家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「彩香は次の駅だよな?」
2人は京都駅から電車に乗っていた。
「うん。住んでたところも割と駅から近いんだ。鷹文くんは嵐山だっけ?」
「ああ。川沿いの旅館に滞在してるらしい」
「いいなぁ。桂川沿いってきれいなのよね」
と話していると、彩香の降りる駅に到着した。
「こっちは2時間くらいで終わると思うから、終わったら連絡するよ」
「うん。気をつけてね。いってらっしゃい」
「彩香もな」
彩香が小さく手を振ると、ドアが閉まり電車が走り出した。
「・・・」
彩香はザックのストラップをキュッと握りしめ、改札に向かって歩き始めた。

駅を出た彩香は、目的地の元の自宅のマンションとは逆方向を歩き始めた。
カメラも首にぶら下げてある。
「みんなでお買い物に行ったのって、確か・・・」
しばらく歩くと、良く買い物に来ていた商店街が見つかった。
「変わっちゃったのかな・・・あんまり覚えてるお店ないみたい・・・」
まだ早い時間ということもあり、ほとんどの店が閉まっていたが、彩香の記憶とはうまく重ならなかった。それでも、今と同じようにカメラを持って雄大と歩いたことをなんとなく思い出し、良さそうな場所を見つけると、立ち止まって写真を撮っていった。
「・・・こっちには確か」
近くに友達の家が会ったことを思い出した彩香は、隣の通りに入った。
「どの家だろう?」
しばらく歩いたのだがどの家かもわからず、表札を見ても苗字が思い出せなかった。
「翠ちゃんの苗字って・・・」
さらにしばらく歩いた後、諦めた彩香はそろそろマンションに行こうと駅に向かって歩き始めた。
しばらく歩いてわかったのだが、街の景色は今の自宅付近とほとんど変わることもなく、雄大のことを思い出させるようなものは何もなかった。
「写真撮りに行ったところの方がいいのかな?」
そんなふうに考えながら駅を通り過ぎて歩いていくと、小学校が見えてきた。
「・・・こんな学校だったんだ」
小学校の記憶もやはり曖昧で、ここに学校があったということは覚えているのだが、翠ちゃんたちと遊んだことくらいしか思い出せなかった。
「こっちが通学路だったよね?」
小学生の自分を思い出しながら、彩香は通学路を以前の自宅へ向かってゆっくり歩いて行った。
「こんなところにコンビニなんてあったっけ?」
と思いながら通り過ぎると、見覚えのある建物が道の先に見えてきた。
「意外と近かったんだな・・・」
学校から、今の歩幅だとゆっくり歩いても5分くらいで、彩香の住んでいたマンションに着いてしまった。
「・・・4階だよね」
さすがに入るのは気が引けた彩香は、カメラを構えて写真を数枚撮った。
それからしばらく、少しだけ懐かしさを感じながらマンションの周囲の道を歩いた彩香は、
「・・・嵐山に行こうかな?」
と駅に向かって歩き始めた。

しばらく歩き小学校近くまで戻ってきたところで、コンビニから出てくる人影に気づいた。
「・・・史紀くん」
立ち止まった彩香に気づいた史紀は、彩香のそばに駆け寄った。
「彩香!どうしてここに?」
いるはずのない彩香を見つけた史紀は驚いた様子だった。
「・・・この前はごめんね」
「いや、あのときは僕が悪かったんだ。彩香、ごめん」
史紀は頭を下げた。
「ううん。私ね・・・パパのこと思い出しちゃったの。今まで全然そんなことなかったのに・・・別に忘れてたわけじゃないのよ。でも、史紀くんに会って、パパと3人で写真撮りにいったこと、一度にたくさん思い出しちゃって・・・なんだか怖くなって、それで・・・」
彩香は自分を抱きしめるようにして俯いた。
「彩香・・・」
「パパ、生きてるはずなのにね。あんな思い出し方・・・」
彩香は必死に笑おうとしていたが、笑顔が歪んでいた。
「・・・彩香、ちょっとこっちに」
彩香の腕を取ると、史紀は近くの公園に向かった。
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