あなたが初めて

はなおくら

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「お母様…お父様ほ喧嘩したことはあった?」

 母の顔をみると、母は懐かしそうに遠くを見つめていた。

「そんなこともあったわね…。」

「そう言う時どうして仲直りしたの?」

 母の顔を見つめると、にこやかに笑った。

「お互い諦めなかった…からかな…。」


 母は私の質問の意図がわかっていたのだと思う。

 わたしは正直に話す事にした。

「わたしね、ユノ様が好きになったの…でもうまくいってたような気になっていたけど、彼は違ったみたい…。」

 言葉にしてみると何だか悲しくなってきて泣けてきた。

 母に抱きしめられながらわたしはたくさん泣いた。

 しばらくしてようやく落ち着いた頃、私の気持ちは固まっていた。

「お母様、わたし諦めたくない…彼と一緒にいたい。」

「そう、わたしはあなたを応援するわ。さぁ、もう遅いから寝なさい。」

 そういうと母はわたしに布団をかけてくれた。

 泣き疲れたせいで疲れていたのかあっという間に眠りに落ちたのだった。

 次の日、目が覚めると父がニコニコと食堂で食事をしている。

 そんな父の様子を母は呆れたような表情を浮かべて見ている。

「あなた…。」

 母の一言に父も真顔を治しながらわたしにいった。

「マリー、働いてみるのはどうかな?」

 突然の提案に驚きながら、父が何か書かれた紙を渡してきた。

 そこに書かれていたのはエトリール子爵家の使用人となる紹介状だった。

「これは…!」

 お父様の顔をみると、父は優しく微笑みながら言った。

「ダメかもしれない、それでもやってみることは大切に思うんだ。」

 両親がわたしのために動いてくれたのだと泣けてきた。

「お父様、お母様…ありがとう…わたしやってみるわ!」

 そうしてわたしは両親の後押しのおかげもありユノ様のいるエトリール子爵家に使用人として勤める事になった。

 お見合いの時は対等であったけれどこれからは使用人としてわきまえて行動しなければならない。

 うまく行くかはわからないけれど、やれることはやろうと決心したのだった。

「あの、こちらで働かせていただく事になったマリーと申します。」

 庭いじりをしていた青年に声をかけると、彼はにこやかに笑った。

「やぁ!新しい人だね、執事のロイドさんのところに案内するよ。」

 麦わら帽子が似合う青年の案内についていった。

 屋敷の裏の入り口に案内されて、食堂に入った。

「ロイドさん!新しい人連れてきましたよ!」

「ジーク、ありがとう。」

 銀髪に白髪が混じった初老の男性は、服をビシッと着こなしてわたしの方に歩いてきた。
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