・
それでね、ここに来ればもしかしたらって・・・」
史紀は言葉が見つからなかった。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?
九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。
で、パンツを持っていくのを忘れる。
というのはよくある笑い話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる