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プロローグ
第2話 シャルテ、とっとと帰る
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一度わたしシャルテは神像の前へ戻り水晶とやらに触れることにした。
それはもう派手なほど光り輝きました。
ついでのように神像も輝き、ご苦労様と創造神様のお声を頂きましたよ。
聖女認定の儀式に対してなのか、シャルロッテさんの治療なのか、おデブさんへの対応なのか、迷うところです。
それから再びシャルロッテさんの部屋へ。
軽く食事を摂っているようでなによりです。
治療後すぐなのに中々わたしの治療は効き目が良過ぎるようです。
「無事神官や参拝者の目前で聖女と認定されて来ました。
まぶしいくらいなのに太陽を見たときのような眼に残ると言うことは無いのですね。
さすが気の利く創造神様です。
旅の途中でもお気遣いに助けられました。」
「ご苦労様でした。
あら、創造神様の二番煎じになってしまいましたね。
ごめんなさいね。
オフラン王国ではエルフが珍しいから襲われたでしょう?
違法奴隷を放置している王国が悪いのよ。
エルフの里に接するドイテ王国みたいにエルフたち総掛かりの反撃を受けてみないと分からないのね。
エルフたちがその気に成ったらオフランなんて簡単に滅ぼされてしまうのに。
この国では精霊にも馴染みが無いから怖さも知らないの。
エルフの里から大して離れてもいないのに精霊を見られないなんて精霊にも嫌われてるのね。」
「あの聖女様のご予定を決めたいのですけれど。」
脇に控えていた神官が口を挟んだ。
「この後王城で陛下に謁見していただき、3日後からは民へ治癒を施して頂きたいのですが。」
「致しません。
わたしダイ〇ンじゃないけど、致しません。
わたし神殿にも国にも所属するつもりはありませんし、施すとかしませんよ?
フリーランスです。
ここへはシャルロッテさんの治療に来ただけですし、すぐ帰ります。」
「いや、聖女たる者、民へ慈悲を施すことが神の意思ではありませんか。」
「おや?この方も創造神様とお話できるのですか?」
「いえ?今の世では聖女様とわたしだけですよ?」
「ならば神様のご意思を語ったこの方は?
どこかにそうと書いて有るのですか?
創造神様のご意思であると確認されたのですか?」
「い、いえ、そう言う訳ではありませんが、その為に聖女様は遣わされたのではないのですか?」
「あら、嫌だ。
ご自分の思い込みを神様の名を使って強要しようだなんて。
そうやって聖女は使い潰されて来たのですね。
第一、わたしは施しや集りが嫌いだと創造神様にお話ししてあります。
創造神様もわたしを貴族の生まれにしてノブレスなんちゃらを課さなくて良かったと笑っておられました。」
「あら、そうね。
経典のどこにもそんなこと書いて無いわ。
わたしたちの思い込みでそうして来たのね。
神殿や国の利益だけを考えていたのかしら。
創造神様のご意思も聖女様のご意思も確認してなかったわね。」
「どうせ過去の記録も都合の悪いことは削除されて書き換えられてるんでしょ?
言い続ければ嘘も真実になっちゃうんだよね?
それもあって今回は長命種のわたしが選ばれたと創造神様が言ってらしたよ。
2~300年で書き換えられないように。」
30~50年で代替わりをするのが面倒だとも言ってたけど、内緒だ。
「そうなのね。
今以前の真実は見つからないかもしれないけれど、今代は本人が人伝てで変わっていく内容を修正できるのね。
わたしが元気に成ったら今度はわたしが会いに行くわ。
エルフの里へは入れてもらえるかしら。」
「どうかな。
長は長だからね。
シャルロッテさんなら入れてくれそうな気もするわ。
精霊樹を見てもらいたいしね。
シャルロッテさんならきっと大精霊の声も聞こえるわ。
人族を代表して精霊の扱いに対する愚痴を聞かされるかもしれないけど。」
そしてシャルテはエルフの里へ帰って行った。
沢山の襲撃を撃退しながら。
それはもう派手なほど光り輝きました。
ついでのように神像も輝き、ご苦労様と創造神様のお声を頂きましたよ。
聖女認定の儀式に対してなのか、シャルロッテさんの治療なのか、おデブさんへの対応なのか、迷うところです。
それから再びシャルロッテさんの部屋へ。
軽く食事を摂っているようでなによりです。
治療後すぐなのに中々わたしの治療は効き目が良過ぎるようです。
「無事神官や参拝者の目前で聖女と認定されて来ました。
まぶしいくらいなのに太陽を見たときのような眼に残ると言うことは無いのですね。
さすが気の利く創造神様です。
旅の途中でもお気遣いに助けられました。」
「ご苦労様でした。
あら、創造神様の二番煎じになってしまいましたね。
ごめんなさいね。
オフラン王国ではエルフが珍しいから襲われたでしょう?
違法奴隷を放置している王国が悪いのよ。
エルフの里に接するドイテ王国みたいにエルフたち総掛かりの反撃を受けてみないと分からないのね。
エルフたちがその気に成ったらオフランなんて簡単に滅ぼされてしまうのに。
この国では精霊にも馴染みが無いから怖さも知らないの。
エルフの里から大して離れてもいないのに精霊を見られないなんて精霊にも嫌われてるのね。」
「あの聖女様のご予定を決めたいのですけれど。」
脇に控えていた神官が口を挟んだ。
「この後王城で陛下に謁見していただき、3日後からは民へ治癒を施して頂きたいのですが。」
「致しません。
わたしダイ〇ンじゃないけど、致しません。
わたし神殿にも国にも所属するつもりはありませんし、施すとかしませんよ?
フリーランスです。
ここへはシャルロッテさんの治療に来ただけですし、すぐ帰ります。」
「いや、聖女たる者、民へ慈悲を施すことが神の意思ではありませんか。」
「おや?この方も創造神様とお話できるのですか?」
「いえ?今の世では聖女様とわたしだけですよ?」
「ならば神様のご意思を語ったこの方は?
どこかにそうと書いて有るのですか?
創造神様のご意思であると確認されたのですか?」
「い、いえ、そう言う訳ではありませんが、その為に聖女様は遣わされたのではないのですか?」
「あら、嫌だ。
ご自分の思い込みを神様の名を使って強要しようだなんて。
そうやって聖女は使い潰されて来たのですね。
第一、わたしは施しや集りが嫌いだと創造神様にお話ししてあります。
創造神様もわたしを貴族の生まれにしてノブレスなんちゃらを課さなくて良かったと笑っておられました。」
「あら、そうね。
経典のどこにもそんなこと書いて無いわ。
わたしたちの思い込みでそうして来たのね。
神殿や国の利益だけを考えていたのかしら。
創造神様のご意思も聖女様のご意思も確認してなかったわね。」
「どうせ過去の記録も都合の悪いことは削除されて書き換えられてるんでしょ?
言い続ければ嘘も真実になっちゃうんだよね?
それもあって今回は長命種のわたしが選ばれたと創造神様が言ってらしたよ。
2~300年で書き換えられないように。」
30~50年で代替わりをするのが面倒だとも言ってたけど、内緒だ。
「そうなのね。
今以前の真実は見つからないかもしれないけれど、今代は本人が人伝てで変わっていく内容を修正できるのね。
わたしが元気に成ったら今度はわたしが会いに行くわ。
エルフの里へは入れてもらえるかしら。」
「どうかな。
長は長だからね。
シャルロッテさんなら入れてくれそうな気もするわ。
精霊樹を見てもらいたいしね。
シャルロッテさんならきっと大精霊の声も聞こえるわ。
人族を代表して精霊の扱いに対する愚痴を聞かされるかもしれないけど。」
そしてシャルテはエルフの里へ帰って行った。
沢山の襲撃を撃退しながら。
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