家政婦さんは同級生のメイド女子高生

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「明衣、大和くん、待ってよぉ!」
なみもりが二人を追いかけてきた。
「なみもり、置いてっちゃうよ!」
明衣が笑いながら逃げていく。
「ねえ、それ、大声で言わないでよ!」
「いいじゃあん、どうせなみもりなんだから!」
「ってか、私たちなんで走ってるの?」
「・・・だね」
なみもりの言葉に冷静になった明衣は、やっと走るのをやめた。
「大和!あんたもいい加減止まりなさいよ!なんで走るかなぁ」
「お前らが追いかけてくるからだろ!」
大和も止まった。
「はぁ~疲れたぁ。ちょっと休憩」
「・・・ったく、汗かいちまったじゃねえかよ」
「あんたが逃げるのが悪い!」
ポカっと大和頭を叩いた。
「痛えな、明衣」
「いい気味だ」
なみもりはふふっと笑った。
「なみもり、お前って意外と冷たいやつだったんだな」
「そ、そんなことないわよ。あんたが逃げるのが悪いんでしょ!」
どうやら女子には勝てないようだった。

「なみもり、ゆずは?」
「後ろから来てる・・・ないね」
「なんだ、ゆずちゃんはぐれちゃったのか?」
「そんなことないでしょ、次の場所知ってるはずだし。少し待ってみよっか」
「そうだね」
息を沈めたかったのもあって、3人はその場でしばらく立ち止まることにした。

しばらく待ってみたが、ゆずの姿は現れない。
「なあ、明衣、やっぱり迷っちゃったんじゃねえの?」
「仕方ないなぁ。じゃあ戻りながら探してみよっか」
一行は今来た道を引き返し始めた。

「・・・いない、ね」
ほとんど河原まで戻ってきたのだが、ゆずの姿はどこにもなかった。
「おい、さすがにまずいんじゃないか」
「大丈夫だよ・・・ゆずだって子供じゃないんだし」
と言いながらも明衣の表情もだんだん不安そうになってきた。
「でもさぁ。新幹線の中でゆず、言ってたよ。『私、よく迷子になるんだぁ』って」
「えっ、冗談だよね?」
ふるふると首を振るなみもり。
「まじ?」
「なんか入学式の日も迷いそうで怖いから、かなり早めに出たとか言ってた」
「・・・それってかなりやばいんじゃないのか?」
「電話すればいいんじゃん!」
「あっ、そうだな」
明衣はすぐにゆずに電話した。
「電源入ってないって・・・」
「まじかよ!」
「と、とにかく、探そう!」
「そうだな。でもよ、さすがに先生に連絡した方が良くないか?」
「そ、そうなんだけどね・・・少しだけ探してから」
「・・・彩香に聞いてみようよ。彩香なら私たちより京都のこと詳しいはずだし!」
「そうだ!彩香ちゃんだ」
「わ、わかった、彩香、彩香・・・」
明衣は震える手でスマホを操作した。
「彩香、早く出て・・・」
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