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本編
3 二日目の朝
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目を覚ますと、横にブラッドがいる。
起き抜けの美形に鼓動が跳ねる。朝日に輝く金の髪、つむられた金の睫毛。昨日さんざんキスをした唇は少し赤くなっているような気がする。
体を動かそうとすると、お尻の中に違和感がある。まだブラッドが入っている気がする。それに腰がだるい。喉も痛い。喘ぎすぎだと恥ずかしくなる。
ブラッドが身動きをする。綺麗な金の睫毛があがり、青い瞳が見える。
「起きたの? シン」
「あ、はい」
どうにも恥ずかしいと思っていると、簡単に抱き込まれてしまう。ブラッドの胸に頬を寄せる形で抱きこまれ、息を潜める。小ぶりの乳首が傍にあって、ドキッとする。胸板が厚いなとか腹筋割れて良いなとか、別のことを考えた。
「食事を用意させるよ。シン、体は大丈夫? 昨日はとてもかわいすぎて無理をさせてしまったね」
間近に顔をのぞき込まれ、視線が合うと、ブラッドはとろけるような甘い笑みを見せた。美形の笑み。破壊力がすごい。思わず魅入っていると、顔を上向けられ、キスをされた。
「そんなかわいい顔をしないの。また抱きたくなる」
かあっと頬が熱を持つ。甘い。甘すぎる。セックスした後の睦事ってこういう感じ? どきどきする。
体を返されてベッドに押し付けられ、キスをされて、顔を上げたブラッドが緩く笑う。するっと性器を撫でられて、息が上がった。クスッと笑われて、またキスをされた。
「残念だけど、仕事だ」
ブラッドがローブを身に着け、ベッドを降りて部屋を出て行く。その背中を見送って、ゆっくり身を起こした。すでにベッドメイクされている。体も綺麗にされていて、いったいいつの間に? と思う。
起きて着替えを探すと、ベッドルーム脇の棚に、異世界服が幾つか置いてあった。しかもセットが分かるように種類ごとに分けて置いてある。至れり尽くせりだ。どんな感じの物があったかというと、中華風の物やアオサイ風の物。簡単に着られそうな物などいろいろある。その中から半袖のTシャツに8分丈のパンツ、少し大きめのベストを重ね、腰にベルトを締める。奇抜さのない簡単な服装を選んで着た。
「シン、入っても良い?」
着替えを済ませ、リビングのソファに座っていると、ブラッドが扉をノックしながら声を掛けて来た。
「はい、どうぞ」
異世界のルールなんて知らないから普通に声を出す。
「ああ、そういう格好も良く似合いますね」
ブラッドはすでに軍服を着ている。黒い詰襟で胸に金のバッジが幾つか並べて留めてあり、袖口に三本の黒いテープ飾りがついている。これは元の世界にもあった階級とか勲章とかそういうものかと観察する。室内で見た時は黒だと思ったが、朝の陽ざしの中で見ると、軍服は濃紺だとわかった。
「提案があるんだ」
俺の前に座ったブラッドは、手にしていた物をテーブルの上に置いた。シャンプーのボトルのような物と、目薬のような物だ。
「せっかくの黒だけど、シンを誰かに奪われたくないからね。色を変えない? こちらは脱色する液剤で、こちらは目の色を変える薬なんだ。どちらも明るい茶色になる物を用意した」
「色を変えたら、もうあんなことにはならない?」
「色を変えても美形には変わりないから、悪目立ちをしないという程度かな」
髪をブリーチは今まで学校があったからできなかった事のひとつだ。でも似合わないだろうと思っていたのも事実で。でも黒が異質だというのなら、やらないと外も歩けない。仕方ないと有難く薬剤を頂くことにした。
「それでもいいや、ありがとう。染めてみるよ」
「私はこれから神殿へ向かうよ。今日はクロードが……私と一緒に護衛をしていたもうひとり、彼がこちらに来るから、クロードと一緒に行動をして、決してひとりにならないようにね」
「えっと、俺は何をするの?」
一緒に行動と言われても、知らない相手だし、大丈夫なのかと思った。
「どうだろう? クロードは今日お休みだから、街の案内と、これからどうしたいかの話し合いかな。副神殿長から言い使っているのだと思うよ。ごめんね、本当なら私が一緒にいたかったのだけど」
「いいよ、大丈夫。ありがとうって、副神殿長様にお礼を伝えて」
「わかった。無理はしないようにね。辛かったらクロードに言って帰って休むんだよ」
ブラッドは優雅な態度でソファから立ち上がる。
俺もソファから立ち上がり、ペコっと頭を下げると、ブラッドは微笑ましいっていう顔で見ている。
ああ、こちらには頭を下げる文化はないのかなと思っていると、ブラッドも胸に手を当て、視線を下げる挨拶をしてくれた。ブラッドの胸のあたりでチャリチャリと金属の触れる音がした。どこかで聞いたことのある音だと思う。思い出したのは、ドッグタグだ。銀の鎖につけるネームプレート。人によっては数枚重ねて付けていたから、鎖の音と同時に金属が触れ合う音がしていた。ブラッドも服の中にドッグタグのような物をしているのだろうか。
ブラッドを見送り、机に置いてある薬剤を手に取る。
不思議と文字も読めた。
本当に有難いのは、言葉が通じていることだ。日本語ではないと思う。でも日本語に聞こえている。文字はミミズが這っているように線が複雑に絡んでいるようにしか見えないが、目で追うと意味が理解できる。これも異世界転生仕様なのだろうと思うと本当に不思議だ。
とにかく髪と目の色を変えられるか試してみようと、ブラッドにもらった薬剤を持ち、バスルームへ向かった。
やり方は前の世界とかわらない。薬剤を髪に塗り、何分か待ち、洗い流す。時間が経てば経つほど色が抜ける。とりあえず20分待ってみたら、明るめの茶色になった。いっそブラッドみたいに金髪もいいなと思ったけど、眉まで金は嫌だなと思う。ブラッドは似合っているけど。
目の方は怖かった。点眼用の目薬だ。一滴目に入れるだけで瞳の色が変わるらしい。これは日本になかった。カラコンよりも簡単だが、直接薬を入れるというのに抵抗がある。でもブラッドがくれたものだ。信用しない訳には行かない。気合を入れて点眼した。少し熱いっていう感覚がして、鏡を見れば、目の色が茶色になっている。不思議だった。点眼して12時間持つらしい。朝入れたら夜には黒に戻るということになる。ずっと色が変わったままだというよりは、12時間で戻る方が安心できる。
髪と目が茶色になった違和感をじっくり鏡で見る。全然似合っていないが俺の感想なのだが、この世界は変わっているから、ブラッドはいないけど、クロードという左の男がどういう反応をするのかが少し楽しみだ。
護衛ですという態度を最後まで崩さず、副神殿長には優しく接していたという印象の男だ。どんな感じでやって来るのか。そしてどこへ連れて行ってくれるのか。異世界2日目。1日目からもう夢だと思いたいくらいの怒涛さだったから、平穏な日になれば良いなと思う。
起き抜けの美形に鼓動が跳ねる。朝日に輝く金の髪、つむられた金の睫毛。昨日さんざんキスをした唇は少し赤くなっているような気がする。
体を動かそうとすると、お尻の中に違和感がある。まだブラッドが入っている気がする。それに腰がだるい。喉も痛い。喘ぎすぎだと恥ずかしくなる。
ブラッドが身動きをする。綺麗な金の睫毛があがり、青い瞳が見える。
「起きたの? シン」
「あ、はい」
どうにも恥ずかしいと思っていると、簡単に抱き込まれてしまう。ブラッドの胸に頬を寄せる形で抱きこまれ、息を潜める。小ぶりの乳首が傍にあって、ドキッとする。胸板が厚いなとか腹筋割れて良いなとか、別のことを考えた。
「食事を用意させるよ。シン、体は大丈夫? 昨日はとてもかわいすぎて無理をさせてしまったね」
間近に顔をのぞき込まれ、視線が合うと、ブラッドはとろけるような甘い笑みを見せた。美形の笑み。破壊力がすごい。思わず魅入っていると、顔を上向けられ、キスをされた。
「そんなかわいい顔をしないの。また抱きたくなる」
かあっと頬が熱を持つ。甘い。甘すぎる。セックスした後の睦事ってこういう感じ? どきどきする。
体を返されてベッドに押し付けられ、キスをされて、顔を上げたブラッドが緩く笑う。するっと性器を撫でられて、息が上がった。クスッと笑われて、またキスをされた。
「残念だけど、仕事だ」
ブラッドがローブを身に着け、ベッドを降りて部屋を出て行く。その背中を見送って、ゆっくり身を起こした。すでにベッドメイクされている。体も綺麗にされていて、いったいいつの間に? と思う。
起きて着替えを探すと、ベッドルーム脇の棚に、異世界服が幾つか置いてあった。しかもセットが分かるように種類ごとに分けて置いてある。至れり尽くせりだ。どんな感じの物があったかというと、中華風の物やアオサイ風の物。簡単に着られそうな物などいろいろある。その中から半袖のTシャツに8分丈のパンツ、少し大きめのベストを重ね、腰にベルトを締める。奇抜さのない簡単な服装を選んで着た。
「シン、入っても良い?」
着替えを済ませ、リビングのソファに座っていると、ブラッドが扉をノックしながら声を掛けて来た。
「はい、どうぞ」
異世界のルールなんて知らないから普通に声を出す。
「ああ、そういう格好も良く似合いますね」
ブラッドはすでに軍服を着ている。黒い詰襟で胸に金のバッジが幾つか並べて留めてあり、袖口に三本の黒いテープ飾りがついている。これは元の世界にもあった階級とか勲章とかそういうものかと観察する。室内で見た時は黒だと思ったが、朝の陽ざしの中で見ると、軍服は濃紺だとわかった。
「提案があるんだ」
俺の前に座ったブラッドは、手にしていた物をテーブルの上に置いた。シャンプーのボトルのような物と、目薬のような物だ。
「せっかくの黒だけど、シンを誰かに奪われたくないからね。色を変えない? こちらは脱色する液剤で、こちらは目の色を変える薬なんだ。どちらも明るい茶色になる物を用意した」
「色を変えたら、もうあんなことにはならない?」
「色を変えても美形には変わりないから、悪目立ちをしないという程度かな」
髪をブリーチは今まで学校があったからできなかった事のひとつだ。でも似合わないだろうと思っていたのも事実で。でも黒が異質だというのなら、やらないと外も歩けない。仕方ないと有難く薬剤を頂くことにした。
「それでもいいや、ありがとう。染めてみるよ」
「私はこれから神殿へ向かうよ。今日はクロードが……私と一緒に護衛をしていたもうひとり、彼がこちらに来るから、クロードと一緒に行動をして、決してひとりにならないようにね」
「えっと、俺は何をするの?」
一緒に行動と言われても、知らない相手だし、大丈夫なのかと思った。
「どうだろう? クロードは今日お休みだから、街の案内と、これからどうしたいかの話し合いかな。副神殿長から言い使っているのだと思うよ。ごめんね、本当なら私が一緒にいたかったのだけど」
「いいよ、大丈夫。ありがとうって、副神殿長様にお礼を伝えて」
「わかった。無理はしないようにね。辛かったらクロードに言って帰って休むんだよ」
ブラッドは優雅な態度でソファから立ち上がる。
俺もソファから立ち上がり、ペコっと頭を下げると、ブラッドは微笑ましいっていう顔で見ている。
ああ、こちらには頭を下げる文化はないのかなと思っていると、ブラッドも胸に手を当て、視線を下げる挨拶をしてくれた。ブラッドの胸のあたりでチャリチャリと金属の触れる音がした。どこかで聞いたことのある音だと思う。思い出したのは、ドッグタグだ。銀の鎖につけるネームプレート。人によっては数枚重ねて付けていたから、鎖の音と同時に金属が触れ合う音がしていた。ブラッドも服の中にドッグタグのような物をしているのだろうか。
ブラッドを見送り、机に置いてある薬剤を手に取る。
不思議と文字も読めた。
本当に有難いのは、言葉が通じていることだ。日本語ではないと思う。でも日本語に聞こえている。文字はミミズが這っているように線が複雑に絡んでいるようにしか見えないが、目で追うと意味が理解できる。これも異世界転生仕様なのだろうと思うと本当に不思議だ。
とにかく髪と目の色を変えられるか試してみようと、ブラッドにもらった薬剤を持ち、バスルームへ向かった。
やり方は前の世界とかわらない。薬剤を髪に塗り、何分か待ち、洗い流す。時間が経てば経つほど色が抜ける。とりあえず20分待ってみたら、明るめの茶色になった。いっそブラッドみたいに金髪もいいなと思ったけど、眉まで金は嫌だなと思う。ブラッドは似合っているけど。
目の方は怖かった。点眼用の目薬だ。一滴目に入れるだけで瞳の色が変わるらしい。これは日本になかった。カラコンよりも簡単だが、直接薬を入れるというのに抵抗がある。でもブラッドがくれたものだ。信用しない訳には行かない。気合を入れて点眼した。少し熱いっていう感覚がして、鏡を見れば、目の色が茶色になっている。不思議だった。点眼して12時間持つらしい。朝入れたら夜には黒に戻るということになる。ずっと色が変わったままだというよりは、12時間で戻る方が安心できる。
髪と目が茶色になった違和感をじっくり鏡で見る。全然似合っていないが俺の感想なのだが、この世界は変わっているから、ブラッドはいないけど、クロードという左の男がどういう反応をするのかが少し楽しみだ。
護衛ですという態度を最後まで崩さず、副神殿長には優しく接していたという印象の男だ。どんな感じでやって来るのか。そしてどこへ連れて行ってくれるのか。異世界2日目。1日目からもう夢だと思いたいくらいの怒涛さだったから、平穏な日になれば良いなと思う。
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