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3章 こんな私でも
158話 告白
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「妹が私にソファーを投げたの。背もたれに当たっちゃって。今はもう大丈夫! 元気になったから」
「本当?」
「うん。父と妹が喧嘩してて。私が無理矢理間に入ったときだったから、感情が昂ったんだと思う」
「妹はどこにいるの?」
「それが、今行方がわからなくて。昨日の夜から姿を見ていないの。両親が仕事を休んでまで探しているんだけど。大雪裸足で行けるところなんてないと思う。JHSにも行っていないみたい」
オーレリアンのことは見えないけど、あの父のように言葉が鋭い。
「ソファーを投げるって乱暴だし、痛かったでしょう?」
「……大丈夫なの。こうして話せるから」
「顔見てない」
「作ってないからやだ」
「わかった」
意外とすぐ引っ込む。いつもみたいに駄々をこねると思っていたけど。
「正直、死ぬかと思った」
「……?」
どうせ聞かれるなら、最初に全部話してしまいたい。早く、楽に、なりたい。
「見えないものに対する怯えがあって。死ぬことが怖いって思った。あれほど待ち望んでいた瞬間だったけど。また同じように、本当に、あっさりと人生が終わるのはいやだった」
……何を言ってるんだろう。また妄言を。戯言。噓。まやかし。
「あなたのことが思い浮かんだの。私が死んだとき、本当の意味で感情をあらわにするのは、あなただけかもって」
「……」
「悲しみと怒りを混ぜたような、黒と紫が見える」
「話してくれてありがとう」
噓はやめよう。何の意味もないと知ったから。
「でも、もうそんなことしなくていいの。やっぱり、あなたと私は違う人だから」
「顔を見せて」
「これで終わりにして」
「……」
オーレリアンがゆっくり毛布を取る。静電気で髪の毛はめちゃくちゃ。疲れ切った顔も空気に触れて。見せたくなかったけど、いずれこうなることはわかっていた。
「ローレンティアは今生きてて、ここにいるよ」
「……?」
「俺がそばにいるよ」
この優しさはどこから来るもの? 寄りかかっていいもの?
「足りない人間でごめんなさい」
「いいよ。ローレンティアはそのままでいて」
「生まれてこなければよかった」
嫌な自分。私は私が一番嫌い。形、声、性格、どれも嫌い。大嫌い。自分のことなんか何も話したくない。だれも見たくない。見られたくない。気持ち悪い。吐き気がする。憎い。握り潰してしまいたい。要らない。
『消えてしまえばいいのに』
彼が死を望んだ一方で――
「生きていてくれてありがとう」
そうでない人だって、ここにいた。
オーレリアンは、私の乱れた髪をとって耳にかける。頬に手を添えられると温かくて、目を閉じた。寄りかかっていいのかな? 目頭が熱い。消えてしまうほど儚い。
「出会えてよかった」
「本当?」
「うん。父と妹が喧嘩してて。私が無理矢理間に入ったときだったから、感情が昂ったんだと思う」
「妹はどこにいるの?」
「それが、今行方がわからなくて。昨日の夜から姿を見ていないの。両親が仕事を休んでまで探しているんだけど。大雪裸足で行けるところなんてないと思う。JHSにも行っていないみたい」
オーレリアンのことは見えないけど、あの父のように言葉が鋭い。
「ソファーを投げるって乱暴だし、痛かったでしょう?」
「……大丈夫なの。こうして話せるから」
「顔見てない」
「作ってないからやだ」
「わかった」
意外とすぐ引っ込む。いつもみたいに駄々をこねると思っていたけど。
「正直、死ぬかと思った」
「……?」
どうせ聞かれるなら、最初に全部話してしまいたい。早く、楽に、なりたい。
「見えないものに対する怯えがあって。死ぬことが怖いって思った。あれほど待ち望んでいた瞬間だったけど。また同じように、本当に、あっさりと人生が終わるのはいやだった」
……何を言ってるんだろう。また妄言を。戯言。噓。まやかし。
「あなたのことが思い浮かんだの。私が死んだとき、本当の意味で感情をあらわにするのは、あなただけかもって」
「……」
「悲しみと怒りを混ぜたような、黒と紫が見える」
「話してくれてありがとう」
噓はやめよう。何の意味もないと知ったから。
「でも、もうそんなことしなくていいの。やっぱり、あなたと私は違う人だから」
「顔を見せて」
「これで終わりにして」
「……」
オーレリアンがゆっくり毛布を取る。静電気で髪の毛はめちゃくちゃ。疲れ切った顔も空気に触れて。見せたくなかったけど、いずれこうなることはわかっていた。
「ローレンティアは今生きてて、ここにいるよ」
「……?」
「俺がそばにいるよ」
この優しさはどこから来るもの? 寄りかかっていいもの?
「足りない人間でごめんなさい」
「いいよ。ローレンティアはそのままでいて」
「生まれてこなければよかった」
嫌な自分。私は私が一番嫌い。形、声、性格、どれも嫌い。大嫌い。自分のことなんか何も話したくない。だれも見たくない。見られたくない。気持ち悪い。吐き気がする。憎い。握り潰してしまいたい。要らない。
『消えてしまえばいいのに』
彼が死を望んだ一方で――
「生きていてくれてありがとう」
そうでない人だって、ここにいた。
オーレリアンは、私の乱れた髪をとって耳にかける。頬に手を添えられると温かくて、目を閉じた。寄りかかっていいのかな? 目頭が熱い。消えてしまうほど儚い。
「出会えてよかった」
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