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3章 こんな私でも
156話 知ったかぶり
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Aurelian Side
「出ないな」
2、3回電話をかけてしまったが、メッセージを送ってもreadがつかない。珍しい。考えられることは3つある。1、彼女が本当に思い詰めてしまった、2、彼女を脅かす存在がいた、3、気持ちの問題。
だとしても、こんなことがあっただろうか。あれが脳裏に蘇る。本当に彼女の息が止まったとき、あのときは本当に焦った。今からでも遅くない。現在時刻、12時40分。午後の授業をサボり、こっそり抜け出すのもありだ。彼女は朝から欠席。先生に聞いてもあしらわれた。12時間以上も連絡がない。
留守電を入れておこう。今から家に行くと――。
教室を出て、目立たない校舎と校舎の隙間に立った。人通りがないから、だれかの声が入ることはない。メッセージアプリを開き、そこから通話ボタンをを押した。コール音のあと、ぶつり、と切る音がする。
『どなたですか』
(男? いや、この声をどこかで聞いたような)
思い出した。母と一緒にノクティス家に行ったとき、不機嫌な態度をとった男だ。その前にショッピングモールでも会ったな。いちおう、失礼のないよう感情を鎮める。
『ご無沙汰しております。ローレンティアのクラスメートであるオーレリアン・ヴェントルです。ローレンティアのお父様ですか?』
『そうだが。なぜ娘に電話をかけてきた?』
思ったより怒りがむき出しだな。
『今日、授業に参加していなかったので連絡しました。何かあったのですか?』
『お前には関係ない』
『あ、ちょっ……』
……切られた。仕方なくアプリを落とし、ポケットにスマホを突っ込む。
やはり、家に行くしかないのか? そもそも、ローレンティアの使うスマホなのに、父親が出たことも不自然だな。何か知っていそうだ。身内の争いかもしれない。
そういえば、昨日……真夜中なのにJHSぽい人が彷徨っていたと聞いたな。もう少し情報を仕入れれば、それがだれかわかるかも。ローレンティアではなさそうだから、その妹のフラヴィアナか? だとしても非現実的だな。昨日は久しぶりに雪が積もっていたし、凍えるほど寒かった。防寒具なしに? ひとりで? 考えにくいが、その線をたどってみよう。
「うわ……あいつまた来たの?」
「薄汚い」
「はしたない」
「本当、なんであんたみたいなやつが生きてるんだろ」
「?」
背中の向こう側から声が聞こえる。だが、俺ではなさそうだ。柱に隠れていたから彼女たちには見えない。……1、2、3。あのクラスメート、噂話で脳内お花畑の女子生徒。彼女たちの標的は、だれでもいい。だれかを下に見たいから。今回は……だれだ。会話内容から、ローレンティアではないことはわかる。……去ってしまったから声が聞こえない。にしても懲りないやつらだ。一度、痛い目を見ないとわからないだろう。3人組が、俺の殴ったやつらと重なった。同類。
なんで、こういつやつらほど能天気に生きているんだろう。腹立たしい。鼻歌を歌って、言葉で閉じ込めて、ぎゅっと拘束する。溺れた手を振り払って嘲笑う。そういう人たちは、死んでも質が悪いまま。
「出ないな」
2、3回電話をかけてしまったが、メッセージを送ってもreadがつかない。珍しい。考えられることは3つある。1、彼女が本当に思い詰めてしまった、2、彼女を脅かす存在がいた、3、気持ちの問題。
だとしても、こんなことがあっただろうか。あれが脳裏に蘇る。本当に彼女の息が止まったとき、あのときは本当に焦った。今からでも遅くない。現在時刻、12時40分。午後の授業をサボり、こっそり抜け出すのもありだ。彼女は朝から欠席。先生に聞いてもあしらわれた。12時間以上も連絡がない。
留守電を入れておこう。今から家に行くと――。
教室を出て、目立たない校舎と校舎の隙間に立った。人通りがないから、だれかの声が入ることはない。メッセージアプリを開き、そこから通話ボタンをを押した。コール音のあと、ぶつり、と切る音がする。
『どなたですか』
(男? いや、この声をどこかで聞いたような)
思い出した。母と一緒にノクティス家に行ったとき、不機嫌な態度をとった男だ。その前にショッピングモールでも会ったな。いちおう、失礼のないよう感情を鎮める。
『ご無沙汰しております。ローレンティアのクラスメートであるオーレリアン・ヴェントルです。ローレンティアのお父様ですか?』
『そうだが。なぜ娘に電話をかけてきた?』
思ったより怒りがむき出しだな。
『今日、授業に参加していなかったので連絡しました。何かあったのですか?』
『お前には関係ない』
『あ、ちょっ……』
……切られた。仕方なくアプリを落とし、ポケットにスマホを突っ込む。
やはり、家に行くしかないのか? そもそも、ローレンティアの使うスマホなのに、父親が出たことも不自然だな。何か知っていそうだ。身内の争いかもしれない。
そういえば、昨日……真夜中なのにJHSぽい人が彷徨っていたと聞いたな。もう少し情報を仕入れれば、それがだれかわかるかも。ローレンティアではなさそうだから、その妹のフラヴィアナか? だとしても非現実的だな。昨日は久しぶりに雪が積もっていたし、凍えるほど寒かった。防寒具なしに? ひとりで? 考えにくいが、その線をたどってみよう。
「うわ……あいつまた来たの?」
「薄汚い」
「はしたない」
「本当、なんであんたみたいなやつが生きてるんだろ」
「?」
背中の向こう側から声が聞こえる。だが、俺ではなさそうだ。柱に隠れていたから彼女たちには見えない。……1、2、3。あのクラスメート、噂話で脳内お花畑の女子生徒。彼女たちの標的は、だれでもいい。だれかを下に見たいから。今回は……だれだ。会話内容から、ローレンティアではないことはわかる。……去ってしまったから声が聞こえない。にしても懲りないやつらだ。一度、痛い目を見ないとわからないだろう。3人組が、俺の殴ったやつらと重なった。同類。
なんで、こういつやつらほど能天気に生きているんだろう。腹立たしい。鼻歌を歌って、言葉で閉じ込めて、ぎゅっと拘束する。溺れた手を振り払って嘲笑う。そういう人たちは、死んでも質が悪いまま。
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