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内緒のデート(2)
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そしてこちらは、むさ苦しい男三人衆。
よく見ると、第五騎士隊のメンバーではないか。隊長、副隊長、とある隊員の三人。
お祭りの露店に併設されている喫茶スペースで、飲み物を飲んで休憩中の三人。とにかく、むさ苦しい。華やかさが一切無い。
「隊長、なんでミレーヌ嬢を連れてきてくれなかったんですか」
とぼやくのは、副隊長。
「ミレーヌにも友達の付き合いというものがあるのだ」
と同じようにマーティンもぼやく。
「むさいです。むなしいです」
と、とある隊員。
「何が悲しくて、この三人でお祭りなんですか」
と副隊長。
「我々には、同行してくれるような女性がいないからだろう」
マーティンがしれっと言う。事実。事実ではあるが、悲しい。だから、こんなにもむさ苦しい。やはり妹のミレーヌがこの場にいてくれたら、少しは華やいだのだろうか。明るくなったのだろうか、とも思っている。
「そういえば」と副隊長が口を開く。「さっき、恐ろしいモノを見ました」
「恐ろしいものだと?」
眉間に皺を寄せたマーティンが尋ねた。恐ろしいものとは何か。これから駆除しに行かねばならないようなものなのか。
「はい」内緒ですよ、と副隊長が言うので、むさ苦しい男は三人顔を寄せ合う。
「笑顔のエドガー隊長……」
ヒヤっと冷たい汗が背中を流れた。駆除の対象ではないが、笑えないくらいの恐ろしいものだ。
「それは、怖い。あの、エドガーが笑顔だと?」
マーティンが真顔で聞き返す。
「はい」
副隊長は、嘘はついていません、と言うようにしっかりと力強く頷く。
「しかも、とても素敵な女性を連れていました。あのエドガー隊長が、女性と手をつないで歩き、笑っていたんです。怖くないですか?」
副隊長の告白に、先ほどから背筋に冷たいものが流れ、止まらない。これが悪寒というものか。
「想像しただけで鳥肌が立つな」
言い、マーティンは露店で買った冷たい飲み物を、グイッと飲んだ。残念ながらアルコールではない。
結局この三人。お祭りに同行するような相手、家族がいないことから、休暇中にも関わらず、任務を任されてしまった。二つの隊が休暇となると、人手も足りないらしい。人手が最も多い日の今日、お祭りの見回り、という嬉しいのか悲しいのかわからない微妙な任務だった。
「隊長、噂をすれば。というやつではないですか?」
とある隊員が、小さな声で言う。
「あれ、エドガー隊長ですよね?」
エドガーに気づかれないように、彼はそっと指を向けた。
言われ、その隊員の指先を追いながら、マーティンは顔を向けた。
そこには、楽しそうに歩いているあのエドガーがいる。私服ではあるが、間違いなくエドガーだ。目の合った者を凍り付かせる、と噂されているあのエドガーだ。
「間違いなく、エドガーだな」
「ほら、隣に女性がいますよね。手をつないでいますよね?」
間髪いれずに副隊長が言う。言われ、じっと観察をする。エドガーは隣の誰かと手をつなぎ、その誰かとしゃべっている。そして、時折、笑顔を向ける。
「ヒッ」
と、危うく悲鳴をあげそうになり、マーティンはそれを飲み込んだ。
「大丈夫ですか、隊長。エドガー隊長の笑顔に殺られましたか」
「だだだだだ、大丈夫だ」
マーティンは気づいてしまった。あのエドガーの隣を歩いているのは、妹のミレーヌ。間違いなくミレーヌだ。
騎士見習い時の格好とは違うから、副隊長もとある隊員も気づかないのだろう。でも自分はミレーヌの兄だ。私服姿であっても、自分の妹であることくらい、見ればわかる。
よく見ると、第五騎士隊のメンバーではないか。隊長、副隊長、とある隊員の三人。
お祭りの露店に併設されている喫茶スペースで、飲み物を飲んで休憩中の三人。とにかく、むさ苦しい。華やかさが一切無い。
「隊長、なんでミレーヌ嬢を連れてきてくれなかったんですか」
とぼやくのは、副隊長。
「ミレーヌにも友達の付き合いというものがあるのだ」
と同じようにマーティンもぼやく。
「むさいです。むなしいです」
と、とある隊員。
「何が悲しくて、この三人でお祭りなんですか」
と副隊長。
「我々には、同行してくれるような女性がいないからだろう」
マーティンがしれっと言う。事実。事実ではあるが、悲しい。だから、こんなにもむさ苦しい。やはり妹のミレーヌがこの場にいてくれたら、少しは華やいだのだろうか。明るくなったのだろうか、とも思っている。
「そういえば」と副隊長が口を開く。「さっき、恐ろしいモノを見ました」
「恐ろしいものだと?」
眉間に皺を寄せたマーティンが尋ねた。恐ろしいものとは何か。これから駆除しに行かねばならないようなものなのか。
「はい」内緒ですよ、と副隊長が言うので、むさ苦しい男は三人顔を寄せ合う。
「笑顔のエドガー隊長……」
ヒヤっと冷たい汗が背中を流れた。駆除の対象ではないが、笑えないくらいの恐ろしいものだ。
「それは、怖い。あの、エドガーが笑顔だと?」
マーティンが真顔で聞き返す。
「はい」
副隊長は、嘘はついていません、と言うようにしっかりと力強く頷く。
「しかも、とても素敵な女性を連れていました。あのエドガー隊長が、女性と手をつないで歩き、笑っていたんです。怖くないですか?」
副隊長の告白に、先ほどから背筋に冷たいものが流れ、止まらない。これが悪寒というものか。
「想像しただけで鳥肌が立つな」
言い、マーティンは露店で買った冷たい飲み物を、グイッと飲んだ。残念ながらアルコールではない。
結局この三人。お祭りに同行するような相手、家族がいないことから、休暇中にも関わらず、任務を任されてしまった。二つの隊が休暇となると、人手も足りないらしい。人手が最も多い日の今日、お祭りの見回り、という嬉しいのか悲しいのかわからない微妙な任務だった。
「隊長、噂をすれば。というやつではないですか?」
とある隊員が、小さな声で言う。
「あれ、エドガー隊長ですよね?」
エドガーに気づかれないように、彼はそっと指を向けた。
言われ、その隊員の指先を追いながら、マーティンは顔を向けた。
そこには、楽しそうに歩いているあのエドガーがいる。私服ではあるが、間違いなくエドガーだ。目の合った者を凍り付かせる、と噂されているあのエドガーだ。
「間違いなく、エドガーだな」
「ほら、隣に女性がいますよね。手をつないでいますよね?」
間髪いれずに副隊長が言う。言われ、じっと観察をする。エドガーは隣の誰かと手をつなぎ、その誰かとしゃべっている。そして、時折、笑顔を向ける。
「ヒッ」
と、危うく悲鳴をあげそうになり、マーティンはそれを飲み込んだ。
「大丈夫ですか、隊長。エドガー隊長の笑顔に殺られましたか」
「だだだだだ、大丈夫だ」
マーティンは気づいてしまった。あのエドガーの隣を歩いているのは、妹のミレーヌ。間違いなくミレーヌだ。
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