30 / 38
30
しおりを挟む
キヨがそう聞くときつなが答えた。
「修行といってもシンプルなものです。森の中で瞑想を行っていただき自分の身体に流れるエネルギーを回して行くのです。」
「エネルギーをまわす…なかなかむ難しいと…。」
頭でイメージしてみるがなかなか出来そうにない。
「何回かやって行くと自分自身の向いてる分野が出てくるでしょう。」
「…分野?」
キヨがそう返すときつめが言った。
「はい、過去ではもっとも多かったのは回復の能力他にもありますが、それぞれ人の持つ個性なので何が出るかはわかりません。」
頭で理解するのにはなかなか出来ないのでキヨは行動に移す事にした。
きつめときつなに連れられてついた場所は、人も獣も介入していないであろう森の中だった。
草が自分の背丈以上に生い茂り空を見上げても暗い印象を受けた。
「キヨ様、ここで一日一人で瞑想を行なっていただきます。」
できるかどうか先が見えない不安に駆られたがキヨはその場に座り込み目を閉じた。
「では僕達はひとまずここを離れます。頑張ってください。」
そういうときつめときつなは姿を消した。
「本当にできるのかしら?」
半信半疑になりながらも目を閉じた。
だがいざやってみても頭の中では、今吉との別れの事やいらぬ雑念が降ってくる。
この日はうまくいかずにきつめときつなに呼ばれて途方にくれて帰路についたのだった。
それから何日も何日も同じことを繰り返した。
するとやっていくうちに自分の身体に流れる気が身体を包んでいることを理解してきた。
「不思議…。」
キヨは驚いていた、ついこの間はこの流れてくる気すら感じ取れなかったのに。
そして何度も何度も同じことを続けて行くと次第に目にみえるようになってきた。
自分の体から溢れる気を体中に流して行く。
「この短期間でこれ程まで成長するとは…。」
キヨが顔を上げると獣神が嬉しそうにそう言った。
「神獣様?」
キヨが神獣を呼ぶと神獣は言った。
「あの草木に手を翳してみよ。」
キヨは言われたとおりに手をかざすと、向けた先の草木がキラキラと輝いて見えた。
「これは…。」
「そなたの持っているものは、浄化と癒しなのだろう。」
「浄化と…癒し?」
キヨが聞き返すと獣神は一呼吸置いて話出した。
「そなたには二つの才が見受けられる。この場の浄化をして後その物体を癒し元気にする事ができるのだ。」
獣神に説明されるが、自覚がなくぽかんとしてしまう。
「これほどの力が有ればそなたに勤めを任せても良いだろう。」
そう言って獣神は笑った。
「修行といってもシンプルなものです。森の中で瞑想を行っていただき自分の身体に流れるエネルギーを回して行くのです。」
「エネルギーをまわす…なかなかむ難しいと…。」
頭でイメージしてみるがなかなか出来そうにない。
「何回かやって行くと自分自身の向いてる分野が出てくるでしょう。」
「…分野?」
キヨがそう返すときつめが言った。
「はい、過去ではもっとも多かったのは回復の能力他にもありますが、それぞれ人の持つ個性なので何が出るかはわかりません。」
頭で理解するのにはなかなか出来ないのでキヨは行動に移す事にした。
きつめときつなに連れられてついた場所は、人も獣も介入していないであろう森の中だった。
草が自分の背丈以上に生い茂り空を見上げても暗い印象を受けた。
「キヨ様、ここで一日一人で瞑想を行なっていただきます。」
できるかどうか先が見えない不安に駆られたがキヨはその場に座り込み目を閉じた。
「では僕達はひとまずここを離れます。頑張ってください。」
そういうときつめときつなは姿を消した。
「本当にできるのかしら?」
半信半疑になりながらも目を閉じた。
だがいざやってみても頭の中では、今吉との別れの事やいらぬ雑念が降ってくる。
この日はうまくいかずにきつめときつなに呼ばれて途方にくれて帰路についたのだった。
それから何日も何日も同じことを繰り返した。
するとやっていくうちに自分の身体に流れる気が身体を包んでいることを理解してきた。
「不思議…。」
キヨは驚いていた、ついこの間はこの流れてくる気すら感じ取れなかったのに。
そして何度も何度も同じことを続けて行くと次第に目にみえるようになってきた。
自分の体から溢れる気を体中に流して行く。
「この短期間でこれ程まで成長するとは…。」
キヨが顔を上げると獣神が嬉しそうにそう言った。
「神獣様?」
キヨが神獣を呼ぶと神獣は言った。
「あの草木に手を翳してみよ。」
キヨは言われたとおりに手をかざすと、向けた先の草木がキラキラと輝いて見えた。
「これは…。」
「そなたの持っているものは、浄化と癒しなのだろう。」
「浄化と…癒し?」
キヨが聞き返すと獣神は一呼吸置いて話出した。
「そなたには二つの才が見受けられる。この場の浄化をして後その物体を癒し元気にする事ができるのだ。」
獣神に説明されるが、自覚がなくぽかんとしてしまう。
「これほどの力が有ればそなたに勤めを任せても良いだろう。」
そう言って獣神は笑った。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる