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7.彼女に想いを寄せる日(3)
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「コリーンになんとかさせる。あれでも聖女であり私の婚約者だ。結婚をちらつかせれば、なんとか動くだろう」
コリーンはクロヴィスと結婚をしたがっている。彼女がほしいのは王太子妃の地位であって、クロヴィスの愛情ではない。だからその地位を失ってもいいのかと脅せば、今度こそ力を使ってくれるはず。
「ですが、コリーン様は……」
アルフィーは何か言いたそうにしながらも、その先の言葉を言い淀んだ。
「なんだ。コリーンがどうした? はっきり言え。お前はコリーンの何を知っている?」
中途半端に言葉を濁すアルフィーに苛立ちすら覚える。
「……いえ、何も知りません。ただ、彼女の聖なる力は、本当に聖なる力なのかと疑っているだけです」
その言葉にクロヴィスは右の眉尻をひくりとあげた。ゆっくりと口を開く。その言葉を言っていいのかどうか、悩みながらも。
「お前も、そう思っているのか……」
アルフィーの目が大きく開いた。
「ということは、殿下も……?」
ウリヤナの前で聖なる力が現れたと口にしたコリーンは、その後、植物の成長促進をやってのけた。これも聖なる力の一つであり、聖なる力を認める際にもっともわかりやすい力であるとも言われている。
それを目にした国王も、コリーンを褒め称えた。
だがそれ以降、彼女はその聖なる力を使っていない。
地方の困窮を知らせ、幾度となくコリーンに頼んだが「疲れるから」という理由で、力を使わない。
もしかして、コリーンからも聖なる力が失われたのではないかと、クロヴィスは疑っている。彼女の力も、自分が奪ってしまったのだろうか。だが、それは知られてはならない事実。
クロヴィスは眉間に力を込めた。
しかし、あれはクロヴィスが口外しない限り、他の者には知られないはず。まして、聖女の彼女たちにとっては、なおさら知られたくない話だろう。
魔が差したわけではない。彼女たちを、いや、彼女だけを繋ぎ止めたかっただけなのに。
「とりあえず、ローレムバにはしばらく考えさせてほしいと返信するが……」
そんな悠長なことを言っている状況でないのもわかっている。しかし、この内容を受け入れてしまえば、すべてをローレムバの支配下に置かれてしまう。
それはクロヴィス一人で決められる内容でもない。正式に返事をするにしても、時間がかかる。
「アルフィー。ウリヤナを探せるか?」
「ウリヤナ様ですか? 彼女はどこかの修道院に身を寄せているのでは?」
幾度となく神殿に足を運んだ。神官長や侍女にも話を聞いた。彼らが口を揃えて言うのは、ウリヤナはどこかの修道院へいった。場所まではわからない。
「そのどこかを探し出して欲しい。探し出して、こちらに連れ戻せないか? 神殿だって、本来は彼女を手放したくないと言っていたではないか。つまり、神殿側はウリヤナが力を失っても、彼女に価値があると思っているわけだ。例えば、その力が戻ってくる可能性があるとか、な」
アルフィーは、首を横に振った。
「調べてはみますが……。あまり期待しないでください。ウリヤナ様が見つかったとしても、素直にこちらに戻ってきてくださいますかね?」
あのときのコリーンとのやりとりを思い出しても、ウリヤナが素直に言うことをきくとは思えない。なんやかんや言い訳をして、クロヴィスの側にいようとはしないだろう。
「どうだろうな。だが、カール子爵の名を出せば、戻ってきてくれるのではないか? ウリヤナは、私よりも家族を大事にしていた女性だったからな……」
クロヴィスは、ふん、と鼻から息を吐いた。
彼女に嫉妬してほしくて、他の女性を侍らせていた時期もある。だが、それを見たウリヤナから出てきた言葉は『婚約を解消しましょう』だった。
コリーンはクロヴィスと結婚をしたがっている。彼女がほしいのは王太子妃の地位であって、クロヴィスの愛情ではない。だからその地位を失ってもいいのかと脅せば、今度こそ力を使ってくれるはず。
「ですが、コリーン様は……」
アルフィーは何か言いたそうにしながらも、その先の言葉を言い淀んだ。
「なんだ。コリーンがどうした? はっきり言え。お前はコリーンの何を知っている?」
中途半端に言葉を濁すアルフィーに苛立ちすら覚える。
「……いえ、何も知りません。ただ、彼女の聖なる力は、本当に聖なる力なのかと疑っているだけです」
その言葉にクロヴィスは右の眉尻をひくりとあげた。ゆっくりと口を開く。その言葉を言っていいのかどうか、悩みながらも。
「お前も、そう思っているのか……」
アルフィーの目が大きく開いた。
「ということは、殿下も……?」
ウリヤナの前で聖なる力が現れたと口にしたコリーンは、その後、植物の成長促進をやってのけた。これも聖なる力の一つであり、聖なる力を認める際にもっともわかりやすい力であるとも言われている。
それを目にした国王も、コリーンを褒め称えた。
だがそれ以降、彼女はその聖なる力を使っていない。
地方の困窮を知らせ、幾度となくコリーンに頼んだが「疲れるから」という理由で、力を使わない。
もしかして、コリーンからも聖なる力が失われたのではないかと、クロヴィスは疑っている。彼女の力も、自分が奪ってしまったのだろうか。だが、それは知られてはならない事実。
クロヴィスは眉間に力を込めた。
しかし、あれはクロヴィスが口外しない限り、他の者には知られないはず。まして、聖女の彼女たちにとっては、なおさら知られたくない話だろう。
魔が差したわけではない。彼女たちを、いや、彼女だけを繋ぎ止めたかっただけなのに。
「とりあえず、ローレムバにはしばらく考えさせてほしいと返信するが……」
そんな悠長なことを言っている状況でないのもわかっている。しかし、この内容を受け入れてしまえば、すべてをローレムバの支配下に置かれてしまう。
それはクロヴィス一人で決められる内容でもない。正式に返事をするにしても、時間がかかる。
「アルフィー。ウリヤナを探せるか?」
「ウリヤナ様ですか? 彼女はどこかの修道院に身を寄せているのでは?」
幾度となく神殿に足を運んだ。神官長や侍女にも話を聞いた。彼らが口を揃えて言うのは、ウリヤナはどこかの修道院へいった。場所まではわからない。
「そのどこかを探し出して欲しい。探し出して、こちらに連れ戻せないか? 神殿だって、本来は彼女を手放したくないと言っていたではないか。つまり、神殿側はウリヤナが力を失っても、彼女に価値があると思っているわけだ。例えば、その力が戻ってくる可能性があるとか、な」
アルフィーは、首を横に振った。
「調べてはみますが……。あまり期待しないでください。ウリヤナ様が見つかったとしても、素直にこちらに戻ってきてくださいますかね?」
あのときのコリーンとのやりとりを思い出しても、ウリヤナが素直に言うことをきくとは思えない。なんやかんや言い訳をして、クロヴィスの側にいようとはしないだろう。
「どうだろうな。だが、カール子爵の名を出せば、戻ってきてくれるのではないか? ウリヤナは、私よりも家族を大事にしていた女性だったからな……」
クロヴィスは、ふん、と鼻から息を吐いた。
彼女に嫉妬してほしくて、他の女性を侍らせていた時期もある。だが、それを見たウリヤナから出てきた言葉は『婚約を解消しましょう』だった。
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