愛しい心は千歳よりさらに

はなおくら

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 翌朝、白い着物に着替えて言われた広間に向かった。

 部屋に入ると、右に金髪の目と長髪の男の子、左に銀髪の目と長髪の男の子が立っていた。

「「キヨ様、おはようございます。」」

「…おはようございます。」

 誰だろうと戸惑いながら見ていると、二人の男の子はクスクスと笑って言った。

「改めて自己紹介いたします。」

 そう金髪の男の子が礼をして話し出す。

「僕がきつめです。そしてこの銀髪の方が相棒の…、」

「きつなです。キヨ様とはずっとお話したかったのです。」

 そう言って二人はにっこりと笑った。

「きつなときつめ…?…正直驚いて言葉が出てきませんが…本当にお二人は…?」

 二人の挨拶にこれは夢ではないのかと思うほど驚く事だった。

「はい!僕たちはキヨ様に感謝しているのです。このお役目を引き受けてくださったのもありますが、今吉殿の所にきてからも親切にしてくださった。」

 そうきつなが言った。

「それは、貴方たちは私の大切な家族だから…。」

 本心だった。この子達がいてくれたおかげで家の中が明るくなったの事実だった。

 2人は嬉しそうに照れた顔をしている。人形になってもその仕草は変わらないのだと安心した。

 その時キヨはハッとした。今吉はあれからどうしているのだろうか2人なら知っているかもしれない。

「きつな、きつめ、私が家を出てから今吉さんはどうしていますか?」

 キヨの問いに2人は黙った。それから言いにくそうにきつめが口を開いた。

「…キヨ様…このお話は貴方にとって辛い現実となりましょう…それでもお聞きしますか?」

 そう聞かれると内心怖い、だがそれ以上に彼の安否が気になった。

「はい…教えてください…。」

 覚悟を決めて話しに耳を傾けた。

「僕たちの把握によりますと、今吉殿はあの杉沢家に無理矢理連れて行かれてしまいました。現状、酷い目にもあっておらずその屋敷で軟禁のような生活を送っております。」

 2人は悔しそうな顔でそう言った。

 キヨは今吉の現状にショックを受けたが、無事でいる事に安心した。

その中の1人きつめがまた口を開いた。

「キヨ様…申し訳ありません。2人の仲睦まじい姿は僕たちの自慢でした…それなのにお力になれず…。」

 申し訳なさそうにしている2人を見てキヨは静かに口を開いた。

「…いえ…2人のせいではありません。これもまた仕方のない事です。」

 それから長い沈黙が訪れた。キヨは場の空気を変えなければと修行の話を切り出した。

「この話はこれで終わりにしましょう。今日から修業と聞いたのですが、具体的にどうしたらいいのでしょうか?」
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